『戦艦大和バーチャルリアリティ復元計画』我、VR 空間上に再現された “史上最大の戦艦大和”を体感せり【とっておきインディーVol.47】

古今東西のインディーゲームを紹介していくコーナー。今週は戦艦大和をVRで復元するプロジェクトを紹介する。

●戦艦大和をVRで復元す る

 「実物大の戦艦大和に乗ってみたい」という歴史・軍事マニアの願いはVR空間で叶える! そんなプロジェクトが、現在着々と進行中なんです。

▲移動は、アナログスティックが2本あるゲーム用コントローラーで、FPSの要領で行う。

 まず最初に断っておきますが、今回紹介するタイトルは、純然たるゲームではありません。没入型のヘッドマウントディスプレイ“Oculus Rift”で体験できる仮想世界内に、第二次世界大戦中、日本で製造された巨大戦艦・大和(やまと)を原寸大で再現したので、その居心地を味わってくださいね……という、一種の環境シミュレーターみたいなものです。こんなの、「よほど軍事兵器マニアじゃないと楽しくないんじゃない?」実際そう思いながら、イベント会場で出展されていた本作を体験したところ、“かつて本当にあった巨大なもの”の、有無を言わせぬ説得力に、ガツンとやられました。

 Oculus Riftの製品版に合わせてリリース予定の本作。完成版では大和が洋上を移動するほか、いくつかの部屋に入れたり、乗組員たちの日常的な様子が描かれるそうです。リアルタイム感満点で歴史の1ページになじむ――そんな時間旅行的な楽しみかたも確かにいいなと、思った次第です。

■図面に基づいて再現されたディティールを堪能せよ

 大和の主砲である46センチメートル砲の、砲塔内部の3Dモデル。砲弾はもちろんのこと、駐退機、砲栓、測距儀、計器盤までもが、忠実に作成されているというこだわりようだ。模型ファンのまだ見ぬ領域が、ここにある。

▲製品版では、戦艦大和の砲塔の内部に入って、46センチメートル砲のメカニズムを、間近に観察することができるようになっている。

【開発者インタビュー】実際に大和に乗っているという臨場感を提供したい

――本作を開発することになったきっかけを教えてください。
仁志野 ゲーム会社に所属してのプログラマー活動がひと段落して、そろそろ自分のオリジナルを作ってみようかというタイミングでOculus Riftに出会い、小学生時代からずっと好きな軍艦に、すぐに結びつきました。ゲーム的な空間で、艦全体を1/1スケールで再現するのだから、少し新しいことをやりたいと考え、乗組員の行動や、砲撃訓練の流れを再現することにしました。

――プロジェクト開始時に国内クラウドファンディングを利用されましたが(※目標金額100万円に対し、476人の支援者から約550万円の支援金を調達し、成功)、その狙いは?
仁志野 最初はひとりで作るつもりでしたが、それでは時間がかかってしまいます。でも、クラウドファンディングをすれば興味を持ってくれている方が応援してくれるのではと思い、制作スタッフを募集しました。

▲入れる部屋のひとつ、艦橋(指揮所)の内部。機器ひとつひとつの存在感に圧倒される。

――現在の開発スタッフは?
仁志野 私はプログラムとディレクションをしていて、大学生の方には戦艦の外観のモデリング、私より年配の会社員の方には、大和の資料提供と内装モデリングを担当してもらっています。Unityのアセットストアで建物の内装データを提供されている女性には、艦内モデリングをお願いしています。その女性の方は、とくに軍事ファンではありません(笑)。

――大和を再現するための資料は、十分にあるのでしょうか?
仁志野 外観に関してはずっと研究されている大家のような方がいるんですけど、内部に関しては、モデラーの人が率先して研究している状況です。複数の資料や設計図で記述が異なっている場合もありますが、そのときは「どちらがより合理的か?」で判断して、実装しています。

――完成に向けての、今後の開発の課題やポイントは何になります?
仁志野 50センチメートル手前まで近づいても綺麗に見えるように、外観の細部を詰めつつ、砲身などの動きもしっかりつけていくことでしょうか。あとは、波や風の音などの効果音をつけて、「実際に大和に乗っている」という臨場感を、さらに高めていきたいですね。

■仁志野六八氏

KONAMIやソニー・コンピュータエンタテインメントでプログラマーとして活躍後、2014年に独立開業。趣味として、歴史・軍事ゲームサークル“神楽坂師団”を運営する。


戦艦大和バーチャルリアリティ復元計画
対応機種 PCWindows
発売日 2016年
価格 未定
ジャンル VRコンテンツ
備考 Oculus Rift対応