最新公演はスチームパンク！ 衣装やセットにも注目
本日2015年6月10日（水）より、人気パーティーゲーム“人狼”をモチーフにした舞台“人狼TLPT #20:STEAM II 機巧人形と月の鉱石（いし）”が、池袋・シアターグリーン BIG TREE THEATERにて開幕。初回公演前に行われたゲネプロ公演の模様をリポート！
“人狼”とは、プレイヤーがそれぞれ人間と人間に化けた“人狼”に分かれて、正体を隠しながらそれぞれの正体を探るパーティーゲーム。プレイヤー内の協議で選ばれたひとりが処刑されていき、人間は人狼をすべて処刑すること、そして人狼側は、人狼と同じ人数まで人間を処刑することで勝利となる。人間と人狼の中にも“予言者”や“霊媒師”、“狂人”などの役職があり、基本的にゲームは協議や推理で進行。そのためルールこそシンプルながら、プレイヤーどうしの騙し合いや駆け引きがもっとも重要なカギとなる。
この『人狼』を舞台の上でエンターテインメントとして表現するのが“人狼 ザ・ライブプレイングシアター”。13名の役者がそれぞれのキャラクターを演じながら人狼ゲームを戦い、脚本なしのアドリブ（！）で物語を紡ぐ。そのため舞台の結末は人狼ゲームの結果により変化し、同じ物語は二度と生まれない。“観測者”として彼らのゲームに参加する観客は、“ライブ”ならではのスリリングな展開を楽しむことができる。
今回の“人狼TLPT #20:STEAM II 機巧人形と月の鉱石”は、機巧技術とロストテクノロジーの結晶“オートマトン”が人間とともに暮らす19世紀が舞台。ゲネプロ公演は物語の発端となる出来事がオープニングで描かれる“ビギニングステージ”なので、人類とオートマンのキャラクターたちが勢揃いしていた。このほかオートマンが世界を支配するバージョン、また人類が世界を支配するバージョンも用意されており、それぞれ異なる世界の物語、人狼ゲームが展開するという。
#20:STEAM II(人狼TLPT)プロモーションムービー
開演15分前には人狼ゲームのルールが解説されるので、初心者でも安心。ただし、ステージで展開するのは、熟練のキャストによるかなり高度な人狼ゲーム。ひと通りの予習をしていったほうが、より人狼ゲームの醍醐味を堪能できるだろう。
“ビギニング”バージョンでは、人類、そしてオートマンが人狼協定による裁定を迎えるに至った経緯が、華やかな歌やダンスも交えて展開する。衣装やセット、ヘアメイクはご覧の通りのスチームパンク的世界観。視覚的にも楽しく、こういった世界観が好きな人にはたまらないはず！
人狼協定に至るまでの物語が描かれると、いよいよお待ちかね、“脚本なし”の人狼ゲームパートへ。キャストは開演直前に6種類13枚のカードを引き、それぞれの役割を背負ってステージに現れる。ここで彼らが背負うのは、人狼ゲームにおける“役割”だけではない。ある者はオートマトンとして、またある者は人類として、直前まで描かれていた物語のキャラクターのままで人狼ゲームにチャレンジするのだ。ふつうにプレイするだけでもいっぱいいっぱいになってしまいそうなものだが、キャストはそれぞれ臨機応変に、キャラクターを演じながらゲームを進めていた（本当にスゴいです）。ちょっとした言い間違いや焦りまでもがリアルに伝わってくるのは、演劇、そして人狼ゲームならでは。果たして13名の中に紛れ込んでいる3匹の人狼は誰なのか、そして人間は彼らを処刑することができるのか――。手に汗握る攻防ながら、その展開はときに切なく、目頭が熱くなることも。ライブでしか味わえないこの興奮は、劇場でご確認を！
本公演では、開演前に解答用紙が配布され、キャストといっしょに“観測者”の立場から予想することができる。客席の正解者には記念品がプレゼントされるとのことなので、ぜひしっかりと予習して、本公演に臨んでほしい。一度足を踏み入れたなら、ふたたびあの世界観やキャラクターたちの物語を、キャストがくり広げるリアルな攻防を、体験したくなること請け合いだ。
■公演概要
◆公演名：人狼TLPT #20:STEAM II 機巧人形と月の鉱石（いし）
◆公演期間：2015年6月10日（水）～6月21日（日）
◆会場：東京・シアターグリーン BIG TREE THEATER
◆企画・総合プロデュース：桜庭未那
◆演出：吉谷光太郎
※舞台“人狼 ザ・ライブプレイングシアター”公式サイトはこちら
