『ARIA』好きなら絶対に遊んでほしい! たくさんの“素敵”が詰まったヒーリング系リズムゲーム『ARIA~AQUA RITMO~』

『ARIA~AQUA RITMO~』は、アニメ・コミックスで根強い人気を誇る『ARIA』を題材に、新感覚のヒーリング系リズムゲームが楽しめる。2016年1月よりAndroid・iOS向けにサービスがスタートした本作を実際に遊んで感じた魅力をリポートしていく。

●恥ずかしいセリフ満載で、魅力をリポート!

「……まさかファミ通.comで、『ARIA』の記事を書く日が来るなんて、夢にも思わなかった。高校生の私、見てる? ファミ通.comで、『ARIA』の記事書いてますよ、キミ。これぞまさしく、“みらくる”だね」。

 さて、『ARIA』は2005年から全3クールにわたって放送され、2015年には完全新作として劇場公開もされたアニメだ。原作は天野こずえ先生が連載していたコミックスで、放送や連載を終えて数年経ったいまでも、他に類を見ないほど癒しを感じる作風が根強い人気を誇っている。

 本題に入る前に恐縮だが、今回のリポートを書く筆者は『ARIA』の大ファンだ。どれくらい好きかと言うと、「『ARIA』は人生のバイブル」と各方面で吹聴し、2015年に劇場公開された『ARIA The AVVENIRE』には4度足を運び、その勢いで『ARIA The ANIMATION』のオールナイト一挙上映会にも参加してしまうほどのファンだ。『ARIA』並びに天野さんをリスペクトするあまり、人生の目標にしている人物はいまもアリシアさんだし、こうしてライターを始めたのも、じつは『ARIA』の影響からだったり。つまり私の人生は半分『ARIA』と天野さんでできているといっても過言ではない。

 そのかたわら、筆者はいわゆる“音ゲーマー”でもある。ゲームスポットに置いてあるアレやコレから、スマホで遊べる某アイドルゲーもバッチリプレイ済み。……だからこそ、最初に『ARIA~AQUA RITMO~』の話を聞いたときは「はひっ!?」となった。いや、だって『ARIA』でリズムゲームなんて……。確かに音楽が重要な位置を占める作品だが、リズムゲームにはミスマッチな曲では? 正直、オリジナルとはほど遠いものになるのでは? と、不安でいっぱいだったのだ。

 だが実際にプレイするとそんな不安は杞憂でしかなく、『ARIA~AQUA RITMO~』は『ARIA』の魅力を引き出してくれる新感覚のヒーリング系リズムゲームに仕上がっていた。今回はこの『ARIA~AQUA RITMO~』の魅力をファン目線全開でたっぷりと伝えていこうと思う。なお、すでにゲームの概要や攻略に関しては以下の記事で紹介されているので、「どんなゲームなのか知りたい」、「攻略方法が知りたい」といった向きはこちらも読んでほしい。

※ファミ通App『ARIA~AQUA RITMO~』紹介記事
数々の名曲がスマホでよみがえる! 癒やしのリズムゲーム『ARIA~AQUA RITMO~』

●収録楽曲は、ほぼBGM!?

 最初に『ARIA~AQUA RITMO~』においてあたりまえで重要なことを伝えておくが、このゲームはとりわけ『ARIA』ファンに向けて作られたスマホゲームなんだと思う。

 ゲーム全体が作品をフィーチャーした作りになっているが、純粋なスマホゲーとして本作を遊ぶこともできる。その場合、体力を消費して曲を遊び、経験値を稼いだり、ガチャでキャラクターカードを集めたりと、とてもベーシックな作品となる。難度も低めに設定されており、いわゆるリズムゲームの初心者や、不得意な人でもとっつきやすい反面、慣れた人にとってはとても簡単。ノリノリになってプレイするような曲もほぼないため、『ARIA』を知らない人にとっては物足りない感じになる面もあるだろう。

 だが、それもすべて『ARIA』ファンが手に取りやすいものにするための仕組みと考えられる。『ARIA』が好きな人にとって、そもそもスマホゲームというシロモノが未知のカテゴリーであることも想像に難くない。難度設定や、シンプルなゲームデザインなどは、“それゆえに”と思えばすべて合点がいく。音ゲーマーである筆者でさえも、通常のリズムゲームとは異なった部分に多くのおもしろさを感じ、ばっちりハマった。だからこそ、“リズムゲーム”ではなく、“新感覚のヒーリング系リズムゲーム”として、『ARIA』ファンの方にこそ、ぜひ、ぜひ一度触ってほしいと思うのだ。

“ファン向け”と思う理由のひとつとして、遊べる楽曲の多くがアニメの作中BGMであることが挙げられる。たとえば誰もが最初に遊ぶ位置にある最低難度の曲が、数あるテーマソングを差し置いて、あえて作中BGMの“AQUA”になっているのだ。最初にBGMを遊ばせるスマホゲームなんて、正直、聞いたことがない!

