想定3時間、実際は6時間超えの長尺に!
ハンビットユビキタスエンターテインメント(以下、HUE)が運営する『グラナド・エスパダ』(以下、『GE』)で行われる年末の特別アップデートを記念したニコニコ生放送、題して、“(GE)リア充に対抗…年末年始はゲーム万歳!アップデート特番”が2015年12月19日に催された。
同番組は、『GE』日本運営プロデューサー松田勇樹氏や事業部長兼“よろず屋”という中尾圭吾氏らによる放談など、見どころたっぷりの放送となった。発表されたアップデート内容を紹介しつつ、この放送に潜入した模様、そして2006年7月のサービス開始から数えて2016年で10周年を迎える『GE』の今後に対するHUEの思惑をお伝えしよう。
番組は、11月に投入された新キャラクター、リスキー役の声優荒浪和沙さんをゲストに招いて20時すぎから放送開始。“プレゼント獲得ゲーム”と称して、出演者たちがアップデート内容にちなんでゲームをプレイ。同時にアンケートを募り、結果が出た後にもっとも多い回答が正解であれば、インペリアルホイール(スロット)を回し、その出目によって、全ユーザーにガチャ景品が配られるという太っ腹な企画から始まったが……。
しっかりと進行を務めるトナカイ姿のHUE広報の森大輔氏や、ゲストの荒浪さんとは対象的に、楽しめる放送にしたかったという演出からか、元プロデューサー中尾圭吾氏に加え、『GE』日本運営プロデューサー松田勇樹氏までもが、ゲームにちなんで“聖魔水”と呼びつつアルコールを積極的に口にした。その結果、プレイや話は大いに盛り上がりながらも(狙いどおりに?)脱線気味に。
スロットを回す際には、ゲーム中のキャラクターに扮したコスプレイヤーの皆さんが登場し、抽選ボタンを押していく。気前のいい景品群のなかでも目玉となったのは、『GE』の荘厳な楽曲を手がける久保田修氏にオーケストラの新曲を依頼するというもの。番組としては、これは大当たりの想定だったが、なんとコスプレイヤーたちの活躍により、2曲分が当たり、松田氏&中尾氏が慌てる一幕も見られた。
やっぱり気になるアップデート情報
続いて、予定時間を大幅にズレこみつつ、久保田修氏を迎えてアップデート情報が語られた。アップデートのタイトルは、“深紅の聖誕祭 ~王国の尊厳~”。
聖誕祭・・・幸せな赤色・・・
いまの我々には・・
幸せの赤色が見えない・・・
我々の手には・・
そこの少年たちの赤も・・・
だが我々の手には・・
希望の赤がある
必ずやり遂げる
破滅の赤はすべて希望の赤に変える
後世でなんと呼ばれるか
鮮やかで・・・混ざり重なる赤・・
深紅の聖誕祭・・・
これは“多重防衛戦”と呼ばれる、王都リボルドウェのいたるところで戦闘がくり広げられる大規模戦闘を軸にしたイベント。街のいたるところでつぎつぎと惨劇を引き起こす犯人は何者なのかをさぐる“常闇の新大陸”と呼ばれる大きな推理イベントの一環で、ライブ感、臨場感を重視しているのだ。シナリオを進めながら、キャラクターの仕草やセリフなどあらゆる情報から犯人を推理し、各期間中に一度だけ質問に答え、正解かつ精度の高かったプレイヤーがリアルで豪華な賞品を手に入れられるという仕掛けだ。
12月22日の第一回“深紅の聖誕祭(推理編)”を皮切りに、1月上旬の“暗黒の新年(推理編)”、1月末~2月にかけて、犯人が明かされる真相編へと続いていくことになる。
◆新地域・イノリー登場
長らく物語に名称だけが登場していたイノリーが、いよいよ舞台として登場。物語も、イノリーは新大陸にとって本国と呼ばれるベスパニョーラの隣国であることから、本編であるストゥラータビスタに強く絡むと強調していた。
◆オートミッションはどう変わる?
