サイバーコネクトツーが人材育成プロジェクト“スーパーゲームスクール”を始動!

サイバーコネクトツーが福岡を中心にゲームクリエイターを目指す人を対象にした“スーパーゲームスクール”という人材育成プロジェクトをこの秋スタートさせる。

●“本当”にゲームを作りたいヤツら、全員集合!

 『.hack』シリーズや『NARUTO−ナルト− ナルティメット』シリーズなどでおなじみの、福岡のゲーム制作会社サイバーコネクトツー(以下、CC2)。そのCC2が福岡を中心にゲームクリエイターを目指す人を対象にした“スーパーゲームスクール”という人材育成プロジェクトをこの秋スタートさせる。プロの直接指導によりゲーム業界の即戦力人材を育成・輩出することを目的とした本プロジェクト。受講料は無料。ゲーム業界を目指す人にとって夢のようなこのプロジェクトの詳細と、スクールの中身、そしてなぜいまCC2が人材育成に乗り出すのかなど、その狙いをCC2 代表取締役 松山洋氏に話を訊いた。
(聞き手:本誌編集長 林克彦)
※週刊ファミ通2015年9月17日発売号より

サイバーコネクトツー
代表取締役
松山 洋氏(文中は松山)

【スーパーゲームスクール:概要】

▼ゲームクリエイター志望であれば誰でも参加可能! 授業料は無料!
※学生・社会人、異業種、同業他社

▼まずは福岡に拠点を開設。※順を追って、東京・大阪・札幌・沖縄などにも展開予定

▼日中から夜間まで拠点を解放。CC2が用意する開発環境 (PC・ソフトウェア)を自由に使い、「課題」に合わせた作品制作を行うことができる

▼コース別に“課題”が提示され、成長を促す。課題クリア→CC2採用程度の技術習得→入社に直結!
※ここで制作した課題作品は他社への就職活動に使用しても構わない

▼平日の夜は、CC2松山氏やクリエイターが来校し、直接アドバイスや課題のチェックバックを行う

▼休日は、CC2松山氏やGFF各社のクリエイターをはじめとした業界著名人を招いて講演等を実施

▼年内開講予定

詳細はスーパーゲームスクール特設サイト

■ハードルが高いとあきらめている人にゲーム業界に入るチャンスを与えたい

──スーパーゲームスクールとは何なのか。まず、その説明からお願いできますか?

松山 はい。スーパーゲームスクールと銘打っていますけれども、わかりやすくたくさんの人たちに認知してもらうために、あえて“スクール”という言いかたをしているだけで、学校法人を作って新しいビジネスを始めるわけではありません。狙いは何なのかというと、いまくすぶっている“本当に”ゲームが作りたい、やる気のある人材にチャンスを与えて育成したい。我々ゲーム業界に身を置く者としても現場が求めるガッツがあって優秀な人材を確保したい、ということなんです。

──自分たちといっしょに戦っていく仲間を探したいと。

松山 そうです。

──それをなぜ、CC2みずから育成に乗り出すことにしたのですか?

松山 どこの企業でも新入社員の研修だったり、若手の育成っていうのはやるじゃないですか。CC2でも、インターンシップを行い、社内で研修を行って徹底的に鍛えています。弊社のインターンシップは、福岡本社の10階にある部屋――我々は“精神と時の部屋”と呼んでいるんですが――で、現場のスタッフが毎日みっちりと直接指導をしています。そしてクリエイターとして一人前に育った暁には正社員として雇用しています。ただし、これは弊社の指向性に特化した形でのインターシップになりますし、はっきり言ってハードルは高い。

──CC2に応募してくるような人は、やる気もさることながら、それなりの知識や技術もすでに身につけた人ばかりでしょうし。

松山 そうなんです。もちろん、そういった確実にやる気があり、我々の指向に合った人材をしっかりと育て上げていくということは、これからも独自でやっていきます。ただ、ハードルが高いゆえに、ゲーム業界に進む道をあきらめてしまう人、素養はあるのに何をしていいかわからない人もかなりいると思うんです。私自身、大学時代に同級生に相談し、ほんの些細なキッカケで目覚めることができて、いまこうしてゲーム業界で20年間やってきているわけですから。一方で、家庭用ゲーム開発会社の新卒の採用率がどんどん下がっているという現状があります。企業も自分たちのことだけで精一杯なんです。ですが、それだとゲーム業界に未来はない。CC2は設立から20年が経ちました。今度は人材の発掘や育成にも力を入れ、ゲーム業界に入りたい人にキッカケを与える側にもまわるべきだなと思ったのが、今回のスーパーゲームスクールの構想につながっています。

──業界に貢献したいと。具体的には、どういった人たちを対象にしていて、一般のゲーム専門学校とどんなところが違うのですか?