 だが、筆者にとってはこのBGMこそが「『ARIA』といえば、この曲だよなぁ!」とワクワクさせたてくれるものであり、聴いた瞬間にグッとゲームに引き込まれる牽引力となった。この感覚は、きっとファンなら共感していただけるものだろう。

 ほかにも“夕立ちのあとで”や“運河はめぐる”といった、アニメを思い出させる作中BGMが数多く収録されている。一方で、テーマソングの“ウンディーネ”や“夏待ち”といったボーカル曲は3つに1曲くらいのペースで、スパイス的な存在として現れる。これはもう、作品を知っていればいるほど絶妙と感じるバランスだ。

 BGMをじっくり聴き入っているうちに、気づけば画面をシャララーンとしたり、タンッタンッと鼻歌まじりでタップしたりする自分がいる。いつしか作品の世界にどっぷり浸かっているのだ。これは『ARIA』がモチーフだからこそ生まれる不思議な魅力で、“高難度楽曲のクリアーを目指す“ことよりも、“雰囲気に浸り”、癒されることに重点が置かれたゲームデザインだからだと筆者は思うのだ。

▲いわゆるリズムゲームに比べて“長押し”や“スライド”といった操作が多めで、「リズムゲームで遊んでいる」というより、オルガンのような鍵盤楽器を優雅に弾いているような感覚を覚える。背景がアニメの1シーンになっていることで、ふとそのシーンを思い出すキッカケにもなる。

●主役はやっぱり、ウンディーネたち

 『ARIA』といえばキャラクターと物語。これらについて語らないわけにはいかない。そもそも、この作品がいまでも根強い人気を誇っているのは、ゴンドラを漕ぐ女性“ウンディーネ”になるために水の惑星アクアにやってきた主人公の灯里と、彼女の同期であり友人となる藍華とアリス、加えて彼女たちの先輩であるアリシア、晃、アテナの6人が、めぐる季節の中で“大切な時間”を積み上げていったからこそ。このことを知っていると『ARIA~AQUA RITMO~』はより強く染み込んでくる。

 本作では彼女たちに加え、テレビアニメ10周年記念プロジェクトとして上映されたアニメ『ARIA The AVVENIRE』で灯里たちの後輩として登場したアイ、あずさ、アーニャも加えた計9人のキャラクターから3人を選び、曲を遊ぶのだ。ここで重要なのが“カードではなく、キャラクターを選ぶ”ところにある。

 通常、スマホゲームでは、引いたカードそのものを編成して遊ぶが、本作で手に入るカードは、キャラクターの装備品といった扱いに近い。

▲入手したカードは最大5枚までキャラクターにセットでき、その合計値でステータスやスキルが決まる。

 そのため、本作では曲を遊んだときに得られる経験値はカードでなくキャラクターに蓄積され、これにより、新しいカードを手に入れたとき、いちいちレベル上げをする必要がなくなっている。一度カードを入手してしまえば、好きなキャラクターで思う存分遊べるわけだ。加えて、気分や曲によってキャラクターを変えて遊んでも、損をしない仕組みになっているのも、ファンにとってはうれしいところだろう。

▲のちのちレアリティの高いカードを手に入れても、曲をプレイして貯めたコインがあれば、カード自体のレベルを一瞬で引き上げられる。

●原作では語られていないプラスの物語も

 さらに、キャラクターの魅力を存分に楽しむために、指定したキャラクターをホーム画面でナビゲーターにできる仕組みがある。ここに登場するキャラクターは、Live2Dの技術で動いたり、ボイス付きでおしゃべりしたりしてくれる。話の内容や、背景なども時間ごとに変化するため、ホームに戻るたびに何とも言えないほっこりとした気分になれるのだ。

▲灯里なら“ARIAカンパニー”。アリスなら“オレンジぷらねっと”といった具合で、時間やキャラクターによって背景も変わる。ちなみに“ARIAカンパニー“のキャラクターを選んだときのみ、アリア社長もセットで登場。タップすると「ぷいにゅ。ぷいにゅ」と鳴く。なんだこのかわいい生き物は。

▲ホーム画面の立ち絵(とくに手の部分)はウンディーネたちの職階によって変化していく模様。そのため、貴重なペア(見習い)状態のアリシアさんたちも見られたり。

▲なお、アテナさんだけはホーム画面のボイスが存在しないが、アニメで使われたボイスはゲーム内に収録されているとのこと。

 ホームで聴けるボイスは、原作で登場したものや、それに準ずるエピソードに関するものが録り下ろしで収録されている。ここで注目したいのがアイ、あずさ、アーニャの3人だ。原作やテレビアニメに登場しなかったこの3人は、キャラクター像がほとんど知られていない状態だが、本作ではボイス付きのセリフを通して、ほんの少しだが彼女たちの内面に触れることができる。

▲たとえば、おっとりしたイメージだったアーニャだが、この台詞から、意外に努力家であり、ふたりの先輩を尊敬していることがわかる。

 またこの3人は、カードのイラストやその名前から、バックストーリーを想像させられることが多い。こういった新しくプラスされた物語を味わえるのも、本作の醍醐味だろう。