健気(?)につき従うゾンビたちをときに盾に、ときに矛とせよ!!
1体1体だけ見るとそれほど脅威ではないものの、いざ集団になると、その底なしの攻撃
衝動が大きな脅威となる、ゾンビ。『Delicious Cortex』は、そんなゾンビたちの性質が絶妙に活かされたアクションゲームです。プレイヤーは、周囲のゾンビの行動を大雑把に操れる“魔王”として、抵抗する人間たちをせん滅していきます。ここぞという場所から、ゾンビの群れを人間にけしかけるときの、背徳感交じりの爽快感が、じつに心地いいんです。
ステージ総数は6と少なめ。このシステムのまま、もっといろいろなステージで楽しんてみたい気もしますが、その一方で、「これはこれで美しい」とも思えます。詰め将棋的な戦略性と、それを実行するためのアクション操作のほどよいバランスを、十分に堪能できるからです。フリーゲームだからこの程度だろう……とは異なる、特定のエッセンスがぎゅっと凝縮された宝石のような、ミニマム感。それを慈しむ気持ちもまた、ゲーム愛です。
【冴えない僕(しもべ)の増やしかた】
まずは、ゾンビの“素体”が埋められているお墓の位置を、確認しておこう。
木箱が行く手をふさいでいる場合は、ゾンビを解放して壊してもらうこと。
お墓ひとつに触れるごとに2体のゾンビが合流。初期状態は追従モードだ。
MOTION TWIN実験作に見る ちょうどいいゲームの条件
『Delicious Cortex』を開発したSébastien Bénard氏は、フランスのインディーゲームディベロッパー“MOTION TWIN”に所属するゲームクリエイター。クロスプラットフォーム対応のオープンソース型プログラミング言語HAXEをベースに開発したフリーゲームを、個人サイト“deepnight.net”で公開しています。ブラウザゲームということもあり、快適に動作するかは、各ユーザーの使用PCなどの環境面に依存する点が残念ですが、いずれの作品も、単なる一発ネタや試作の範疇を越えた、ゲームバランス面での作り込みが行き届いています。
Sébastien氏はこれくらいの規模のゲームが好きなんだな、ということが嫌味なく伝わるとともに、リッチな表現や膨大な情報を浴び続けるうちにぼやけていた、ゲームのおもしろさや、楽しみかたのツボを再認識できた気がします。
▼『Proletarian Ninja X』 たった10秒間の完全暗殺ストーリー
フロアにいるすべての人間を10秒間で暗殺する、パズル性の強いアクションゲーム。敵の視界に入ったり、死体を発見された時点でアウトというシビアさが、逆に燃える。
▼『Refugees』 3人家族の絶望的なサバイバル
夫、妻、息子の3人を切り替えながら操作し、戦場と化した街を生き抜くゲーム。食糧を補給し、身を寄せ励まし合いながら、脱出用の電車の修理をしなければならない。
▼『Full Metal Democracy』 モンスター・マシンを豪快に操れ!
巨大な四足歩行型兵器を操作して、敵を蹴散らしていくアクションゲーム。ストレスなく遊ぶには、そこそこのPCのスペックが必要かも。
▼『Minnie & Malism:Budget squad』 小さな小さな海底戦争?
ライトで周囲を照らす潜水艦と、攻撃できる潜水艦を切り替えながら操作して、深海を進んでいく、一風変わったシューティングゲーム。
▼『Law Breaker』 高い自由度の2Dクライムアクション
パトカーの追撃をかわしながら、盗んだクルマで犯罪を重ねる、見下ろし型カーアクション。某ドットイートアクション的なモードも収録。
Delicious Cortex
メーカー | MOTION TWIN |
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対応機種 | PCWindows |
発売日 | 配信中 |
価格 | フリーゲーム |
ジャンル | アクション |
備考 | Adobe Shockwave Playerが起動するインターネットブラウザ上でプレイ可能 |