ジックリ挑むタイプの王道シューティングゲーム!
最近は原稿からも加齢臭がにじみでる豊臣です。今回は、執筆時点でSteamにて配信されたばかりのシューティングゲームを紹介します。ストーリーは、お守りに憑いていた悪霊の企みにより、王国を救った勇者がかつての戦友や己れの分身と戦うというもの。世界観はもちろん、後述するテンポや手触りは、1990年代前後のビデオゲーム王道路線。もはや主流とはいいがたいテイストですが、ゆえに“本当にこういうのが好きで作っているのです”感に満ち溢れているのがポイント。近年はゲームの市場が飛躍的に増大し、「一発当てて、デカくいくでえ!」と野望に満ち溢れた作品が目立つようになりましたが、やはりインディーといえば、こうした“趣味的な作品”との出会いがいちばんの楽しみ。好きなものを、好きに作っている人たちの“魂の波動”は、マーケティングに踊る現代では、“心の清流”とさえ言えるでしょう。
オススメポイント その1/自分なりの攻略パターンを構築しよう
かつてのシューティングゲームは、自機の動きがゆっくりな反面、敵弾は速く、パターンを作ってかわしたり、“安全地帯”を探すといった楽しみがありました。本作も“展開重視”というか、場面ごとにしっかりした攻略のパターン作りが求められるスタイル。爽快感溢れるとは言い難いものの、いい意味で“奇をてらわない”敵の強さや配置が好印象。プレイする側の心象なども踏まえた丁寧な作りが、ここからもしっかり伝わってきます。念のために言っておくと、これは別に弾幕系シューティングゲームへのアンチテーゼということではありません。筆者は弾幕系も好きですし、一方でこうした1990年代前後の作風を持ったシューティングゲームも好き。国内ではプレイヤー人口や市場の縮小から、作り手の発想やアプローチも限定されがちですが、ワールドワイドな作品、とくにインディーゲームとなれば、その広さや深さから生じた“余裕”により、こうした作品との出会いが増している印象があります。
オススメポイント その2/多彩なステージ&ボスのバリエーション
海外発のシューティングといえば、個人的には『ROBOTRON 2084』や、ワールドワイドで一大ヒット作となった『Smash T.V』に代表される、ウィリアムス開発の有無をも言わせぬ苛烈な力技的アプローチが第一に思い起こされますが、本作は日本の1990年代風アクションシューティングを思わせる“多彩さ”が特徴。ステージごとに異なるコンセプトが貫かれ、決して多くはないながらも、要所で変化をつけることでプレイヤーを飽きさせない工夫が徹底されています。ステージによっては隠しやパズル的な要素もあり、これがなかなかにいいアクセント。前置きなしに発見できたときは、思わずニンマリしてしまうでしょう。
▲ゾウに当たり判定はなく、乗っているバイキング戦士たちを攻撃。本作は、弓矢や投石に代表される曲射攻撃がなかなかのクセモノだ。
▲ファンタジー作品でおなじみの火の魔人イフリット。地面から吹き上げる火柱に当たらないよう、気をつけよう!
▲悪霊の力で変異した木。たまに、巨大キノコを吐き出してくるのが恐ろしい。
▲体当たりと舌が厄介な巨大カエル。複数ある目が弱点。攻撃のパターンを見極めよう。
ステージによってはパズル風シーンも!
◆Check 武器やアイテム関連もシッカリしてます
主人公のメインショットはボウガン(クロスバスター)。パワーアップによりタメ撃ちが可能になるが、連射すると前方に単発のみで心もとなく、これを補うのが、ステージボスを倒すことで増えていくサブショットの装備武器。最初はやや弱めだが、ショップでパワーアップが可能だ。グリフォンの周囲についてまわるおともの種類もショップで増やせる。体力回復などのポーションもショップで購入でき、最大5本まで持っていける。購入にはいずれも敵を倒して獲得したお金が必要。足りないときは得意なステージを周回してもいいが、得意な武器に絞ってパワーアップすれば、そこまで稼がなくてもオーケー。個人的に気に入ったのは、汎用系からネタ系までラインアップが整った武器のバランス。強力な威力の武器もあるが、それ以外でも使いかたによって十分強力になるのがいい。
Gryphon Knight Epic - Launch Trailer
Gryphon Knight Epic
メーカー | Cyber Rhino Studios |
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対応機種 | PCWindows |
発売日 | 配信中 |
価格 | 1280円[税込] |
ジャンル | シューティング |