【インタビュー】クリス・ウィリアムズ監督に聞く『ベイマックス』の魅力 日本人にこそ見てほしいシーンとは?

『ベイマックス』の監督を務めたひとり、クリス・ウィリアムズ氏にインタビュー。

●クリス・ウィリアムズ監督に聞くベイマックスの魅力

 昨年(2014年)、社会現象を起こした『アナと雪の女王』に続いて、興収90億円を突破する大ヒットとなったディズニーの『ベイマックス』が、MovieNEX(4000円[税抜])で発売中。最愛の兄タダシを事故で失い心に深い傷を負った、発明好きの天才少年ヒロと、タダシが発明したケア・ロボットのベイマックスとの心の絆を描いた感動アドベンチャーで、第87回アカデミー賞 長編アニメーション賞も受賞したメガヒット・エンターテイメント作品だ。

 そんな本作の監督を務めたひとり、クリス・ウィリアムズ氏に、インタビューを実施。ベイマックスを作り上げていった際のこだわりや、日本人にこそ見てほしいオススメのシーンなどを聞いた。

●ベイマックスは“抱きしめたくなるようなロボット”

──ベイマックスを作りあげる中で、こだわった所は?

クリス・ウィリアムズ氏(以下、クリス) ベイマックスをデザインするうえで重要なことは、ベイマックスがケア・ロボットだということ。デザインするには、まずは機能ありきだからね。だからケア・ロボットとして、持ち運びができて、患者を癒す、という機能が必要だったんだ。

──ケア・ロボットとしての機能を兼ね備えたデザインを目指したんですね。

クリス うん、そのことを念頭におきつつ、幅広くロボット工学を研究して、大学などの研究機関を訪ねたんだ。このときに、体の形を空気で膨らますことができるソフトロボットを見つけたんだけど、決定的な瞬間だったよ。言い換えると“抱きしめたくなるようなロボット”を見つけたんだ。これは、患者を癒すロボットの機能として、非常に重要なデザイン要素だったんだ。

●ベイマックスとヒロが、美しい夕空を眺めるシーンを観て欲しい

──日本人にこそ見て欲しい、オススメのシーンとその理由を教えてください。

クリス ヒロとベイマックスが街の上を飛ぶシーンでは建物がいろいろ出てくるけど、東京とサンフランシスコの建築やデザインを融合しようとしたんだ。この映画の設定は、僕たちが東京を訪問したときに影響を受けたものだから、日本のみなさんにはそのあたりを観てもらえたら面白いと思うよ。

──ほかに具体的なシーンはありますか?

クリス そうだね、日本のアニメーションを見ていて感銘を受けたことのひとつが、迫力のあるアクションシーンと、静かで心穏やかになるシーンとのバランスが絶妙なことだね。例えば、とても激しいシーンの後、静かなシーンになる瞬間に、観客はキャラクターに感情移入するんだ。

 だから、日本のみなさんには、ヒロとベイマックスの飛行シーンの後、街のはるか上空にある風力タービンに腰掛けて、美しい夕空を眺めるシーンを観て欲しいね。彼らふたりだけの、映画のなかでもっとも静寂を感じられるシーンなんだ。このシーンを観れば、ふたりに恋をすると思うよ。

●日本の『ガッチャマン』『もののけ姫』から刺激を受けた

──これまでに影響を受けた、日本のアニメーション作品は何ですか?

クリス 僕も、もうひとりの監督ドン・ホールも、ずっと日本のアニメーションから影響を受けていんだ。僕は幼いころに『ガッチャマン』を見ていて、デザインと、作品から感じるパワーに圧倒されて大好だったよ。とくにアクションシーンは素晴らしかったね。

──大人になってからはいかがですか ?

クリス 大学でアニメーションを勉強していたときに宮崎駿監督の作品を知ったんだ。『もののけ姫』は大好きな作品のひとつ。その壮大なスケールや宮崎さんの想像力、力強いメッセージは、信じられないくらい感動的だったね。世界観の完成度の高さと、ストーリーの説得力にすごく刺激を受けたんだ。

──ありがとうございました。

 ちなみに、ベイマックスの目は、日本の神社の鈴がモチーフになっているそうだ。『ベイマックス』は、日本のアニメーションに影響を受けた監督が、東京を想像させる架空の町を舞台にするほど、日本への愛とリスペクトが深く織り込まれた作品だ。

ベイマックス』MovieNEXは発売中&デジタル配信中

 
■クリス・ウィリアムズ監督 プロフィール
 1994年にインターンとしてフロリダのアニメーション・スタジオに加入したウィリアムズは、『ムーラン』(1998年)のストーリー・チームの主要メンバーとなった。『リロ&スティッチ』(2002年)ではストーリー・アーティストを務めているほか、『ラマになった王様』の執筆でアニー賞にノミネート。バイロン・ハワードと共同でウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオによるアカデミー賞ノミネート作品『ボルト』(2008)を監督した。
 それ以来ストーリー部門で働き続け、2012年の『シュガー・ラッシュ』と2013年のアカデミー賞受賞作品『アナと雪の女王』を手掛けている。



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