ゼペットじいさんがゲームをお届け!

『POINT BLANK』が日本国内にて正式サービスを開始! 世界70ヵ国のユーザーを虜にするFPSの魅力を開発スタッフに直撃_01

 全世界70ヵ国で好評配信中のPC向け人気オンラインFPS『POINT BLANK(ポイントブランク)』が、満を持して日本上陸! 2015年12月2日、ついに国内において本サービスを開始した。ファミ通.comではサービス開始にあたって、このほど開発スタッフにその詳細を伺うことができた。本作の魅力や今後の展開などを、スタッフのコメントを交えながら紹介しよう。プレイを検討しているユーザーは要チェックだ。

 日本ではアラリオがサービスを展開する『POINT BLANK』、開発は韓国のゲーム会社、Zepetto(ゼペット)が手掛けている。今回お話を伺ったのは、そのZepettoのおふたり。ひとりは海外事業部の日本担当PMであるホン・ソグ氏で、もうひとりはディレクターで開発および事業全般を統括しているパク・ジュンミン氏だ。まずはそもそも、Zepettoがどういった会社なのかを聞いてみた。

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▲ホン・ソグ氏(左)とパク・ジュンミン氏(右)

 「“Zepetto”という名の由来は、『ピノキオ』という童話に出てくるゼペットじいさんから。いろいろな新しいものを作り出すという意味を込め、Zepettoという名前になっています」(ホン氏)。
 会社設立は2003年。当初は外注作業などからスタートしたが、PSPタイトルの『VOLCANUS』をきっかけに、会社としての技術力が認められて、その後も開発技術力を高めた結果が、最新作『POINT BLANK』につながっているという。現在は本作のほか、モバイルゲームも10種類ほど開発中で、日本でも今後サービス予定だそうだ。

 ちなみに同社は、PCタイトルでは独自のエンジン“icubc”でゲーム開発を行っている。この自社エンジンの強みは、ローカライズや最適化に優れていること。実際に『POINT BLANK』では、各国のパブリッシャーの意見に対応し、東南アジアや中南米の国など、幅広い地域でサービスを展開しているそうだ。
 「ローカライズについては、基本的にはその国の文化や、あとは祝日・祭りとか、それに合わせたローカライズを行い、それをイベントとして使ったりもしています。ひとつの例としては、キャラ名の隣に国旗を表示させて、大会を盛り上げたりとかですね。国ごとの要素に合わせて、サービスを考えています」(ホン氏)。

本格FPS『POINT BLANK』の魅力とは!?

 続いては『POINT BLANK』というゲームの本質に迫っていこう。本作のサービスが開始されたのは2007年。日本でのリリースまではけっこう長い道のりとなった。
 「いままで日本市場に進出しようという機会は何回かありましたが、いろいろと事情がありまして……。今回はいいパブリッシャーと契約でき、時間はちょっと経ちましたけれども、これをきっかけによりよいサービスを行っていければと思います」。(パク氏)

 『POINT BLANK』の魅力は、オーソドックスかつシンプルなFPSという点。ユーザーにとっても内容がわかりやすく、それゆえに全世界で支持を得てきたと言えそうだ。ゲームの舞台背景は、国の出産率が低下して労働力も少なくなってきたなか、政府が移民者たちを取り込み、その移民者たちが正当な権利を主張するために政府に反旗を掲げて武装組織を作っているという設定。その“Free Rebels”という武装テロ組織と、それを制圧する政府軍隊“CT-FORCE”があり、武装勢力と政府軍が戦うストーリーとなっている。

 最初のキャラメイキングでは、男女ふたりずつの4モデルからひとりを選び、パーツを組み替えてカスタマイズしていく。所有武器は5つの兵科ごとに違い、デフォルトで計10種類ほど。それ以降はゲーム内で獲得できるポイントという通貨により購入可能で、一部は有料・課金となっている。登場する武器は、トータルで200種類以上。兵科による武器の変化や戦いかたのバリエーションも、大きな魅力となってきそうだ。

