スペースオペラのような壮大なストーリーが魅力

 2015年8月5日~9日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2015が開催中だ。ここでは、エレクトロニック・アーツのPC向けMMORPG『STAR WARS: The Old Republic』のインタビューの模様をお届けしよう。取材に応じてくれたのは、開発元であるバイオウェアのスタジオクリエイティブ・ディレクター、ジェームス・オーレン氏。と、インタビューをお伝えする前に前提としてお書きしておくと、この『STAR WARS: The Old Republic』は、2011年の配信開始後、欧米では絶大な人気を誇る『スター・ウォーズ』の世界観をモチーフにしたMMORPG。ただし、日本語版はいまだに配信されておらず、熱心なファンのあいだでは、日本語版の展開が熱望される1作でもある。『スター・ウォーズ』イヤーの今年、大いに期待したいところであるが、その件をオーレンス氏にぶつけてみたところ「現時点では未定」とのことで……。何はともあれ、インタビューをお届けする。

『STAR WARS: The Old Republic』日本展開が熱望されるMMORPG 海外熱烈ユーザーが増加中のワケは?【gamescom 2015】_01

――2011年のサービス開始以降、これまでの人気を保っている秘訣は?
ジェームス いちばんの人気の秘密は、やはりストーリーだと思います。MMOの世界の中で、自分がヒーローとして活躍できるわけですが、ストーリーが途切れることなく、どんどん提供されていくわけです。HBO(アメリカのケーブルテレビ局)のテレビドラマにしても、いつかはストーリーが終わってしまうわけですが、『STAR WARS: The Old Republic』では、ずっと続いていくわけです。それが人気の秘密だと思いますね。

――ああ、ドイツではスペースオペラ小説の『宇宙英雄ペリー・ローダン』シリーズが有名ですが、ストーリーがつぎつぎと展開される『STAR WARS: The Old Republic』では、その壮大なスケールが人気ということでしょうか。
ジェームズ そうですね。この10月からは新エピソード『Knights of the Fallen Empire』も展開予定です。しかも、『Knights of the Fallen Empire』では更新頻度を早めていまして、従来は3ヵ月に1回の更新だったのが、本拡張コンテンツでは毎月更新にしています。それが9ヵ月続けられるわけです。しかも、さらにストーリーに特化した内容にする予定でいます。

――なるほど、いまのスピード感に合わせたわけですね。ストーリー作りもたいへんそうだ。
ジェームズ 4人のライター陣ががんばってくれていますよ。

――新エピソード『Knights of the Fallen Empire』の魅力を教えてください。
ジェームズ 以前のエピソードよりもプレイヤーの選択肢を増やしています。プレイヤーが選択をすることで、ストーリーがダイナミックに変わっていくようにしているんです。シネマティックなシーンも増やしていますので、スケールの大きな映画に中に、身を浸しているかのような感覚を味わえると思います。これまではオンラインのゲームのつねとして、こなさなければならないルーティンワークがいろいろとあったのですが、そういうのをできるだけ減らしています。

――ああ、没入感をより高めるわけですね。ちなみに、『STAR WARS: The Old Republic』のユーザー数ってどれくらいなのですか?
ジェームズ トータルの数字はお答えできないのですが、ひと月の利用者は全世界で100万人ですね。

――それだけ人気があると、さぞや熱心なファンも多いんでしょうね。
ジェームズ フォーラムなどを見ていても、“ヒーローになってストーリーを楽しむ”という点に心惹かれている方が多いようですね。中には、1週間に50~100時間楽しんでいる方もいます。

――100時間といったら、1日14時間ではありませんか! 熱心ですね。
ジェームズ 一方で1週間に数時間楽しむという方もいます。カジュアルプレイヤーから熱心なゲームファンまで、幅広い層に楽しまれているのが、『STAR WARS: The Old Republic』と言えるでしょうね。

――となると、やっぱり日本語版も期待したいところですが……。
ジェームズ 日本語やハングル、ポルトガル語、ロシア語など、対応したい言語はたくさんあります。とはいえ、ローカライズするためには予算が必要になりまして……。ましてや『STAR WARS: The Old Republic』は膨大なコンテンツ量を誇るわけです。日本のユーザーさんがたくさんあそんでいただけるようであれば、可能性も膨らむとは思うのですが……。

――ちなみに、今年『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が公開されますが、それが『STAR WARS: The Old Republic』とリンクを図ったりとかは?
ジェームズ ご存じの通り、『STAR WARS: The Old Republic』は映画シリーズの5000年前の設定なので、とくにそういった予定はないですね。

――最後に、日本のゲームファンに向けて、改めて『STAR WARS: The Old Republic』の魅力をお教えいただけますか?
ジェームズ オーケー! 日本のゲームユーザーの方は、スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジー』シリーズに代表されるような、壮大なストーリーのRPGを好まれるようですが、私たちバイオウェアによる『STAR WARS: The Old Republic』は、それと親しい関係があると思っています。一度遊んだら、楽しんでいただけると思っています。

『STAR WARS: The Old Republic』日本展開が熱望されるMMORPG 海外熱烈ユーザーが増加中のワケは?【gamescom 2015】_02
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『STAR WARS: The Old Republic』日本展開が熱望されるMMORPG 海外熱烈ユーザーが増加中のワケは?【gamescom 2015】_12
▲gamescomに合わせて公開された『Knights of the Fallen Empire』のアートワーク。「日本語版も配信されていないのに、こんなの見せられても困る!」と言われそうですが、せっかくの機会なので、どうぞ。