今井さんの魅力が目いっぱい詰まったライブに!

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 2015年11月22日(日)、神奈川県にある横浜みなとみらいホール(大ホール)にて、声優、歌手として活動する今井麻美さんのアコースティックライブが開催された。今井さんのアコースティックライブといえば、これまで、沖縄県の遺跡、栃木県の採石場跡、兵庫県淡路島の野外円形ステージといった、一風変わったロケーションで行われてきたが、今回もパイプオルガンが常設されたコンサートホールという特徴ある会場での開催となった。本記事では、そのライブの模様をお届けする。

 バンドメンバーによる演奏の後、薄い緑のドレスに身を包んだ今井さんが登場。ストリングスのやさしい音色が印象的な『AQUAMARINE』、パイプオルガンが加わったことで、より荘厳さが増した『BABYLON ~before the daybreak』を2曲連続で歌い上げ、ライブは幕を開けた。

 最初のMCでは、ふだんとは異なる会場や衣装に、どんなテンションで話せばいいのか、と戸惑いを見せる今井さん。「いつもの(おしゃべりな)今井麻美を押さえて、キレイな今井麻美を出していかないと……」という冗談も交えつつ、「歌でいろいろなものを感じ取ってもらいたいと思います」と、今回のライブへの意気込みを語った。

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 『路地裏のプラネタリウム』では、曲のリズムに合わせて左右に手を振ったり、軽快なステップを踏んだり、全身で歌うことの楽しさを表現していた。続けて「かわいい曲を2曲続けて歌いたいと思います」と宣言し、『Dear Darling』を歌唱。お決まりのコールでは、“L・O・V・E・ラブリーミンゴス・横浜エンジェル・プリティーミンゴス!”とバッチリ決まり、うれしそうな笑顔を見せる。厳かな雰囲気のコンサートホールでのコールとピンクのサイリュームという光景のミスマッチもまた、いろいろなことが起こるアコースティックライブならではと言えるかも? その後の『フレーム越しの恋』では、ひさしぶりにメガネ姿を披露。また、同曲では、途中リズムを見失ってしまう場面もあったが、ファンの手拍子によりリズムを取り戻すという場面もあった。そのことを今井さんが「みんなのおかげで“恋”を続けることができました。ありがとう!」と、“恋”をテーマにした楽曲らしいコメントで感謝の気持ちを伝えると、会場のファンから拍手が巻き起こった。

 ここで今回のライブのゲスト演奏者である、ハンマーダルシマー奏者のMiMiさんを紹介。その流れで披露されたのは、『Rain~てのひらのアンブレラ~』。MiMiさんの演奏するハンマーダルシマーの音色が“雨音”を表現しているようで、楽器の特徴を活かしたアレンジとなっていた。

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 最初こそ戸惑いを見せていた今井さんだが、徐々に会場の雰囲気にも慣れてきた様子。『Dear Darling』の感想を話しているときに、「かわいいよ!」という歓声が上がると、「そういうのは大丈夫だって言ってるじゃないですか! T・P・O(を考えよう)!」と、いつもの調子でツッコミを入れ、会場を盛り上げた。

 そして、もうひとりのゲストである、オルガニストの石丸由佳さんを紹介し、『花の咲く場所』を披露。パイプオルガンの前奏から始まり、1番をアカペラで、しかもマイクを腰のあたりまで下ろして熱唱。今井さんの歌声だけが会場中に響き渡り、観客を魅了していく。2番以降はストリングスやパーカッションなどが加わり、同じ楽曲とは思えないほど、異なる表情を見せていた。続く、『朝焼けのスターマイン』では、明るさと切なさの両面を持つ同曲を感情豊かに歌い上げる。

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 バンドメンバーによるinstrumentalを挟んだ後、青色のドレスに着替えて登場した今井さんは、『海月~jellyfish~』、『COLOR SANCTUARY』、『Precious Sounds~風が残していった~』の3曲を連続で歌唱。『COLOR SANCTUARY』では、曲名にふさわしく、さまざまな“音色”で会場を満たし、『Precious Sounds~風が残していった~』では、伸びやかな歌声を響かせる。『海月~jellyfish~』に関しては、どうしても青色のドレスで歌いたかったそう。その理由は、青色のドレスを着て座り込むと、スカートのふくらみがクラゲみたいに見えるから、と説明(※もちろん、その今井さんこだわりの演出は曲のラストでしっかりと披露されていた)。