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▲キャラクターの兵科は、アサルトやスナイパーなど5種類だ。

 プレイモードは12種類と豊富。武装勢力と政府軍による団体戦“デスマッチ”、目的物を時間内に破壊する“破壊ミッション”、恐竜と人間に分かれて戦う“ディノクロスカウンター”など、バリエーションも多彩だ。なかでも人気を集めているのは、“爆破ミッション”だそうで、これは爆弾を設置する側とそれを阻止する側に分かれてプレイするモード。また“感染モード”という、AIのゾンビが襲ってきて、ユーザーどうしが協力してそのゾンビを倒すモードもあり、こちらもいずれ日本に実装される予定だという。
 「国家ごとに、この国はこれが人気だといった部分があり、いろいろなモードが人気です。国ごとにみんな楽しんでいますよ」(パク氏)。

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▲モードは多彩で遊びごたえも十分だ。
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▲恐竜VS人間という、ユニークなバトルモードもある。
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▲爆弾のやり取りがスリリングで楽しい“爆破ミッション”モード。

注目の日本サービスでの展開に迫る!

 今回は日本でのサービス開始ということで、日本ならではのローカライズ要素はあるのだろうか? 気になる部分を聞いてみた。
 「表現を日本式に変えたりすることはありますね、階級も、“軍曹”とか、日本の階級名に合わせてみたり。あとはゲーム内でラジオチャットがあるんですが、そのチャットでは声優さんの声を入れたりもしています」(ホン氏)。

 ただ同氏によると、各国に特化した仕様変更は難しいという。というのも、のちに述べるが、世界的な大会があるからだ。
 「日本でのCBT(クローズド・ベータ・テスト)でも、銃の性能や仕様を変更してほしいというユーザーの意見がけっこうありましたが、そこはちょっと難しいですね。世界大会を考えると、やはり日本だけ仕様が変わってしまうと、いざ大会となったときに日本のユーザーが慣れづらいという部分もありますので。そこはいま、慎重に検討しているところです」(ホン氏)。
 つまりは言葉の表現など、ゲームの根幹ではないところは各国によって変わるが、本質的なゲームプレイに関わる部分の仕様は、e-sportsという兼ね合いもあり、世界共通で変わらないようだ。ではほかに何か、違う部分に関しては……?
 「さきほど全12モードという話題が出ましたが、日本でのサービス開始時はまず8モードが実装され、順次増えていく形になります。モードが8個というと少なく思えるんですけど、マップ自体はけっこう豊富なので、全然違うコンテンツを遊ぶ感じでユーザーは楽しむことができると思いますよ」(ホン氏)。

 全体で用意されているマップは80程度というから、かなりのボリューム。モードにより遊べるマップ数は変わってくるが、ひとつのモードに10個くらいのマップがあるとのこと。マップは実際の街をモデルにしたもののほか、ゲームのバックグラウンドが架空の世界観なので、コンセプトによりさまざまなバリエーションのマップが作られているようだ。ということは、日本特有のマップの実装についても、大いに期待が広がる。
 「もちろん検討をしていまして、来年の頭くらいには、日本の場所を元にしたマップを実装したいと思っています。ほかに、日本ならではの要素としては、ゲーム内でのアバターのパーツ、スキンなど、日本向けのカスタマイズ要素を準備しています。いま現在でも、日本の忍者のパーツがほしいなどといった、海外からの要請もありまして、日本的な要素やパーツは、どんどん実装される予定となっています」(パク氏)。

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▲臨場感あふれるマップの数々。日本の都市も再現されるのか!?

