ダンジョン攻略なんて夢のまた夢だ。

 MMORPGや、マルチプレイ対応のハンティング系アクションゲームにおける回復職、いわゆる“ヒーラー”を好んで担当するプレイヤーは、一定数います。戦闘アクションが得意ではないから……という消極的な動機から始まり、仲間の面倒をかいがいしくみることや、それによって仲間に感謝されるコミュニケーション面に、喜びややりがいを見出すケースが、多いのではないでしょうか。

 『ヒーラーは二度死ぬ』は、ヒーラーのそういった醍醐味を満喫できるような、そうでないようなゲームです。プレイヤーは、モンスターがひしめくダンジョンにたったふたりで挑んだパーティーの新米プリースト(神官)として、前衛の戦士をサポートします。ゲーム内の状況はリアルタイムで変化していくので、通常(?)のヒーラー同様、てきぱきとした操作が必要になります。どんなにうまくやったからといって、誰からも感謝されることはないのですが、パーティーの司令塔として、戦況を仕切っている充実感は、味わえます。こうしたゲーム性は、「オンラインゲームのヒーラー役をソロ
プレイで存分にやりたかったから」という開発者の意図が、ストレートに反映された結果でしょう。

『ヒーラーは二度死ぬ』地味だけどやり甲斐のあるヒーラーの仕事を存分に!【とっておきインディーVol.57】_01
『ヒーラーは二度死ぬ』地味だけどやり甲斐のあるヒーラーの仕事を存分に!【とっておきインディーVol.57】_02
▲プレイヤーにしてみれば、パーティーの全滅を“自分が見た夢”で済ませることこそが、最大のヒーリング効果なのかも。

回復

『ヒーラーは二度死ぬ』地味だけどやり甲斐のあるヒーラーの仕事を存分に!【とっておきインディーVol.57】_03
▲敵からの攻撃対象となるのは、頭部、胴体、脚部と、左右の腕。いずれの箇所も、重傷を放置していると戦況がどんどん不利に。

 前線を守る戦士は、身体の部位ごとにヒットポイントが設定されている。これが0になると“重傷”となり、部位に応じたステータスが低下するほか、魔法やアイテムでのヒットポイント回復ができなくなる(アイテム“包帯”などで治療可)。全部位が重傷になるとゲームオーバーとなるので、戦士のコンディションを何よりも優先させよう。

支援

 ヒットポイント回復以外にも、戦士を助ける方法は、いくつかある。攻撃力や防御力を高める魔法で、いままさに行われている戦闘をサポートしたり、経験値が上がりやすくなる魔法をこまめにかけて、中・長期的な戦力アップに貢献したりできる。“赤い宝玉”は、使用すると、そのティア(層)にいる敵を一掃できる便利なアイテムだが、戦士の成長・レベルアップの機会を奪うことにもなるため、もろ刃の剣でもある。支援のタイミングが生死を分ける場面も多いので、慎重かつ大胆に行動しよう。

『ヒーラーは二度死ぬ』地味だけどやり甲斐のあるヒーラーの仕事を存分に!【とっておきインディーVol.57】_04
『ヒーラーは二度死ぬ』地味だけどやり甲斐のあるヒーラーの仕事を存分に!【とっておきインディーVol.57】_05
▲“赤い宝玉”をはじめ、役立つアイテムは、戦闘中に入手できる。
▲ゲーム開始時から使用できる魔法“熱達”は、マナの消費コストも低く、使い勝手がいい。積極的に唱えよう。

アイテム作成

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▲素材から作成できるアイテムの種類は、かなり豊富。作りたいものをリストから選ぶのに手間取っていると、思わぬピンチを招くことも……。

 ダンジョン探索中に入手した素材は、特定の種類・個数を組み合わせることで、さまざまなアイテムになる。戦士のヒットポイント回復薬や、魔法の原動力となるマナの回復薬などの消費回復アイテムは、積極的に作っておきたい。アイテムの同時ストック数が5であることと、アイテム作成時は基本的に戦士の支援ができないことには要注意。

作戦指示

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▲ 各モンスターが、戦士のどの部位を攻撃しようとしているかを参考にしつつ、始末すべき敵と、残すべき敵を見極めよう。

 目の前の敵に攻撃することしか頭にない戦士に、標的を指定するのも、ヒーラーの仕事。各列の先頭の敵を倒すと、後方のモンスターまたはアイテムがせり上がってくるため、指示次第で、戦況の有利不利が大きく変わってくるのだ。


【地道なアップグレードで着実に強くなる】

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▲ゲームオーバーになると、それまでのプレイが、“探索前にプリーストが見た夢”として扱われる。

 本作では、ゲームオーバー後の、アイテムやステータスの引き継ぎ要素などは存在しない。そのかわり、過去のプレイで獲得したスコアを消費ポイントとして、プリーストの初期能力をグレードアップすることができる。何度もプレイをくり返すことで、徐々に深いティアに進めるようになり、いずれは誰もがエンディングにたどり着ける……はず。


▼開発者Interview Yorklt 氏 (Pom Pom Games)▼

『ヒーラーは二度死ぬ』地味だけどやり甲斐のあるヒーラーの仕事を存分に!【とっておきインディーVol.57】_09
▲今年11月に東京・秋葉原で開催されたイベント“デジゲー博2015”にもブース出展していた、Yorklt氏。

――『ヒーラーは二度死ぬ』は、今年の7月に開催されたインディーゲームイベント“BitSummit2015 ”にて、アワードを受賞しました。それ以降、開発環境に変化はありましたか?
Yorklt 各方面から、いろいろなお話をいただくようになりました。いずれ『ヒーラーは二度死ぬ』をより多くの人に遊んでもらえるようにしたいですね。

――現在はひとりで開発しているとのことですが、今後スタッフを増やす予定は?
Yorklt ありません。これからもひとりで作り続けるつもりです。

――2015年内に配信が予定されている、アップデートパッチの内容について教えてください。
Yorklt 新しい敵やアイテムを追加して、ゲームバランスを全体的に調整します。まったく別のゲームになるかもしれません(笑)。あとは、操作方法などのプレイアビリティを改善して、より快適に、ヒーラーの仕事を楽しめるようにするので、ご期待ください。


ヒーラーは二度死ぬ
メーカー Pon Pon Games
対応機種 PCWindows
発売日 配信中
価格 600円[税抜](648円[税込])
ジャンル ファンタジーストラテジー
備考 Windows Vista(SP2)/7/8/8.1/10 PCに「.Net Framework4.5(4.5以降のバージョンも可)」と「DirectXエンドユーザーランタイム」の最新版がインストールされている必要あり(※いずれもMicrosoft公式サイトよりダウンロード可能)