今回のT-800はより“人間らしい”存在に!?
2015年7月10日に日本公開となる『ターミネーター:新起動/ジェニシス』。本作で“T-800ターミネーター”を12年ぶりに演じるアーノルド・シュワルツェネッガー氏と、サラ・コナーを演じるエミリア・クラーク氏の来日記念合同記者会見が行われた。
『ターミネーター』シリーズは全世界累計興行収入約1680億円以上、日本でも累計興行収入220億円を超える驚異的な記録を打ち立てたSFアクション映画の金字塔。『ターミネーター:新起動/ジェニシス』は、第1作目の日本公開から30周年を迎える2015年、ついにアーノルド・シュワルツェネッガー氏が復帰する最新作となる。以下より、記者会見の模様をお届けしよう。
登壇したシュワルツェネッガー氏は「日本には何度も伺っている。日本のファンのサポートはナンバーワンだ。I Love Japan!」と、クラーク氏は「私は初来日となりますが、素晴らしい国に映画とともに来られて感激しています。いま、となりにシュワルツェネッガーさんがいるのもとてもラッキーです」とあいさつした。
――7月10日の日本公開を間近に控えた、いまの心境を教えてください。
アーノルド・シュワルツェネッガー氏(以下、シュワルツェネッガー) 1作目は予算はなかったけれど、おもしろい映画になるという予感があったんだ。結果として未来から来たロボットが殺しに来るというアイデア、マシーン対人間という究極のテーマ、そしてジェームズ・キャメロンのシナリオが高く評価され、世界中で大ヒットした。いま、その功績の歴史を背負って、この5作目が日本で公開されるんだ。今回、ぼくがT-800を演じられたことを幸運に思い、また運命を感じているよ。
——T-800ターミネーター、サラ・コナーという役だけが持つキャラクターの魅力を教えてください。
シュワルツェネッガー T-800はプログラムされ、人間を殺しに来る役目を背負っていることが非常に特別だ。しかも2作目では人間をプロテクトするようになり、3作目では“プロテクター(守護神)”ということがより強調され、さらに5作目となる本作ではT-800は人類を救うために、破壊をする、プロテクトをするという、相反する役目を背負っているんだ。その彼の葛藤も映画の魅力になっているよ。
また、ぼくが役者としてサラ・コナー役のエミリアと過ごす時間が多かったこと、劇中でサラがT-800を人間にしようと努力をすることもあり、今回のT-800はどこか人間性がより強くなっているんじゃないかな。
エミリア・クラーク氏(以下、クラーク) 1作目から2作目で、サラ・コナーはふつうの女性から、運命を変える女性へと180度の変貌を遂げています。
今回の映画では、サラは9歳のときにT-800に出会います。そして、超能力も何も持たないふつうの人間の彼女が強くなっていき、世界を救っていく過程が描かれています。T-800がロボットだからでこそ生まれる、彼女の葛藤も見所ですね。
――劇中で、新旧のターミネーターどうしが戦うというシーンがありますが、それをご覧になられたときの心境を教えてください。
シュワルツェネッガー あれは素晴らしいアイデアだと思ったね。実際の撮影は4日間という長い時間をかけていて、ボディビルダーでもある役者がいたおかげで実現したんだ。ビジュアルエフェクトが本当に素晴らしく、信ぴょう性のある映像ができていたよ。
――現在も肉体を維持するためのトレーニングを続けていますか。
シュワルツェネッガー 毎日のトレーニングは欠かしていないよ。君たち記者がまだ寝ているような時間でも、今日は1時間みっちりとトレーニングした。最近のホテルはジムがあるので、問題なくトレーニングができるのでうれしいね。
撮影では、さらに10ポンド(約4.5キロ)多く体重をつけるためにウェイトリフティングの重りを2倍にして、過酷なトレーニングをしていたよ。スタントシーンがあるので、これは必須だったんだ。
そうそう、ぼくなんかよりも、エミリアのトレーニングのエピソードはもっとおもしろいよ。
クラーク 私はアクションやトレーニングなど、いろいろなことが未経験でした。とくに銃の扱いかたには時間がかかりましたね。銃は非常に重いですし、“10年間銃を扱っている”ように見せるため、筋肉をつけなければならなかったんです。長期間のトレーニングとなりましたが、シュワルツェネッガーさんに「いい仕事をしたね」と言ってもらうのが夢だったので、そう評価していただけるだけの努力ができたと感じています。
――シュワルツェネッガーさんの、いまの人生の楽しみを教えてください。
シュワルツェネッガー いまは、学校が終わった後の子どもたちの時間を助けたいと思っているんだ。共稼ぎで親がいない子どもがとても多いのでね。また、映画ももちろんだけど、環境問題とグリーンエネルギーにも情熱をかけているよ。
――『ターミネーター:新起動/ジェニシス』では“親子の絆”が強調された、感動的なシーンがあります。それをご覧になられていかがだったでしょうか。
クラーク スクリーンの中のT-800とサラ・コナーが、役者としてのシュワルツェネッガーさんと私、普遍的な父と娘、というイコールの関係になっている印象でした。じつは作中で、サラはT-800のことを“お父さん”や“オヤジ”といった呼びかたをしているんです。9歳のころのサラにとって、彼は保護者であり、未来へ準備をするための情報源であり、必要な存在でした。
やがて、サラは抵抗軍のリーダーになる子どもを身ごもります。その過程がものすごく美しく描かれているので、ぜひ期待してください。
シュワルツェネッガー サラとT-800との人間関係は、非常に胸を打つものになっているよ。今回のT-800は人間らしい感情を訴えていることもあって、各方面から「泣いた!」「感情のローラーコースターだ!」などのうれしい評価をもらっているんだ。期待以上の作品になっていると思うから、ぜひ観てほしいね。
なお、明日7月6日の『ターミネーター:新起動/ジェニシス』ジャパンプレミアでは、『妖怪ウォッチ』の人気キャラクター“ロボニャン”が登場。アーノルド・シュワルツェネッガーとロボニャンが、奇跡の初対面を果たすことになる。
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●『ターミネーター:新起動/ジェニシス』
原題:TERMINATOR:GENISYS
全米公開:7月1日
監督:アラン・テイラー(『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』、「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズ)
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー(T-800役)、エミリア・クラーク(サラ・コナー役/「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズ)、ジェイソン・クラーク(ジョン・コナー役/『猿の惑星:新世紀(ライジング)』)、ジェイ・コートニー(カイル・リース役/『ダイ・ハード/ラスト・デイ』)、イ・ビョンホン(T-1000役/『G.I.ジョー バック2リベンジ』)、J・K・シモンズ(『セッション』本年度アカデミー賞助演男優賞受賞)ほか
【ストーリー】未来を取り戻せ――。人類滅亡のカウントダウンを止めるのは、もはや<アイツ>しかいない!
未来の運命を握る一人の女性サラ・コナーとT-800ターミネーターは、人工知能“ジェニシス”の反乱による人類滅亡の「審判の日」を止めることができるのか。そして、人類の未来に立ちはだかる、人間でも機械でもない史上最強の新型ターミネーターの正体とは――。