最新作情報にぐぐっと踏み込んでみた!

 2015年12月23日、オニオンゲームスのスマートフォン(iOS、Android)用ゲーム『勇者ヤマダくん』の近日リリースを記念したイベントが、新宿ロフトプラスワンにて開催された。イベントでは、『勇者ヤマダくん』のさまざまなシステムほか、同作品のストア配信時期が2016年1月上旬であることが、発表された。

 インディーゲームの祭典“BitSummit2015”開催のタイミングで電撃的に発表された、オニオンゲームスの最新作『勇者ヤマダくん』。これまでに全国主要都市4か所で試遊会が行われてきたが、オニオンゲームス代表兼同作ディレクターの木村祥朗氏によれば、イベント開催のたびに「飲み会をやればいいのに」と言われたとのこと。そこで、2015年末のタイミングで、飲み会という体でのリリース記念イベント開催に至ったという。このイベントの模様は、ニコ生でも中継された。

ヤマダくんの冒険は2016年の年明けとともに始まる! “勇者ヤマダくん 公式飲み会~THE 忘年! 年末発売なるや、ならざるや!?~”リポート_01
▲イベントは、オニオンゲームスの木村氏(写真右から3人目)、ゲストの松島初音さん(同右からふたり目)、司会・MCのローリング内沢氏(同右端)の3人のトークを中心に進行。開発者やゲストが初登壇するたびに乾杯が行われるなど、まさにアットホームな飲み会ムードだった。
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▲会場入り口付近には、2015年11月に開催された“デジゲー博2015”で出展された試遊版を自由にプレイできるスペースが。サウンド面にも並みならぬこだわりがある作品の性質上、ヘッドフォン着用でのプレイが推奨されていた。
▲出演者、参加者ともに自由に飲食できる会場では、『勇者ヤマダくん』のゲーム世界にちなんだスペシャルメニューが販売された。品目は、“綾小路秘伝の焼きそば”(写真、600円)と、“アジャのチキンカレー”(700円)、生ビールとから揚げ、枝豆がセットになった“ヤマダくん晩酌セット”(1000円)の3品で、いずれも飛ぶように売れていた。
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▲ゲストタレント・松島初音さんが『勇者ヤマダくん』(試遊版)を初プレイ。隣に座っている開発者に直接ヒントを聞きながら、進むルートを慎重に検討していた。木村氏は、松島さんのあまりの熟考ぶりにあきれつつも、「ここまで真剣にやってもらえると嬉しいですね」とコメントした。

 “近日配信予定”とアナウンスされていた『勇者ヤマダくん』のリリース時期については、iOS・Android 版とも “2016年1月上旬”との正式発表が。木村氏によれば、Appleの審査はすでに通過していて、当初はイベント開催日の配信開始を目論んでいたが、直前でのバグ修正対応とさらなるクオリティーアップのため、年明けの配信を決断したとのこと。
今後の最新リリース情報は、オニオンゲームスのメールマガジン“のぞきみクラブ”で提供される。メールマガジン登録者には、PC・スマホ用壁紙やミニサントラなどをダウンロードできる “勇者ヤマダの発売日記念福袋スペシャル4点セット”がプレゼントされるので、気になる人はチェックするべし。

THERONIOUS MONKEESの楽曲提供も決定!

 イベント後半は、特別ゲストとして、音楽制作ユニット“THELONIOUS MONKEES(セロニアス・モンキース)”の谷口博史氏、安達昌宣氏が登壇。木村氏が“大先輩”と崇める両氏は、木村氏がゲームデザインを務めた『moon』(1997年/プレイステーション)をはじめ、『チュウリップ』(2002年/プレイステーション2)、『王様物語』(2009年/Wii)などでサウンドを提供してきた関係。『勇者ヤマダくん』では不参加だったが、リリース後の追加ステージ制作の際に楽曲を提供することが、急きょ決定した。

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▲THELONIUS MONKEESの、谷口氏(写真右)と、安達氏(写真左)。ラブデリック開発タイトルで用いられた“へなちょこ語(セリフテキストをそのまま読み上げるのではない、イントネーション重視のキャラクターボイス)”の制作秘話などについて語った。

 これまでは、“『moon』の人”と言われることに抵抗があったという木村氏。当時のスタッフとゲーム制作に携わる時も、そのことをあえて公にしてこなかったそうだが、最近は、「ヘンに避けず、当時の関係者に声をかけていっしょにやったほうがおもしろくて、ハッピーだなと思うようになった」と、心境の変化を吐露。「まったく意識していなかったんですけど、『moon』も勇者の物語だし、『ヤマダくん』も勇者。気づいたら、勇者だったんです。なら、いいかなと」と、自身のゲームクリエイター人生を肯定する意味あいもあっての変化、との印象を受けた。

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▲「自分も『moon』が好きだし、その影響があって以降の作品につながっている。『ヤマダくん』も、過去からずっとある、好きな世界観を受け継いでいる作品なんです」と、木村氏。

初公開システム“ひみつのじゅもん”とは?

 本イベントでは、『勇者ヤマダくん』のゲーム内容に関する新情報がいくつか発表されたが、中でも注目が“ひみつのじゅもん”システム。ゲーム内で、特定の呪文(文字列)を入力すると、本編とは異なる、高難度の特別ダンジョンのプレイが解放されるというもので、呪文は、リリース以降、さまざまな形で公開されていくとのこと。ステージでは、イベント参加者に配られたステッカーに書かれた呪文でプレイできる特別ダンジョン“アスパラさんの大農場”の、開発スタッフによる実演プレイが行われた。

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▲オニオンゲームスのダンジョン職人、池田トム氏がイベント前日に作り上げたという“アスパラさんの大農場”を、同リードプログラマーの大久保タクマ氏がプレイ。行く手をふさぐ強敵“アスパラさん”の猛攻をギリギリで凌ぎつつ、ボスキャラを残りヒットポイント1で撃破……という激アツな展開に、会場が大いに沸いた。
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▲来場者プレゼントのステッカー。中央に書かれている呪文は3種類で、そのうちの2種類が、特別ダンジョン解放の呪文とのこと。しかも、呪文1種類につき1回しかプレイできないため、複数回遊ぶには、来場者どうしで呪文を教えあう必要がある。ファンどうしの交流をさりげなく(?)演出してくれるのも、オニオンゲームスの魅力のひとつだ。
▲“ひみつのじゅもん”以外にも、武器の強化要素など、いくつかの興味深いシステムが、実演プレイの自然な流れで明かされた。ちなみに、主人公のヤマダくんの公式プロフィールは“千葉県でひとり暮らしする36歳プログラマー”だが、木村氏いわく「プレイヤーによっては、必ずしもその通りではありません」とのこと。……どういうことなんだ!?

開発者とファンの距離が近かった、アットホームなイベント

 プレゼント抽選会では、『勇者ヤマダくん』のiPhone6ケースとICカードケース(いずれも非売品)、そして、参加者が持参した『UFO ~A day in the life~』(※木村氏がかつて所属していたラブデリックの作品)の主人公宇宙人の手作りフィギュアが総勢30名にプレゼントされた。イベント終了後も、ロフトプラスワンでそのまま打ち上げ飲み会が行われ、木村氏をはじめとする開発スタッフとファンがフランクに会話できる時間が設けられるなど、始終アットホームなムードに包まれた。2015年内リリースこそ叶わなかったが、年明け早々にプレイできる『勇者ヤマダくん』への期待が一層高まるイベントとなった。

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