松山 対象にしているのは、いま現役で専門学校に通っている学生さんや大学に通っている大学生、さらにはいま働いている方、それも異業種、同業種、どなたでもかまいません。皆さんに平等にチャンスを与えます。指導に関しては、学校のように全員同じコースや同じ授業といった一辺倒なものはやりません。それぞれの能力に見合った課題に個別に取り組んでもらいたいと思っています。

──ひとりひとりの能力を見極めて、個別のプログラムを組むということですか? 運営側がすごくたいへんだと思うのですが……。

松山 あくまで私のイメージですが、まずは、受講者数を15人から30人程度にするつもりです。それでもたいへんですが、その代わり、毎月ジャッジはしようと思っています。つまり、向かない人には、向かないとはっきり言ってあげる。向かない、というのは学校では退学を薦めることになりますので、学費を取っている以上、なかなかできないですよね? スーパーゲームスクールは無料ですが、慈善事業でやるつもりはありませんので、向いていない人にははっきり言います。

──ある意味、親切ですね。

松山 逆に向いている人には、現場のプロが教えるわけですから、すごく伸びるはずです。

──まさしく、このスーパーゲームスクールもCC2流の“精神と時の部屋”だと。

松山 はい。加えて、向いている人には、本人の意思を確認したうえで内定も出します。

──おお、それはすごい! 就職の保証をする覚悟が運営側にもあると。

松山 はい。しかもこれは、CC2で内定を出す、採用しますという話だけではありません。まずは、ガンバリオンさんを始め、GFFに参加している福岡のゲーム関連企業の数社より賛同していただいていますので、CC2以外のゲーム会社へ採用されるチャンスもあります。このスクールに入って卒業する人は、100%ゲーム業界に就職できます。どこに就職するかは本人次第です。

■人材不足はゲーム業界全体の問題賛同してくれる企業を募集中

──運営には費用もすごくかかりますよね? そこは、どうされるのですか?

松山 賛同していただける企業さんと協力しあいながら、そこは基本的にある種の覚悟を持って、CC2が歯を食いしばるところだと思っています。ただ現在、福岡県、つまり行政機関からもゲーム業界における人材育成の取り組みにより、雇用促進、就職率の向上にもつながるということで、協力をしてもらえる方向で話は進んでいます。

──たしかに、地域活性化につながるプロジェクトですからね。

松山 福岡県の担当の方からも、行政が実施主体でもおかしくない事業だ、と言っていただきました。同時に、「CC2がおもしろいことを始めたね」で終わらせてはダメで、ゲーム業界全体のための取り組みとして、公益性が高いものであれば、福岡県としても、より応援がしやすくなります、とも。

──とても大きな話になりましたね。

松山 そうなんです。ですので、賛同してくださる企業さんをまだまだ募集中です。

──それは福岡の企業に限られるのですか?

松山 いえ。優秀な人材を発掘したいという大阪や東京の企業さんでも大歓迎です。協力のしかたもいろいろあると思いますし。たまにクリエイターさんに福岡に来ていただいて、ゲストとして私と30分でもいいから対談してくださるだけでもけっこうです。いま現場で起こっている最前線の話を聴けるわけですから、受講者にとってものすごく勉強になりますし。賛同してくださる企業さんはもちろん、ぶっちゃけた話、スポンサーさんも募集中です。たとえば、必要な機材……PCやアプリケーション……ツール群をリースしてくださるところとか。

──業界全体として取り組むべき問題ですから、ぜひ多くの企業に協力してもらいたいですね。スタートは秋からということですが。

松山 小規模でもいいから、すでに賛同いただいている企業さんと、まずはスタートしようと。実績を積んで、来年の春から福岡県と正式にいっしょにやっていく、というステップで進められるよう話をしています。

──では、受講生の募集もすぐに始まると。

松山 はい。Webで募集する予定ですが、もう少々お待ちください。この記事を読んで、興味を持ってくださっても「本当に自分がやれるのかな?」とか「どれぐらいのことが求められるんだろう?」と、やはり不安に思うかもしれません。能力、技術、知識……もちろんこれらは身につけてもらいます。けれど、これはわたし自身、CC2の20年を振り返って思うんですが、ゲーム開発というのは、たいへんです。めっちゃたいへんなんです。そんなゲーム開発で、最終的に誰が活躍するかというと、年齢も性別も国籍も関係ない。あきらめなかったヤツなんです。最終的にモノ言うのは、やっぱりガッツです。ゲームってそうやって作られるんです。

──覚悟も養ってほしいということですね。

松山 はい。間違いなくスイッチは入れてあげますから。そして、業界のスイッチも入れたい、活性化させたいんです。事実、人が育たなくて我々は困ってるんですよ。それは、ここ10年、20年、人材育成を怠ってきた業界の責任です。このツケを、みんなで払いませんか? ということです。受講生、賛同してくれる企業さん、待ってます!