「生身の人間でしかできない、新しい『東京喰種』を」

 本日2015年7月2日より、東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて、舞台『東京喰種トーキョーグール』が開幕。初回公演前に、報道陣・関係者向けのゲネプロ公演および囲み取材が行われた。

 原作は、週刊ヤングジャンプ連載の石田スイ氏による人気コミック。舞台化決定のニュースが話題となり、キャラクタービジュアル解禁時には「原作通り!」と大きな注目を浴びた(関連記事はこちら)。

 タイトルにもある“喰種(グール)”とは、東京に潜みながらヒトに紛れ、その死肉を喰う怪人のこと。実写化不可能と思われる原作の描写は、いったい舞台の上でどう表現されているのか。本記事では、劇中カットも含めた公演模様や、主人公・金木研を演じる小越勇輝らキャストが登壇した囲み取材をリポートしよう。なお、本作の公演時間は、休憩15分を含む約1時間50分。

 まずは、小越勇輝(金木研役)、田畑亜弥(霧嶋董香役)、鈴木勝吾(西尾錦役)、宮崎秋人(「崎」は旧字体、永近英良役)、浜田由梨(神代利世役)、村田充(ウタ役)、君沢ユウキ(亜門鋼太朗役)が登壇した囲み取材の模様から。

舞台『東京喰種トーキョーグール』原作のディテールを“忠実に”再現! ゲネプロ公演&囲み取材リポート_01
▲登場するやいなや、報道陣から「おぉ~」と感嘆の声が上がったキャスト陣。再現度がスゴい!

――公演に向けた意気込みと見どころを教えてください。
小越勇輝(以下、小越) 金木くんの、ふだんの大学生の姿と、喰種になってしまったあとの悲劇をお届けできたらと思っています。2.5次元のミュージカルや舞台はたくさんありますが、またそういったものと違った形の作品をお届けできたら。最後まで頑張りますので、よろしくお願いいたします。
田畑亜弥(以下、田端) 大変人気な作品なのではじめはプレッシャーがありましたが、私たちが汗や涙やよだれや血、いろいろなものを流しながら(笑)発するエネルギーや匂い、息遣いを体感していただき、共有できるのは舞台ならではだと思っています。生身の人間でしかできない、新しい『東京喰種トーキョーグール』をお届けできるように精一杯がんばります。
鈴木勝吾(以下、鈴木) この稽古が始まるときに、演出の茅野(イサム)さんから「2.5次元の作品はたくさんあるが、2.5次元関係なく、生身の人間がやる『東京喰種トーキョーグール』を届けたい」という思いをキャスト全員で受け取りました。舞台上で起こっている、いろいろなことを力に変えて、おどろおどろしい世界観を皆さんに届けたいと思います。
宮崎秋人(以下、宮崎) 永近英良として金木研の居場所になれればと思います。この作品では、それ1本に絞りたいと思います。
浜田由梨(以下、濱田) 稽古中に「色気の“い”の字もない」と言われてしまったのですが(笑)、リゼはそこがすごく重要なポイントだと思うので、リゼらしく、自由に強く、色気を出していきたいと思います。
村田充(以下、村田) 話題作かつ人気作、人気キャラクターということで、プレッシャーしかありませんが、非常に繊細かつエネルギッシュなキャスト陣の演技と斬新な演出によって、革新的な作品になっていると思います。自信を持って初日の幕が開けられるように準備して、最後までがんばります。よろしくお願いします。
君沢ユウキ(以下、君沢) 喰種にとって脅威になるのが亜門や真戸さんです。喰種は喰種で切なさやドラマがあるし、人間だって喰われてしまえば困る。喰種と人間、両者の切ないドラマがぶつかり合う作品だと思います。個人的に亜門になりきるために、毎日生卵を6個飲みました(笑)。

――では、本作を楽しみにしている皆さんへ、メッセージをお願いいたします。
君沢 これから観ていただくのは、いままでに体感したことのない世界だと思います。せっかくですからどっぷりつかって観ていただけるように、ぜひお客様も精神統一していらしてください。
村田 1ヵ月少しかけてみんなで作り上げた、「作品」と呼べるものだと思います。事故・ケガなく最後まで走りきっていきたいと思います。
浜田 人間も喰種も、複雑な過去や感情を持った人が集まっている作品で、舞台としてストレートなものになっていると思います。「身近に喰種がいたらどうなるんだろう」と想像して観ていただけたらうれしいです。
宮崎 幕が開いたら濃い時間が流れます。1分1秒逃さず、すべてを目に焼き付けてほしいです。
鈴木 僕も原作ものは何本もやらせていただいていますが、毎回思うのは、もともと原作を愛している方にも好きになっていただきたいし、役者や舞台のファンの方にも、『東京喰種トーキョーグール』を愛していただきたい。いろいろなコンテンツをつないでいける存在でいたいと思いますので、すべての人に何かひとつ、持って帰っていただけたらと思っています。
田畑 私自身初めての経験がたくさんある作品で、毎日いろいろな感情が湧いています。そんな熱い舞台を、皆様といっしょに体感できたらと思っています。
小越 原作のおもしろさもたくさん詰まっていますし、僕たちが生身の人間でやる舞台のおもしろさもたくさん詰まっているので、楽しんでいただけたらうれしいです。

 つぎのページではゲネプロ公演をリポート。劇中カットを含むので、ネタバレNG派の方はご注意を!