ここで中尾氏が聖魔水の摂取過多(?)で一時離脱するハプニングがあったが、現プロデューサーの松田氏から引き続き、アップデートの情報が語られた。
まずはオートミッションの話。現在連続で3周できるオートミッションを30分ほど(5周ほど)連続でできるようにし、長時間ミッションは、1日1回に限定する一方で、よりいいものを提供するようにするとのこと。また、今後の方向性としてはダンジョン突入前に命令を出せるようにするなど、戦略性・ゲーム性をもっと持たせられれば、と話していた。
◆対人戦にも新たな調整と新スタンスの実装を予定
ワンキルがしばし見られていた状況をここまで改修してきた対人戦だが、今後はコロニー戦、派閥戦ともども、かけた時間だけ得られる部分も多い一方、キャラクターごとの性能の格差を緩和してくという。コロニー戦では、バルキリークラッシャー、キャッスルクラッシャーなど、コロニー戦に特化したスキルやアイテムを調整。派閥戦はシステム的な部分を調整するなどしていくとのこと。
また新スタンスとして、万人向けのバランスの取れたミフユの近接スタンス“炎刃月華”と、上級者向けで、デバフを駆使して相手を翻弄するギンの“影夜叉”スタンスが実装される。
アップデート情報の最後には、松田氏から公約として、開発体制の強化やゲームの質と量の向上が語られた。
アップデートの詳しい内容についてはタイムシフト放送でも確認されたい。
9年のこだわりを込めて全力で
ともあれ想定時間を大幅に超過しながらも大いに盛り上がった放送の裏で、聖魔水の飲みすぎでダウン(?)している最中に、事業部長の中尾氏にさりげなく10周年の意向を聞いてみた。聖魔水が効いているのか、口調がいつもと違った中尾氏が語る『グラナド・エスパダ』が目指す10周年の形とは?
──大丈夫ですか? いよいよ2016年は10周年ですね、とお伺いしたかったのですが……。
中尾圭吾氏(以下、中尾) 酔ってはいますが、大丈夫。じつは我々の中で10周年はもう始まっているんです。スタッフを増員していて、企画もガンガン動いています。ですので年末年始の現在からアップデートの強化を進めているんです。
──大丈夫そうですね(笑)。では、アップデートにコンセプトなどあるのでしょうか。
中尾 サービスを10年もやっていますから、使用できるキャラクターが百数十体いますし、シナリオが読み物の部分だけで10万行以上になっています。対人戦も複数の種類が実装され、インスタンスミッションと言っても、個人単位であったり党単位だったり、さらには手動からAUTOまであり、かつデイリーのやつに週間のやつに……う~ん、量を言葉で表すのは難しいですね。とりあえずいっぱいあります(笑)。ですので、単純にキャラクターやミッションを追加しても、もう特別感なんてないんです。だから今回の年末年始アップデートも、あえて期間限定のイベントの方に力を入れているんですよ。
──限定イベントにですか。
中尾 メインアップデートよりもタスクが重たいイベント、そのときしか味わえないライブ感のあるアップデートという感じでしょうか。通常のアップデートももちろんやりますが、いま遊ぶ意味、“生”感みたいなものをこれから重点的に強化していきたいんですよね。
──生感がキーワードなんですね。
中尾 推理する部分は答えが分かっちゃうので、いましか絶対に楽しめないですよね。街全体を使った多重戦闘も、街のいろいろな地域で戦闘が勃発するので、やはり人数がいたほうがいい。いましか遊べないイベントの方が人が集まりやすいのでできることです。ちなみに難易度の低いモードを選べば、少ない人数でもクリアーはできます。けっこうたいへんな開発作業ですが、それをイベントで提供できるくらいスタッフが慣れてきたんですね。
──オンラインゲームならではの作りかたですね。
中尾 そうですね。あ、10周年のコンセプトの話でしたね(笑)。「9年間作ってきたコンテンツがベストパフォーマンスを発揮するには?」ということをずっと考えていますね。その“ベストパフォーマンス”がコンセプトでしょうか。
──ベストパフォーマンスの具体的な形は思案中ですか?
中尾 もう作業はしていますが、まだ発表の形は考えています。10周年なので大胆な形にはなるでしょうね。プレイヤーの皆さんも10年『GE』に付き合っているとマンネリ化すると思いますし、だったら浮気を疑われるぐらいに若返る感じで何かしないとですね。
──それがベストパフォーマンスとも繋がるわけですか?
中尾 狙いは間違いなくそれです。おもろしろいかおもしろくないかはプレイヤーの皆さんが決めることなのでわかりませんが、10周年は『GE』が大きく変化するのは確定です。まだ早いので10周年の情報はもうしばらくお待ちください(笑)。
──今回の多重戦闘ミッションも推理もかなり大がかりな展開ですね。自信作という感じでしょうか?
中尾 いやー、自信ないですね。いままでも大きい物ほど全部難産してきました。イージーミスだったり、企画が甘い部分があったり、慣れていることと違ってミスが起こりますね。新しいシステムの初回の実装はパフォーマンスの半分も出せません。……っと、すいません。そろそろ聖魔水の補充が必要なので放送に戻ります(笑)。
──わかりました(笑)。最後に抱負たるひと言をお願いします。
中尾 『グラナド・エスパダ』も私個人も10周年です。頑張ります!