センスと力技で「俺の好きな奴全部入り」を実現!

 アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで開催中のE3。インディーパブリッシャーのDevolver Digitalは、今年も会場近くの駐車場を貸し切って、新作を各国プレスに見せている。今年もお邪魔してチェックしてきたので、ご紹介しよう。

 2016年にPCとPS4でのリリースを予定しているアクションRPG『EITR』は、誤解を恐れずにぶっちゃけてしまうと、いろんなゲームへのオマージュで出来ているタイトルだ。しかし、露骨なまでの「俺達の好きな奴全部入り」という無茶に挑みながらも、(今のところ)見事なセンスでまとめてしまっているという、脅威の力業。

 アクションRPGとしての戦闘システムは、R2で攻撃(溜め可能)、R1でガードを砕く蹴り、L2でガード、L1でパリー(敵の攻撃を弾く)で、○をタップするとクイックステップで回避……と、明らかにフロム・ソフトウェアの『ダークソウル』と『Bloodborne』に影響を受けているスタイル。
 となれば全部説明しなくても大体予想がつくと思うが、スタミナ消費に気をつけつつ、敵の行動パターンを読んで連撃の合間に一太刀入れたり、相手のキッツい攻撃をタイミングを読んでパリ―してからカウンターでやり返すような、まぁそういうゲームである。

▲E3ビルドで戦えたボス。行動パターンは3フェーズぐらいあって、途中から魔法で範囲攻撃してきたり、ザコ敵を複数体召喚してきたり。
▲もちろんデカい敵が立ちはだかったり、たくさんの敵に囲まれたりします!

 戦闘以外でも、各地のBonfire(篝火・焚き火)で休むと回復&死亡時の復活ポイントになる部分や、閉まっている扉を開けることでショートカットを作っていくマップ設計なども直球で取り込んでいて、「もう本当に好きなんだなぁ」という感じ(実際「コレはアレ?」って聞くと普通に答えてくれる、影響を隠したりしないナイスガイたちだった)。
 一方でアイテムについては『ディアブロ』のアイテムのシステムを参照していて、倒した敵やダンジョンの宝箱からは、ランダムな性能の装備が出てくる(なおプレイヤーが死ぬとアイテムの耐久度が下がる)。

▲ソウルズシリーズリスペクトなので、Bonfire(篝火)とかも思いっきり出てくる。もちろん回復するしリスポーン場所にもなる。

 そしてグラフィック的には『ゼルダの伝説』シリーズの雰囲気に憧れつつ、ソウルシリーズと『Bloodborne』のオドロオドロしさや、『Diablo』シリーズで大量に敵が出てくる時のザワっとする感じを、北欧神話のモチーフを取り入れつつ、『スキタイのムスメ』以降の今風のドット絵で仕上げたという感じ。
 って、こう書くと大したことないように思えるかもしれないけど、動画を見ればわかる通り、メチャクチャセンスいい。正直これだけいろんな要素を入れながら、一度プレイしてみると元ネタどうこうが気にならなくなるのは、このビジュアル面の説得力に納得させられてしまう部分が大きいと思う。

 成長システムはちょっとヒネっていて、まず冒険を進めていくと“Favor”が貯まり、増えるごとに能力がブーストされるが、死亡すると失われてしまう。一方でFavorを消費してレベルアップすることも可能で、レベルに変換してしまえば失われなくなるが、レベルアップで得られる効果はFavorで得られるそれよりも少ない。プレイヤーは「より大きな効果を求めてリスクを取るか、リスクを避けてある程度の強化を確定させるか」という選択を求められることになる。
 これはスピードラン(早解き)やトレジャーハンティング(レアアイテム探し)などのやり込みプレイにもいい具合に噛んできて、「調子こいてFavor全振りでサクサク進めようとして、一気に全Favorスッてお通夜」なんてことも起こり得る。

 というわけで、スタイリッシュな2Dドット絵のアクションRPGとして、かなりイケてる感じの本作。開発しているロンドンのインディーデベロッパーEneme Entertainmentでは、ローカルでのPvPなどもテストしているものの、基本的にはまずシングルプレイのゲームとして完成度を高めていきたいとのこと。

※ファミ通.com特設サイト“E3 2015 記事まとめ”はこちら