「演劇ファンと2.5次元との懸け橋に」と仕上がりに自信!
本日2015年11月14日より、東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕したハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」。古舘春一氏による人気コミック『ハイキュー!!』を舞台化した本作、初回公演前に開催されたゲネプロ公演をリポート!
原作の『ハイキュー!!』は、週刊少年ジャンプにて連載中の人気バレーボールマンガ。白熱の試合模様を最新技術を駆使したプロジェクションマッピング、そして本作のもうひとつの魅力である高校生たちの熱い青春ドラマを演劇で表現するという意欲作だ。初の舞台化とあって、会場であるAiiA 2.5 Theater Tokyoには多くの報道陣・マスコミが集結。注目度の高さを見せつけた。
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まずはゲネプロ公演後に行われた囲み取材の模様をお届け。演出を手掛けるウォーリー木下氏、日向翔陽役の須賀健太、影山飛雄役の木村達成、及川 徹役の遊馬晃祐、岩泉 一役の平田雄也が出席した。
――まずは本作の見どころや、意気込みを教えてください。
ウォーリー木下氏(以下、木下) もちろんストーリーはそのままに、原作の魅力であるしっかりとした物語とキャラクター、熱い青春ドラマを、実際の人間が演じるということを念頭に置いて演劇を作りました。結果、すごく演劇になったなと。長い公演期間ですが、役者たちが本当に生でぶつかり合うような、ライブの舞台になっていくと思います。それこそバレーボールの試合を観ているような、マンガを読んでいるような、手に汗握るライブになると思います。今回はメディアアート的な、いろいろな新しい技術をたくさん取り入れています。そういうものと汗は、本当は相性がよくないのですが、今回はあえて混ぜ込んでみました。デジタルなものとアナログな人間の融合で、いままで観たことのない舞台になったと思っていますので、ぜひその辺りを楽しんでいただければ。
須賀健太(以下、須賀) 僕は原作を読み切りのころから欠かさず毎週読んでいます。原作の古舘先生にファンレターを書こうと思って、ファンレターの下書きをiPhoneのメモに書いていたのをまだ持っています。それくらいこの作品が大好きなので、この作品に携わることができて何よりうれしいですし、日向翔陽という大好きなキャラクターを演じさせていただけることが本当に誇りです。21年間生きてきていちばん動いています(笑)。僕たちが生でやることの意味を感じる舞台で、1公演1公演、まったく同じものはできないなという、演劇性の高い作品になっています。『ハイキュー!!』には“頂の景色”というキーワードがありますが、2.5次元の“頂の景色”を見られるんじゃないかなと。演劇ファンの方にとっても、2.5次元との懸け橋になるような、そんな作品になれたらいいなと思い、全身全霊でぶつかっていきたいと思います!
木村達成(以下、木村) 原作を読んで影山飛雄という役が大好きになって、オーディションを受けたときから「絶対誰にもこの役をやらせたくない!」という気持ちだったので、いま「舞台で生きてやろう!」という気持ちでいます。初日を迎えますが、彼らといっしょにがんばって、“頂の景色”を見に行きたいと思っていますので、応援よろしくお願いします。
遊馬晃祐(以下、遊馬) 初舞台ということで、すごく緊張していますが、舞台上では、堂々と立っていられるようにがんばります。自分は高校のときに3年間バレー部に入っていたので、バレーの経験を活かして、及川のサーブ、ジャンプ力を見てほしいと思います。……初日、がんばります!
平田雄也(以下、平田) 岩泉 一は、すごく男らしくてかっこいい、“漢(おとこ)の鑑”のようなキャラクターでもあるので、心から尊敬して役に入ることができています。青葉城西としても、熱い気持ちや思いをすべてお客さんに伝えられるようにがんばってまいります。こういうキャプテン(遊馬)ですが(笑)、一丸となってがんばりますので、よろしくお願いします!
――遊馬さんは経験者とのことですが、皆さんはいかがですか。
須賀 中学校のころにバレー部に入っていましたが、幽霊部員でした(笑)。ピンチサーバーだったんですけど、23対十何点のときに呼ばれるという、逆にピンチを呼ぶサーバーだったという思い出があります(笑)。高校のころは部活をやっていなかったので、いまはそのころの気持ちを毎日味わっています。
木村 僕はバレーボールはやったことがなくて、ずっと野球をやっていました。団体競技はやっていたので、彼らといっしょにがんばっていきたいです。役作りとしては、日向翔陽や及川 徹と向き合うことでわかることもあるので、これからもっと深めていきたいです。
遊馬 本稽古が始まる前にバレーボールの稽古が5日間ほどありまして、両チームひとりずつ経験者がいて、澤村役の(田中)啓太さんと、青城は僕が教えながら練習をしました。皆さんすごく吸収が早くて、もう1ヵ月くらいやれば本当に試合ができちゃうんじゃないかというくらいでした。僕も焦っちゃうくらいで、すごくいい稽古ができました。
平田 僕もバレーの経験はなく、ずっと野球をやっていたんですけど、原作にもあるように、チームプレイを大事にしていきたいと思っています。舞台でも誰かひとりがミスをしたらほかの人がカバーするなど、そういう部分も似通った部分があるので、チームプレイを大切にしていきたいです。
――稽古の様子はいかがでしたか?
須賀 ずっと部活をやっている感じでした。差し入れがすぐなくなるんですよ(笑)。
木村 稽古中は食べるよりも、汗の量が尋常じゃないので、水1.5リットルを2本くらい各自で買って持っていきました。
木下 稽古中は部活動でしたね。「ウォーッ!」とか言ってるから稽古が始まったのかと思ったら、稽古が始まる前の「ウォーッ!」だったという(笑)。演劇とバレーは親和性が高いです。つなげるスポーツだったり、チームワークだったり、自分がいまどこのポジションにいてどういう役割を回すか、それがコロコロ変わったりするところもバレーとすごく似ていて。ゲーム感覚でみんなが演劇をやってくれているのがおもしろいし、熱い若さも含めて、熱い舞台だし、稽古場でした。
――稽古中は実際に試合を行ったりも?
木村 やりました。
木下 負けてたよね? 青城に(笑)。
木村 最終日に1回勝っただけです。
須賀 烏野はずーっと青城に負けていて、達成がものすごく負けず嫌いなんですよ。稽古のあと、メールで全員に「負けて本当に悔しかったので、つぎは絶対に勝ちましょう!」と送ってきたり(笑)。
木村 いいところまでは行くんですけど、いいところまで行くと経験者が大人げないプレーをするんですよ(笑)。
遊馬 いやいやいや(笑)。
木村 急に「俺も打ちたい」って前に上がってきたり(笑)。
――須賀さんは、もしかしてピンチサーバーで……?
須賀 そのときはちゃんと出てましたよ(笑)!
木村 でも、役と同じように、クイックのほうがうまかったです。
須賀 最初はノーマルなスパイクの練習をしていたんですが、全然噛み合わなくて! みんながうまくなっていく中で速攻をやってみたら、一発で決まりました。そのときの気持ちよさがいちばんの役作りになりました。
――では最後に、改めて須賀さんから意気込みをお願いします!
須賀 今日、ようやく僕たちはスタートラインに立ったと思っています。これから全ステージ、全身全霊をかけて向き合っていきたいです。『ハイキュー!!』という大人気マンガを、僕たちの力で、魅力を損ねることなく、新しい形でひとつの演劇として作品にできるように、がんばっていきます。応援よろしくお願いします!
つぎのページでは、劇中カットを含めて本作をリポート。ネタバレNG派の方はご注意を!