闘争心を奮い立たせろ!

 バンダイナムコエンターテインメントより2015年6月11日に発売されたニンテンドー3DS用ソフト『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝』。本作は、『ドラゴンボールZ』を題材とした作品としては珍しい2D対戦格闘ゲーム。開発は、対戦格闘ゲーム『ブレイブルー』や『ギルティギア』シリーズを手掛けるアークシステムワークスが担当。プレイアブルとアシストを合せて総勢100名以上のキャラクターたちが熱戦をくり広げる作品だ。今回は、発売を記念して本作の開発スタッフのインタビューをお届けする。

『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝』開発スタッフインタビュー! 10年ぶりとなる『ドラゴンボール』2D対戦格闘が登場_04
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
平野真之氏(右)

アークシステムワークス
ディレクター
古谷亮輔氏(左)
『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝』開発スタッフインタビュー! 10年ぶりとなる『ドラゴンボール』2D対戦格闘が登場_01
『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝』開発スタッフインタビュー! 10年ぶりとなる『ドラゴンボール』2D対戦格闘が登場_02

――『ドラゴンボール』の2D対戦格闘ゲームとしては約10年ぶりとなります。今回のプロジェクトがスタートした経緯をお聞かせください。

平野真之氏(以下、平野) まずは、小学生がゲームとして遊んでくれるニンテンドー3DSの『ドラゴンボール』タイトルをしっかり作りたいというものがありました。これまでニンテンドー3DSでは『ドラゴンボールヒーローズ』シリーズを展開させていただいておりましたが、これはカードゲームをもとにしており、カードを使う妙……選択の妙というか、そういった戦略を重視したゲームでした。そこで今回は、『ドラゴンボール』らしいバトルや対戦を子どもたちに味わってほしいというところからプロジェクトが立ち上がりました。

――最近のアクションゲームは協力プレイ中心になっている現状がありますから、対戦ゲームをプレイしてほしいという想いもあったのでしょうか?

平野 はい。最近の子どもたちは、「対戦ゲームにあまり触れていないのでは?」と思っていました。僕らが子どものころは、ゲームセンターがそこら中にあって、みんなが対戦格闘ゲームをプレイしていたんですよね。でもいまは協力するゲームが多いですし、対戦ゲームをあまりプレイしていないと思うんですよ。だから、今回初めて対戦ゲームに触れる可能性もあるんです。実際に体験イベントでも対戦ゲームは初めてという小学生や中学生も多かったので、本作で対戦ゲームの魅力をイチから教えたいという思いもありました。

――その流れで、『ブレイブルー』や『ギルティギア』シリーズで対戦格闘ゲームのノウハウのあるアークシステムワークスさんに声をかけたのでしょうか?

平野 じつはアークシステムワークスさんには、ニンテンドーDSの『ドラゴンボールZ 舞空烈戦』のころに開発を手伝っていただいたことがあるんですよ。そういった実績があることに加え、対戦格闘ゲーム制作で定評のあるメーカーさんでもありますので、お声がけさせていただきました。また、アークシステムワークスさんの名前をしっかり出したほうがユーザーさんに注目していただけるのかと思い、お名前を前面にお出しさせていただきました。

――ファミ通.comで第1報を掲載させていただいたら、『ドラゴンボール』ファンだけではなく、対戦格闘ゲームファンからの反響もすごかったです。

古谷亮輔氏(以下、古谷) 第1報が出るころは開発が佳境に入った時期だったのですが、すごく反響があってビックリしました。そのなかで「『ブレイブルー』のような『ドラゴンボール』になるんじゃないか!?」という声も上がっていて、そこまでのものを期待されているのか……と、だいぶプレッシャーを感じました(笑)。実際には『ブレイブルー』ほどガチガチな格闘ゲームではなく、平野さんもおっしゃっていたように、誰でも楽しめるようなものになっています。とはいえ、大きく期待されていることがわかり、開発の後半はさらに気合いが入りました。

――新作映画が上映されて、7月からはテレビアニメもスタートする。ソフト発売のタイミングもすごくいいですよね。

平野 先日発売させていただいた『ドラゴンボール ゼノバース』と、今回の『ドラゴンボールZ 超究極武闘伝』でサンドイッチする形になっていますからね。それに本作は、劇場版で『ドラゴンボール』に触れてくれた人たちに届けるというのがいちばんの狙いですから。