ゲーム音楽ステージ締めにふさわしい、素晴らしいステージに
2016年1月30日~1月31日、千葉・幕張メッセにて開催された、ゲーム実況とゲーム大会の祭典“闘会議2016”。1月31日、ゲーム音楽ステージでは“光田康典×Cosmosky Orchestraスペシャルステージ‼︎”が開催された。
今回のステージでは、いまなお抜群の人気を誇る名作RPG『クロノ・トリガー』、『クロノ・クロス』の楽曲が演奏されるとあって、会場は開演前から溢れんばかりの人だかりに。本稿では、ライブリポートをお送りする。
コンサートはまず、『クロノ・クロス』メドレーからスタート。「神の庭」から始まり、神秘的なムードに。絃楽器の心地よい伸びのある響きに観客もうっとり。続いてオープニング曲「時の傷跡」、「アルニ村(アナザー)」、「テルミナ(アナザーワールド)」など人気曲が演奏された。
演奏を聴いた光田氏は、「アレンジも緻密に作られていますし、楽団のみんながゲームを大好きで、一音一音に魂が込められていたようだった」と興奮気味。
そんな光田氏は、昨年2015年に作曲家生活20周年を記念し“光田康典×スクウェア・エニックス×クロノシリーズ”によるアレンジアルバム『ハルカナルトキノカナタヘ』を発売。同アルバムに込められた思いについては、「『クロノ・トリガー』は作曲家デビュー曲なので、すごく思い入れがある。当時23歳の誕生日にサウンドトラックが発売されたが、「遥かなる時の彼方へ」のメロディーは18歳頃の若い時に書き溜めていたものもだった」と言い、観客を驚かせていた。
また、「作曲は楽しくもあり辛い時もあった。曲を書くということは魂を削って書いているので、体がだんだん蝕まれていくような感じだった」と、20年間の活動を振り返る一幕も。「体が辛い仕事ではありますが、ファンの皆さんに曲を聞いてもらう、そして素晴らしいオーケストラに演奏してもらうことがパワーになります」とコメントした。
続いて後半は『クロノ・トリガー』メドレーを演奏。タイトル画面の振り子時計の音を再現する細かな演出から始まり、「魔王決戦」、「戦い」(通常バトルBGM)といったアップテンポの楽曲などが演奏された。ユーザーの記憶に残るゲームサウンドのメロディーラインを鮮明に残しながらも、編曲によって新たな楽曲として楽しめた。
アンコールでは、闘会議というゲームのお祭りにちなんで「ガルディア王国千年祭」を演奏。光田氏はアコースティックギターとして参加し、会場を大いに沸かせた。
時間としては約40分で、「あの曲も演奏してほしい!」、「ここはこの楽器で演奏して欲しい!」という想いはあったが、それ以上に充実感に溢れたライブだった。『クロノ』シリーズファンそれぞれの思い出を浮かべ、感動した人も多かったのではないだろうか。
当時本シリーズをプレイしていた人は、ぜひタイムシフトをチェックして懐かしい気分に浸ってほしい。