 マップに加えアバターのパーツに関しても、日本ならではの要素が実装される見込みなのは、ファンにとってうれしい情報。なおパク氏はアバターに関して、興味深いエピソードを語ってくれた。
 「たとえば前回のブラジルワールドカップのときに、ブラジルの選手のユニフォームを作ってほしいという依頼がありまして、ブラジルで実装したところ、ほかの国でも実装させたいという希望が出て、みんながワールドカップの雰囲気でいっしょに盛り上がったということがありました。日本関連のアイテムやパーツを作ることによって、日本の文化がアイテムとして世界に広がるということもあると思いますね」(パク氏)。
 同氏はいま、忍者や着物などのコスチュームのほか、武器として忍者のクナイや手裏剣なども考えているとか。実装されたとき、そうした日本独自の服装やアイテムが、文化として各国のユーザーにどう受け止められるのかも、楽しみのひとつだ。

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▲パーツによって、自分だけのアバターを自由に作成できる。どんな日本オリジナルのパーツが用意されるかが楽しみだ。

超ビッグスケールの世界大会!

 『POINT BLANK』の大きな特徴のひとつとして、大規模な世界大会を毎年開催している実績がある。大会名は“Point Blank International Championship”で、略称は“PBIC”。『POINT BLANK』をプレイしているユーザーにとって、1年を締めくくるお祭りのような、大型のイベントだ。
 「国家べつに地域ごとの予選を行っておりまして、今年の2015年の予選参加チームだけでも、8000くらいのチームが参加しています。それぞれが、“PBIC”のために1年間準備して大会に挑みます。今回の大会はインドネシアで進行していましたが、観客が3万人くらい集まるなど、もはや国家の文化の一部になっている部分もあります」(パク氏)。

 大会が始まったのは2011年から。5年間の優勝成績は、タイが2回、ロシアが2回、インドネシアが1回となっている。
 「この3国が強くて、ロシアはもう、王者みたいな感じですね。優勝はだいたいこのチームなんですが、2位、3位チームは、最近はどんどん順位が変わっています。今回もブラジルとか、あとはペルー、トルコなども、新星として出てきていますね」と語るパク氏。残念ながら、本国の韓国は、このゲームにおいてはトップクラスではないそうだ。

 これからサービス開始となる日本ではイメージがわかないが、すでに普及している国ではこの“PBIC”はメジャーな大会であり、出場選手のステータスも高いようだ。パク氏はその凄さを語る。
 「チームのメンバーは芸能人か、タレントくらいの人気があります。チケットを販売するときには、そのチームの選手のサインがもらえるチケット、写真が撮れるチケット、座談会ができるチケットなど、いろんな種類が販売されます。また選手のマウスやTシャツなど、グッズ商品も販売されます。選手たちはほかの職業についているわけではなく、『POINT BLANK』のプロゲーマーとして、高く認知されているんです」(パク氏)。

 そのスケールの大きさと人気が伺えるコメントだが、あまたあるFPSのなかで、本作がこれほど支持されている理由はどのあたりにあると、開発サイドとしては思っているのだろうか?
 「やはり、最適化がすぐれているという部分でしょうね。トルコやインドネシア、中南米などは、インフラ設備がそれほどよくない状況なんです。ブラジルあたりはモニターを地べたに置いて、みんなで座ってプレイをしているという話も聞いたりもしました。そんなスペック環境でも、円滑にプレイができるようなシステムにしたことが、人気が高い部分だと思っています」(パク氏)。

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▲世界大会も毎年開催されている本作。全世界にその魅力が浸透しつつある。

日本プレイヤーもついに体験!

 いよいよ本サービス開始となる『POINT BLANK』。全世界70ヵ国のプレイヤーを魅了したその内容は、ぜひとも自分の目で確かめてほしい。最後に、日本のユーザーに向けた、開発スタッフおふたりのメッセージをお届けしよう。

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ホン氏 いまは一生懸命、準備をしております。日本のユーザーがすごく楽しめるように、いただいた意見にも合わせて、どんどん日本的な要素も追加していきますので、ぜひご期待ください。

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パク氏 サービス開始からここまで、8年くらいの時間がかかりましたが、そのぶん準備はちゃんとしてきましたし、日本のユーザーが円滑にプレイを楽しめるような『POINT BLANK』を作っていきたいと思っています。さらにはこのゲームが、日本でもe-sportsが文化として成長していけるきっかけになり、日本の方も世界大会“PBIC”をいっしょに楽しんでいただけたらと思います。