パックマンのために “道”を作ろう

全身ディスプレイ型“ゲーミング・スーツ”で『パックマン』を遊んできた! 手足を動かしてパックマンの道を作れ【CEDEC 2015】_02

 2015年8月26日~28日の3日間、パシフィコ横浜にて開催されている、日本最大級のゲーム開発者向けカンファレンス“CEDEC 2015”。会場の展示コーナーにおいて、なんと“全身で遊べる『パックマン』”を体験できたので、リポートしよう。

 『パックマン』が遊べる全身ディスプレイ型“ゲーミング・スーツ”を開発したのは、東京工芸大学 芸術学部 ゲーム学科のみなさん。『パックマン』の生みの親である岩谷徹氏の指導のもと、研究が行われているという。

 記者はドット状のLEDディスプレイが貼り付けられたスーツを、両手、両脚、胴体に装着させてもらった。

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▲スイッチを入れると……。
▲全身がこんなにも光る。ゲームは暗い中で行うようだ。

 スイッチを入れて、いざゲームスタート。驚いたのが、このパックマンが自動で動くということ。操作方法は「両手をつないだり離したりする」、「脚を開いたり閉じたりする」ことなのだそうだが……記者はさっぱりどうすればいいのかわからず、パックマンがゴーストに捕まってしまい、あっけなくゲームオーバーになってしまった。

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 この全身で遊べる『パックマン』、じつは、手をつなぐ、または脚を閉じると、そこにパックマンの通り道ができるという仕組みになっている。逆に手や脚を開くと、パックマンはそこで反転して、来た道を戻ることになる。これを利用して、パックマンとゴーストの動きを先読みしながら、うまく道を作ってパックマンにフルーツを食べさせていくのが基本となるようだ。

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▲手をつなぐ、また脚をつなぐとその場所が緑色に光る。これが道がつながったという証拠。
▲パックマンが進んで行く先にゴーストがいる!と思ったら、手または脚を広げて、道がつながらないようにしよう。
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▲どんくさい記者は、結局ひとつのフルーツをパックマンに食べさせるのが精一杯……。
▲体の動きの感知はKinectで行っている。

 このスーツは、テレビモニターやスマートフォンなどの画面で遊びが完結してしまうというゲームにおいて、ダイナミックな遊びに発展していくシステムはないかと考えたことから生まれたそうだ。今後は、2機を使った対戦や協力ができるゲームも考案中だという。また屈伸や手足の運動によるリハビリテーション機としての運用や、体全体を動かすアート表現体としての利用も期待しているとのことだ。

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▲左から、東京工芸大学 芸術学部 ゲーム学科の木野泰生さん、大岩根力斗さん、小瀧光さん、高梨雅司さん。

 岩谷徹氏によるショートセッション“全身ディスプレイ型「ゲーミング・スーツ」による新しいゲーム表現形態の提案とその応用について”は、本日8月27日に“CEDEC 2015”で行われる。