前作に引き続きまさかの日本語化
インディーパブリッシャー最大手のDevolver Digitalは、例年通りE3会場近くの駐車場を貸し切り、フリーフード&ビール&DJつきのデモ会場を設置。事前アポイント限定で最新タイトルを見せていた。
小規模チームによるタイトルが多い中で、明らかに予算と規模が違う横綱的存在だったのが、ポーランドのスタジオFlying Wild Hogの新作『Shadow Warrior 2』。最強ニンジャのロー・ワン様がカタナとサブマシンガンとニンジツでデーモン・サムライたちを倒していくアレなFPSである!
濃すぎたカルトFPSと華麗なる復活
と、「ニンジャスレイヤー」っぽく書いた所で直接関係はないのだが、シリーズの歴史は由緒正しく、1997年に発売されたカルトFPS『Shadow Warrior』に遡る。
ストーリーは、「サイバーパンクなディストピアと化した日本を牛耳る悪の大企業ジラ・エンタープライゼス。主人公ロー・ワンはそのボディーガードをしていたが、マスター・ジラが闇の眷属による国の完全支配を望んだため袂を分かつ。一方ワンの力が自分に向くことを恐れたジラは、ワン抹殺のためにクリーチャーたちを送り込んだのであった……」という、それこそ「ニンジャスレイヤー」の遠縁の兄弟のような話。しかし、ナンセンスなアジアンジョークをカマし続けるヒゲのエロマッチョ爺が主人公でそんな話をするのは、ドロドロに濃い90年代の洋ゲーシーンの中でも、あまりにも濃すぎた。
というわけで、欧米でもコアなFPSファン以外からは忘れ去られて15年以上。舞台を現代に寄せ、ヒゲ坊主のヤングなロー・ワンを主人公にして、彼を裏切った大企業オロチ・ジラと謎のカタナをめぐる戦いとして仕切り直したのが2013年版のリブート作『Shadow Warrior』だ。本作はその2013年版の5年後を舞台とした作品となる。
フィールドがオープンになり、4人Co-opに対応
E3デモとほぼ同内容の映像(本記事冒頭の動画)が公開されているので、まずはそちらを見ていただくのが早いと思うのだが、ゲームとしては前作同様、カタナなどによる近接攻撃や必殺技、そして回転斬りなどの必殺技や忍術を非常に重要視したFPS。
というか一般的なFPSよりも近接戦闘の比率が非常に大きく、装備カスタマイズや属性付与によるダメージ変動などもあるので、銃撃アリの一人称視点アクションと言う方がイメージしやすいかもしれない。
ゲームデザインでの最大の進化は、最大4人のオンラインCo-op(協力)プレイだ。それぞれのキャラクターがバリエーション豊かな銃火器を使いこなし、属性攻撃を放ったり、忍術で隠れ身の術や回転斬りなどの必殺技を繰り出して戦えるので、賑やかで楽しい。
ちなみにCo-opプレイ中は全員自分がワンということになっている(別のプレイヤーの姿がワンのお供のニンジャに見える一方、自分のボイスはワンのものが再生される)ので、「俺がワンだ!」と喧嘩することもナシ。
また、使用しているゲームエンジンの進化により、フィールドが若干のオープンワールド性がある、より立体的なものになっていることも大きい。これによって、E3デモ動画でも見られるように「門を守る強力なボスを避け、街に降りて迂回し別のミニボスを倒しにいく」といった選択(5分30秒あたり)が可能になっていて、ひとりでプレイする場合でも、みんなで暴れまくる時も、探索のしがいがある。
それ以外のグラフィック面もかなり強化されており、マップは昼夜の切り替えや天候変化などにも対応。またレベルデザイナーが設計したマップを部分的に組み替える簡易自動生成も実装しており、リプレイ性も維持。さらに敵をカタナなどで斬った場合の切断表現も、いろんな所でズバッと斬れちゃうようにパワーアップしている。
まぁそんな感じに、前作『Shadow Warrior』の荒削りながら豪快に暴れまくれる攻撃的な内容を、一気にパワーアップさせた感じの快作となりそう。海外ではPS4/Xbox One/PCを対象に2016年発売予定。日本での展開予定は……とダメ元で聞いてみたら、まさかの「日本語対応はやろうと思っている。OSU!」とのコメント。前作はまさかのPC日本語版がMagino Driveで配信されたが、今回も配信形態や対応プラットフォームがどうなるかはともかく、日本語で遊べる可能性があるとはありがたい話。ポーランドのニンジャたちよ、かたじけない!