『バイオハザード アンブレラコア』開発陣インタビュー完全版! コンペティティブシューターの注目ポイントは?

2015年9月17日発売の週刊ファミ通で第1報が載った『バイオハザード アンブレラコア』。記事内に掲載した、プロデューサー・川田将央氏とジェームズ・バンス氏へのインタビューの完全版をお届け。

●“コンペティティブシューター”はどんなジャンル?

 2015年9月17日発売の週刊ファミ通でスクープ情報を載せた『バイオハザード アンブレラコア』。記事内では、本作のプロデューサー・川田将央氏とジェームズ・バンス氏へのインタビューも掲載したが、掲載しきれなかった部分を補完した完全版をここにお届けしよう。

▲『バイオハザード アンブレラコア』のプロデューサー・川田将央氏(写真左・記事中では川田)と同じくプロデューサーのジェームズ・バンス氏(写真右・記事中ではバンス)。

●“対戦”の楽しさを追求し『バイオ』の新境地を開拓!

──お聞きしたいことは山ほどありますが、まず、『アンブレラコア』はどのような環境で作られているのでしょうか?

川田 ゲームエンジンとして今回はUnity 5を採用しました。もともとUnityは非常に開発しやすいゲームエンジンなのですが、今回“5”へバージョンアップしたことで表現力も高まり、採用することになりました。

──時系列で見ても、『アンブレラコア』は、『バイオ』シリーズの中でもっとも最新の物語ということになりますが、どういった世界観なのでしょう?

川田 西暦でいうと2015年ですが、各地でバイオテロが横行し、一般人の立ち入れない封鎖区域が世界中に存在しているという、現実とはかけ離れた世界観になっています。そんな封鎖区域に、利権を狙うさまざまな企業が傭兵を雇って送り込んでいる……というのが、本作の大まかなストーリーです。プレイヤーの皆さんは、そんな傭兵のひとりとして封鎖区域に潜入。敵対する兵士たちと戦いながら、最後まで生き残れば勝利となります

──ストーリー上、すでにアンブレラ社は存在していないと思うのですが、『アンブレラコア』というタイトルには、どういった意図があるのでしょう?

川田 そこは、プレイしてのお楽しみということで(笑)。タイトルロゴにも、アンブレラっぽいマークがあるんですけど、よく見るとちょっとデザインが違うんですよ。このマークは何を意味しているのか? そういったところにも意識しつつ、プレイしていただけるとうれしいですね。

──続きまして、“コンペティティブシューター”という新たなジャンル名には、どのようなこだわりがあるのかお聞かせください。

川田 従来の『バイオ』シリーズ作と異なり、ライバルとなるほかのプレイヤーとの対戦を強調したゲームにしたかったんです。サバイバルやホラーといった名称を付けることもできましたが、今回はガチのシューターということで、こちらの呼称で押し出しました。

──『バイオ』でTPSというと、『オペレーション・ラクーンシティ』を連想しますが……?

川田 まったくの別物です。『オペレーション・ラクーンシティ』は、物語、シナリオ面も厚いタイトルでしたが、本作はシューティングゲームとしての魅力に特化した作品に仕上がっています。シューター作品としてシェイプアップした結果、シナリオ、物語要素のない、まさに対戦特化型のゲームになりました。

──ずいぶんと思い切った判断ですね。

川田 ストーリーを進めて「今日はここまで進んだ」と感じるものではなく、プレイヤー自身の技量が向上して、ワンランク上のライバルを倒せるようになったほうがモチベーションも上がると思いまして。その分、戦闘のテンポやアクションのクオリティーに関しては、ものすごく力を入れています。

──ひと足早くプレイさせていただきましたが、戦闘のテンポの速さには驚きました。

バンス 制限時間を3分に絞って、そのなかでいかに駆け引きを楽しむかが最大のウリです。短く思われるかもしれませんが、致命傷を受ければ1発でゲームオーバーになる“ワンライフマッチ”なので、だいたい3分も経たないうちに決着がつくと思います。

──マップもちょうどいい広さですね。

バンス 『アンブレラコア』では、短時間で白熱するように、あえて狭い空間を用意しています。ゲームオーバーになっても、すぐにリトライできる仕様なので、戦いを重ねていくうちに自然と腕も上達するはずです。

川田 戦闘エリアを狭くしたことで、戦略を練る楽しさや、駆け引きのおもしろさがより際立ってきます。本作では、ゾンビバイルのように、近接戦闘用の武器も登場しますが、各武器にじゃんけんのような力関係が存在するのもおもしろいところだと思います。

──じゃんけんの関係といいますと?

川田 近距離~中距離の相手を撃ちやすいハンドガンは近接武器に対して強いですが、中距離~遠距離の敵を撃つのに適したショットガンやマシンガンに対しては不利となります。そこで、ハンドガンを持った相手に用心して距離を取ろうとすると、今度は背後から回り込んできた相手に近接武器で襲われる可能性がある。これは、狭いフィールドだからこそ生まれる駆け引きです。武器ごとの立ち回りの違いも楽しんでいただきたいですね。

バンス それと、カバーアクションもおもしろい駆け引きが生まれる要素です。アナログ操作で姿勢を細やかに変えられるので、物陰に隠れながらのズームも可能ですが、その状態を続けていると動きが遅いため、とっさの事態に対処しづらくなります。ほかにも、ふつうのTPSと違う要素を挙げると、匍匐前進による移動スピードがけっこう速いんですよ。物陰に隠れながら動けるので便利ではあるのですが、背中のゾンビジャマー(感染者の神経を麻痺させ、身を隠す装置)をさらけ出すことにもなります。ゾンビジャマーが破壊されたら、相当不利になると思います。

――確かに。想像していた以上に、匍匐前進の速度が速くてびっくりしました。

川田 じつはその速度も、実例に基づいて計算されているんです。戦闘訓練を受けたことがある人なら、本当にそれくらいの速さで移動できるんですよ。本作では、そういったアクションや何気ない表現にも、徹底してリアルさを追求しました。

バンス  ただ、一般的なTPS(三人称視点シューティング)なら、匍匐前進は敵の攻撃をかわしながら移動できる便利なアクションなのですが、本作の場合、ゾンビジャマーのある背中が丸見えになってしまうので、非常に狙われやすくなるというデメリットもあるんです。周辺に敵がいないことを確認してから、使うようにしましょう。