 また『海月~jellyfish~』は、音楽を楽しむことを教えてくれた楽曲でもあると今井さんは語る。難しい楽曲だけに苦労もしたそうだが、“いまの自分では少し越えられそうにないハードルを作ることで、そこに向かってがんばろう”と思えたのだという。今回のライブに関しても、最初は「こんなにも素敵な会場でライブをするのは、まだ身の丈に合ってないんじゃないか?」と不安になったものの「この経験を活かしてつぎの目標を設置して、そこに向かっていけたらいいな」と思えたとのこと。また、「そういう考えを持って、いまライブを楽しめていることが誇らしいです」と心境を口にした。

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 「夏っぽい曲を歌いたいと思います」という振りで披露されたのは、『夏色SunshineFlower』と『遠雷』。『夏色SunshineFlower』では、2番からパイプオルガンとともに今井さんが歌うというアレンジが行われており、荘厳なパイプオルガンの音色と今井さんとの歌声のハーモニーが心地よく響き渡った。

 数多くのライブを経験してきた今井さんだが、今回はいままででいちばん緊張していたと明かす。しかし、今回のライブは、すごくいい経験にもなったという。バンドメンバーとセッションを重ねるうちに、“いままで自分になかったものが、どんどん引き出されていった”というエピソードを語ると、客席からもバンドメンバーへ大きな拍手が贈られた。そんないい雰囲気のままつぎの曲にいくのかと思いきや、突然「お腹空いてきたな……」と言い出す今井さん。さらに、11月19日に行われた公開リハーサルのときには、お客さんが見守る中、ご飯を食べたという出来事まで、みずからカミングアウト。このまさかの展開に会場は笑いで包まれた。

 気を取り直して、「つぎの曲は大好きな曲ので、素敵に歌いたいと思います」と紹介し、『この雲の果て』を歌い上げる。“ぐっと握った手を開いてみたら”という歌詞にあわせて、実際に握った手を開く仕草を見せるなど、体全体を使って曲の世界を表現していた。つぎの『クレッシェンド』でも、ワンフレーズ、ワンフレーズを噛み締めるように歌唱し、詞や曲に込められた想いを歌声に乗せて観客の心へと届ける。

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 さらに、これだけ多くのメンバーとステージに立つのはあまりない貴重な機会ということで、「いっしょに楽器を演奏したい」と今井さんも演奏に参加。そういって取り出された楽器は、タンバリン。この日のために用意されたオリジナルの楽曲をバンドメンバーとともに演奏する今井さんは、とにかく楽しそうな表情でタンバリンを叩いていた。演奏を終えると、そのままの流れで『little legacy』に突入。軽快なリズムに合わせて、弾むような歌声を会場中に響かせていく。

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 ライブも終わりの時間が近づき、いよいよ最後の曲へ。歌われるのは、『leap of faith』。この楽曲があったからこそ、今回のライブが開催されたと言っても過言ではない楽曲だ。歌う前には「(ライブが終ってしまうのが寂しいから)あと1曲をどうしても歌いたくない」と本音を漏らしていたが、曲が始まるとその想いを全力でぶつけるように同曲を熱唱。ラストの“lalalala……”の歌詞は、会場のファンとともに合唱し、一体感を楽しむ。歌い終えた後、今井さんは「今回の経験を絶対に、声優としても、歌い手としても、プラスにして、ひとつ上を目指せるようにがんばりたいと思います!」と力強く宣言する。これでライブは終了となるはずだったのだが、やはりライブが終わるのが名残惜しい様子で、退場用のBGMとして流れた『little legacy』を歌い出すというシーンも見られた。そして、1度退場した今井さんが再び舞台に上がり、2016年2月に、今井さんの6枚目のアルバムが発売されることを発表。このサプライズに会場では大きな歓声が上がった。

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 インタビューなどで、“アコースティックライブは、自身を成長させてくれる場所”と語る今井さん。そんな彼女が、今回のライブを経て制作を進める6枚目のアルバムが、いったいどのような内容になるのか、期待して続報を待とう。

■今井麻美アコースティックライブ2015セットリスト
01. introduction
02. AQUAMARINE
03. BABYLON ~before the daybreak
04. 路地裏のプラネタリウム
05. Dear Darling
06. フレーム越しの恋
07. Rain~てのひらのアンブレラ~
08. 花の咲く場所
09. 朝焼けのスターマイン
10. interiude
11. 海月~jellyfish~
12. COLOR SANCTUARY
13. Precious Sounds~風が残していった~
14. 夏色SunshineFlower
15. 遠雷
16. この雲の果て
17. クレッシェンド
18. Epilogue
19. little legacy
20. leap of faith