水泳にかける少年たちの輝きを描く完全新作アニメ
2013年7月よりテレビアニメがスタートし、翌2014年には第2期が放送された『Free!』。本作の原案となる『ハイ☆スピード!』の完全新作アニメ『映画 ハイ☆スピード! -Free! Starting Days-』が、本日2015年12月5日(土)より全国で公開された。
本作で描かれるのは、『Free!』に登場した主人公・遙たちの中学生時代。水泳にかける熱い思いと少年たちのみずみずしい輝きが、京都アニメーション制作のアニメーションに詰め込まれている。
公開初日となる本日12月5日(土)には、東京・新宿ピカデリーにて初日舞台挨拶が開催。七瀬遙役の島崎信長さん(※「崎」は旧字体・以下同様)、橘真琴役の鈴木達央さん、桐嶋郁弥役の内山昂輝さん、そして監督を務める武本康弘氏が登壇した。

無事に公開初日を迎えた感想を聞かれた島崎さんは、「率直に言うと、なんて言ったらいいのかわからない」と、さまざまな気持ちが込み上げたという正直な心情を吐露。鈴木さんも『Free!』シリーズで演じたキャラクターの中学生時代を演じることはハードルが高かったといい、「個人的にはフィルムができてホッとしています」と話していた。
鈴木さんが話す通り、島崎さん、鈴木さんは『Free!』シリーズから続投し、本作ではその中学生時代を演じている。これは「超ムチャブリだったよね」(鈴木さん)とのことで、声優陣にとってもサプライズだったそう。鈴木さんは「数ヵ月前(小学生時代)までは雪野五月さんが演じてらっしゃったかわいらしい真琴だったので、何があったんだろうな、と(笑)」と語りつつ、「それをちゃんと受け取りたかったので、なるべくいちばん最初に出てくるときの真琴は、“雪野さんがやるとしたらこういうアプローチになるのかもしれないな”と、フィルムをずっと見ていました」と役作りのエピソードを明かした。本作の収録直前、鈴木さんは実際に雪野さんと会う機会があり、本作の話をしたそうで、「最初のころの真琴は、雪野さんといっしょに作った」(鈴木さん)ものになっているという。雪野さんが演じた小学生時代の真琴を受け継ぎつつも、「途中から郁也たちとも絡むことになって、真琴が少しだけ自分というものを作っていくというところが、『Free!』の1期などにちょっと見えるようなものになればいいな、と」と、「死ぬほど頭を使った」役作りの苦労を語っていた。
対する島崎さんは「遙は中学生にさかのぼって考えるといろいろ複雑で。遙らしさ、『ハイ☆スピード!』らしさ、『Free!』らしさ、中学生らしさとはいったい何なんだろうと考えながら、中学生の遙と高校生の遙がつながっていき、『ハイ☆スピード!』を見ることで『Free!』にも深みが生まれて、また新しいものを感じたり……という“つながり”を大切にできたら」と、中学生時代の役作りにかける思いを明かしていた。
本作から参加した内山さんも中学生を演じる苦労は感じたそうで、制作陣じきじきのオファーを受けて「ぶつかっていくしかないな、と(笑)。できる限りのことはできたらと臨みました」とその思いを吐露。一方、そんなキャスティングを「“どうする!? 中学生!?”っていう原因を作った犯人は僕です(笑)」と語る武本監督は、「やっぱり島崎さん演じてこその遙、鈴木さん演じてこその真琴、宮野さん演じてこその凛だろうと。そこは皆さんと同じ思いだと感じましたし、『Free!』としても『ハイ☆スピード』としても大事な譲れないところだと思ったので、無理を承知でお願いしました」と、キャスティングの意図を明かしていた。なお舞台挨拶では、「冒頭から中盤あたりまでの小一時間で、3回ほど泣かされました」という椎名旭役・豊永利行さんからのコメントも。残念ながら舞台挨拶の登壇は叶わなかった豊永さんだが、「ザ・中学生たちをぜひ堪能して」と、集まったファンへメッセージを寄せていた。
最後に、登壇したキャストおよび武本監督から、改めてファンに向けられたメッセージをお届け。きらめく青春を描く『Free!』シリーズへとつながる物語は、ぜひ実際に劇場で楽しんでいただきたい。
内山さん「アフレコしているなかでも思いましたが、この作品は情報量が多く、展開もテンポがいいので、1回では追いきれない部分もあると思います。くり返し……というのもヤラしい部分がありますが(笑)、出演者も一度の鑑賞では追いきれなかった部分があるので、よろしければそれぞれの楽しみかたで、また楽しんでいただければと思います」
鈴木さん「昂輝の言った通り、皆さんくり返し、たくさん手元にある前売り券を消化していくように観ていただけるとうれしいです(笑)。ただ、毎回毎回観ることで、発見することがたくさんあると思います。なのでそういったものが、皆さんの楽しいという気持ちとともに、明日へ歩く一歩に、そのきっかけになればいいなと。冗談めかして言ってはいますが、何度も観ていただけることは本当に幸せなことですし、観ていただくことでフィルムは輝きを増すと思っています。ぜひお友達を誘って、堪能しながら(前売り券の)枚数を消化していただけたら(笑)」
島崎さん「実際、自分自身が最初に観たときも、気持ちばかりこみ上げて冷静には観られなかったんです。気持ちの整理がつかないところもいっぱいあると思うんですよね。『Free!』や『ハイ☆スピード!』を愛する皆さんの愛が深いことはものすごく知っているので、皆さんも最初に観たときは、僕と同じくらい全然冷静に観られないと思うんです。そういう気持ちで観ていただくのもうれしいですし、ありがたいですが、少し落ち着いてポップに楽しむ時間も必要だと思います。だから僕は何度も観ていただきたい!(笑) 実際、僕も何度も観ると思います。そして皆さんには、自分自身で観て感じて思ったことを何よりも大切にしていただきたいです。いろいろな感想や情報があるとは思いますが、自分自身が感じたことをぜひ大切にして、それを自分の人生をよくするきっかけやエネルギーにしていただけたら感無量です」
武本監督「正直ここに立つまでは不安でした。ですが、少しほっとしているのは、ひょっとしたら皆さんが大切にされている『Free!』の世界の中に、『ハイ☆スピード!』も加えていただけたのかなぁ、と。それが本当にありがたいです。映画館で『ハイ☆スピード!』を楽しめるのは公開中しかないので、いま映画を楽しむ場所として、ぜひ映画館を選んでいただきたい。“素敵やな”と思ったら周りの人に声をかけて、いっぱい語り合えるような仲間を作っていただけるととてもうれしいです」
■『映画 ハイ☆スピード! -Free! Starting Days-』作品概要
◆原作:『ハイ☆スピード!』おおじこうじ(KAエスマ文庫/京都アニメーション)
◆監督:武本康弘
◆構成:横谷昌宏
◆脚本:西岡麻衣子
◆キャラクターデザイン・総作画監督:西屋太志
◆アニメーション制作:京都アニメーション
◆製作:ハイスピード製作委員会
◆配給:松竹
◆主題歌:OLDCODEX「Aching Horns」
◆キャスト
七瀬遙役:島崎信長/橘真琴役:鈴木達央/椎名旭役:豊永利行/桐嶋郁弥役:内山昂輝/桐嶋夏也役:野島健児/芹沢尚役:日野聡/鴫野貴澄役:鈴木千尋/山崎宗介役:細谷佳正/松岡凛役:宮野真守/山崎宗介(小学生)役:悠木碧/松岡凛(小学生)役:渡辺明乃/葉月渚(小学生)役:佐藤聡美