戦車ファン以外にも『World of Tanks』を好きになってもらいたい
ファミ通.comのようなゲームメディアの役割は、ゲームの魅力を読者に伝えることだ。なるべく広い層に新情報や興奮を届けたい。
たとえばWargaming.netが運営する『World of Tanks』(以下、『WoT』)。リアルな戦車戦に特化したオンライン3Dアクションということで、おもにミリタリーファンや対戦ゲーム好きに人気のタイトルである。
できれば、戦車に詳しくない人や対戦ゲームは難しそうと尻込みしている人にも興味を持ってもらいたい。そのためには真正面からではなく変則的なアプローチも重要だと思うのだ。
そこで、僕、ミス・ユースケが考える『WoT』の魅力を、そこまで戦車好きではない人にプレゼンしてみることにした。
声優・白石稔さんに戦車の魅力を伝える
プレゼン相手は声優の白石稔さん。ゲームやアニメは好きだが、戦車のことはあまり知らない。彼が興味を持てばプレゼンは成功と言える。ある種のモルモットだ。
今回の企画ではテーマ別に3つのプレゼン資料を用意した。白石さんの心境の変化を、
◇何となく戦車っていいね
↓
◇戦車が好きになった
↓
◇『WoT』を遊びたくなってきた
という流れに持っていく。白石さんはクラブでのDJ活動にはまっており、機材としてノートPCを買ったばかりらしいので、それを『WoT』専用機にしてやる。
上の写真の手前側のおふたりはウォーゲーミングジャパンのマーケティング担当者である。下手なことはできない。
プレゼン(1)戦車はキャッチーである
最初のテーマは“戦車のキャッチーさ”について。クルマやバイクなどと同じように、戦車は存在そのものがカッコいいアイコンなのだ。
クルマに興味がなくても、“クルマは何となくカッコいいもの”というイメージを持つ人は多いだろう。戦車だって同じであると強調したい。
そもそも戦車は敵の機関銃から歩兵を守るために誕生している。“敵を倒すため”ではなく“仲間を守るため”。だから、でかくて強くて優しい。理想の父親像のようではないか。
白石さんは一児の父なので、こういった話題には敏感なはず。戦車は暴力的な兵器ではないのだ。
戦車のいいイメージを刷り込んだところで、外見の素敵さやデザイン性に関わる要素を解説。ファッションやデザインのアイコンとしてもカッコいいのだ。
『WoT』の戦車画像で缶バッジを作ってみた。Tシャツやキャップなどのカジュアルな服装と合わせやすいので、これからのシーズンに活躍。自分の好きな戦車を身に着けることで、所有欲も満たせる。
『WoT』には期間限定で8bitモードが実装されたことがある。ドット絵風に表現された戦車で缶バッジを作ったら、原宿で売っていても違和感のない出来になった。きゃりーぱみゅぱみゅさん、これを衣装に採用してくれないだろうか。
これで白石さんに“戦車デザインを身に着ける”という発想が生まれたと思う。自分だけではなく家族にも勧めてもおかしくはない。
子々孫々なんてスケールの大きい言葉を使ったが、家族で同じアイテムを持つのはおかしなことではない。子どもがお父さんとお揃いの缶バッジを身に着けるなんて、すごく微笑ましい光景じゃないか。
自分でも展開が強引な気がしていたので、フォントを大きくして押し切った。文字がでかいとそれだけで説得力が増す。
代々に渡って受け継ぐアイコンと言えば家紋である。この家紋の制作は、音楽ユニット・湘南乃風の家紋風ロゴを作ったWAZAMONO-GRAPHICSさんにお願いした。
家紋っぽく作るだけなら普通のデザイナーさんでもできると思うが、きちんと家紋の様式美を盛り込みたかったので専門家に依頼したのだ。「重々しくならないように適度にポップにしてください」と、ひと言を添えて。
この戦車家紋は“隅切リ鉄砲角”という実在する家紋をベースにしている。金属的なカクカクがいい感じだ。なお、照準で狙われているのでこの戦車は敵である。
家紋なら子孫に語り継いでも違和感はないし、何ならお墓に彫り込んでもいい。印籠に刻んで諸国漫遊時にお供に持たせるのもありだ。用途がぐっと広がる。
戦車家紋の缶バッジもかわいい。アクリル彫刻はインテリアとしても使えそうだ。上品なマダムなら「あら素敵ねぇ」と言ってくれるに違いない。
「戦車は何となくかっこいい」、「よく見たらおしゃれっぽいかも」。戦車が好きな気持ちはこれくらいライトでいいのだ。そういう人にも遊んでもらい、『WoT』をきっかけにより深く戦車を好きになってもらえたらうれしい。
つぎのステップで、白石さんにはもっと戦車を好きになってもらう。ぐらぐら揺れる白石さんの心を別方面から攻めてやるぜ。