ぶっ飛び具合に脳が溶ける!

 インディースタジオMommy's Best Gamesが、同スタジオの作品4本をセットにした『Mommy's Best Action Pack』をPCゲームプラットフォームSteamでリリースした。価格は798円で、単品購入の場合は『Weapon of Choice』が498円で、残り3本は各298円。

 本パッケージには、Xbox 360時代にXbox Live インディーズゲームで配信された『Weapon of Choice』、『Shoot 1UP』、『Game Type』、『Explosionade』の4タイトルをWindows版として移植したものを収録。怪作揃いのXbox Live インディーズゲームでも頭抜けたぶっ壊れ具合と、それだけに終わらない面白さを両立して好事家の注目を浴びたタイトルをふたたびPCで遊べるのだ!

超絶ドラッギーな魂斗羅『Weapon of Choice』

 Mommy's Best Gamesの処女作にして代表作と言えるのが本作『Weapon of Choice』。多彩な武器を持った戦士たちがエイリアンを倒す2D横スクロールアクションシューティングだ。まぁそんなコンセプトのゲームはひと山いくらのレベルで存在すると思うが、本作は何より毒々しくサイケデリックなアートスタイルがヤバい!

 というのも、Mommy's Best GamesはInsomniac GamesやRunning With Scissorsで『ラチェット&クランク』シリーズや『レジスタンス』、『ポスタル2』などの開発に参加したNathan Fouts氏による個人スタジオなのだが、独立後の本作では本職(ゲームデザインとプログラミング)ではないグラフィック面も自分で担当。
 プロのアートディレクターがいないことで、結果として絶妙に歪んで配色がイッてる、インディーじゃないと製品化は難しそうな独特すぎるアートスタイルを獲得してしまったのだ(この経験は後に『シリアスサム 3』の発売に合わせたスピンオフ作品として開発を請け負った『Serious Sam Double D XXL』に活かされている)。

 そしてゲームデザイン面でも、ジェットエンジンガン(ジェット噴射で敵を倒す。噴射して飛ぶこともできる)などのクレイジーな武器の数々や、死にそうになるとスローになる“Death Brushing”、ワシャワシャ動く脚でぶら下がったり壁に張り付けるバックパック“Spiderpack”(キモい)などの見た目も使い勝手も面白いアイデアを投入。
 バリバリなメタルサウンドとあいまって、クレイジーな見た目に脳を溶かされながら撃ちまくれるという、怪作にして快作となった。記者はその内容に圧倒され、思わず2009年にインタビューを実施したほど。今でも自身を持ってオススメできる一作だ。

 ゲームとしては使用武器が異なるマルチ主人公制を採用しており、進行するマップを選ぶことによる分岐も存在。1ルートのクリアーまでは15分程度でサクッと遊べるので、ストレスが溜まった時にでもプレイしてみてはいかがだろうか。

どうかしてるゲームが4 in 1!! インディー魂爆裂の怪作4タイトルが『Mommy's Best Action Pack』としてSteamに登場_04
▲何を食ったらこんなもん思いつくのかわからないグロテスクでサイケデリックなクリーチャーと、まったくもって普通じゃない武器を持った戦士たち。マルチ主人公制でルート分岐もアリという、無駄なてんこ盛りぶり!(でも一応のエンディングまでは13分ぐらいでたどり着ける)

1UP取ると物理的に一機増える『Shoot 1UP』

 そして第2弾として登場したのが、シューティングゲーム『Shoot 1UP』。本作の特徴は、1UPアイテムを取ると物理的に一機増えるというシステム。気が付くと20機ぐらいが画面上を動き回っているのが普通で、最大30機まで増やせ、Ghostアイテムを取ればミラーリングされて一気に倍増。またCo-op(協力プレイ)にも対応している。少しぐらい落とされても残りの機体の火力で押し切れば問題なし! 力は正義だ!

 各ステージ内にはルート分岐もあり、縦スクロールが横スクロールになったりする場面も。こちらも『Weapon of Choice』同様に20分もあればストーリーをクリアーできる、難しいことを考えずに遊べる小品となっている。本誌ではレビューも掲載しているので、そちらも参考にして欲しい。

どうかしてるゲームが4 in 1!! インディー魂爆裂の怪作4タイトルが『Mommy's Best Action Pack』としてSteamに登場_03
▲「ワンアップ取ったらワンアップ!(物理的に)」という思いつきを形にしたら、意外と面白かった! どうかしてるキャラクターデザインも健在!

ネコやドーナッツなど、悪の広告と戦う『Game Type』

 『Game Type』は、“フードを被った女の子が悪の広告社が放つ広告と戦う”という、説明されてもさっぱりわからないコンセプト。実際にはエンドレスな横スクロールループでプレイするシューティングゲームで、一時的にスローにする技などを駆使しながら、画面のあちこちから登場するネコ、カニ、ドーナッツ、クルマ、アメフト選手などを撃ってハイスコアを狙うという内容だ。Shoot 1UP同様、2人協力プレイにも対応している。

どうかしてるゲームが4 in 1!! インディー魂爆裂の怪作4タイトルが『Mommy's Best Action Pack』としてSteamに登場_02
▲もう何がなんだかわからない横シュー!

オイル臭い1画面ロボシューター『Explosionade』

 『Explosionade』は、一画面一ステージの2Dロボットアクションシューティングゲーム。ほかの3作品と比べると比較的オーソドックスなゲームで、ステージ構成を見極めてショットやボム、そしてシールド(ハイジャンプにも使える)を使い分け、ハイスコアを狙っていく。本作も2人協力プレイに対応。正直単品で買うかと言われると微妙だが、バンドルについてくる1タイトルとして遊ぶ分にはそれなりに楽しめる。

どうかしてるゲームが4 in 1!! インディー魂爆裂の怪作4タイトルが『Mommy's Best Action Pack』としてSteamに登場_01
▲このゲームは割と普通です(真顔)