モノリスソフトが手掛けるオープンワールドRPG
2015年4月29日に発売予定の新作Wii U用ソフト『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』。広大なフィールドを自由に探索していくオープンワールドタイプのRPGで、舞台となる未開の惑星ミラには数多くの原生生物が棲息。昼夜や天候の変化で、世界はさまざまな表情を見せる。
バトルの基本的な部分は前作『ゼノブレイド』を踏襲しており、オートアタックを行いつつアーツ(技)を使っていく点や、セリフが飛び交う賑やかな戦い(前作の経験者にはわかるはず)は健在。さらに、仲間の呼び掛けに対応したアーツを使うとさまざまな効果が得られる“ソウルボイス”や、テンションポイント(TP)を消費して一定時間、戦闘能力を向上させる“オーバークロックギア”などが追加され、さらに洗練されたバトルを楽しめるようになっている。


ストーリーは前作の『ゼノブレイド』とつながりはないため、前作の予備知識なしで『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』をプレイしても、存分に楽しめる作りになっている。
今回は、週刊ファミ通にて本作の攻略を担当したライター、バーボン津川によるプレイインプレッッションをお届けする。
シームレスを実現した広大なフィールド
皆さん、こんにちは。週刊ファミ通で『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』の攻略を担当した、ライターのバーボン津川です。自分はオンラインゲームを担当することが多いので、大ボリュームのゲームには慣れっこですが、担当編集から「これは相当骨太だぞ」と渡されたタイトルが本作です。そんなわけで、編集部に連日泊まり込んでガッツリとプレイさせていただきました。そのプレイで感じた本作の魅力をピックアップしていきたいと思います!


ゲームをプレイし始めて、まず感じたのがフィールドがとにかく広いということ。最初、自分は“シームレス(フィールドを移動する際、暗転などの操作不能な時間がないこと)”には半信半疑でした。なにせ、ディスクで動作するゲーム(※編注)ですからね。たとえば、移動はシームレスだけど、フィールド全体のサイズは抑えられているのではないかと思っていたのです。しかし、実際に歩き回ってみると、MMO(多人数同時参加型オンライン)RPGでもなかなかお目にかかれないレベルで広い。もちろん、ただ広いだけでなく、巨大な滝があったり、謎の遺跡物があったりと、ランドマーク(目印)となるものが随所に配置されているので、“冒険をしている”という感覚が存分に味わえます。
※編注……本作は、ディスク版(パッケージ版)の購入者向けに、ロード高速化パックを無料で配信している。必要なデータの一部をWii U本体にインストールすることで、ゲーム中のロード時間を短縮できる。もちろん、ディスクのみでもプレイは可能だ。
なお、フィールドは5つの大陸に分かれていて、大陸ごとに景観はガラリと変わります。まさに、世界旅行のような気分でフィールドを駆け巡るのも本当に楽しいです。




そして、フィールドを自由に動き回れるのも、本作の魅力のひとつです。一見すると断崖絶壁のような場所でも、小さい足場をジャンプしてたどっていけば登れるようになっていたり、道なき道をジャンプで駆け上がったり。クライマー気分を味わうのもなかなかに楽しいものです(笑)。

大陸によっては入り組んだ地形になっていて、移動がたいへんですが、一度訪れた場所なら、Wii U GamePadに表示されるセグメントマップの“スキップトラベル”という機能を活用して、一瞬でワープできます。フィールドの特定の場所や、NLAに一瞬で移動できるので、スムーズな冒険が楽しめるというわけです。

惑星ミラのフィールド上には、原生生物を始めとするエネミー(敵)がうようよしているわけですが、拠点であるNLAの近くでとんでもなく高レベルな原生生物が徘徊していたりと、かなりサバイバルな状態になっています。序盤は原生生物からの逃げかたを知らず、よく足止めを食らっていましたが、「やばい敵には近づくな」と学習してからは、風景の一部として楽しめるようになりました。そんな原生生物たちを観察していると、高台に上って獲物を物色するものもいれば、つねに群れで行動するものもいたりと、それぞれに習性のようなものが感じられます。こうした、細部の設定によって“生きた世界”を演出するのは、さすがモノリスソフトの仕事、といったところでしょう。

また、広大なフィールドには、コレクションアイテムというものが落ちています。これは、武器や防具の製作に必要となる素材なのですが、ときにはクエストでこのコレクションアイテムを要求されることもあります。
コレクションアイテムはフィールドのいたる場所に落ちていますが、獲得できるアイテムにはエリアごとに傾向があり、特定のコレクションアイテムを探すのになかなか骨が折れることも。自分はアイテム探しに相当苦労しましたが、オンラインに接続すればほかのプレイヤーとコレクションアイテムの位置情報などを交換しながらゲームを進められるので、ぜひオンラインに接続することをオススメします。


アーツを習得するごとに楽しさが増していく戦闘
バトルシステムはいたってシンプルで、基本的には抜刀することで自動でくり出されるオートアタックと、いわゆる必殺技のような“アーツ”のふたつの攻撃で敵にダメージを与えていきます。アーツは、一度使用するとリキャスト(再使用までの待機時間)状態になるため、連発はできません。使えるアーツの種類が少ない序盤は攻め手にも限りがあるため、ゆったりとアーツを選択できますが、習得したアーツが増えていくにつれて、攻撃の組み立てをつぎつぎと判断していくことになるため、より忙しく、そして楽しいものになっていきます。

アーツによっては側面から使用したときに効果がアップするものや、別のアーツから続けて使用すると追加効果が発生するものなどがあるため、アーツの使用するタイミングや順番が重要になってきます。もちろん、単純にリキャストごとにアーツを使ってもいいのですが、効果的にダメージを与えるために、どのようにアーツを使うかを考える必要があるんです。


また、戦闘中に特定の状況になると“ソウルボイス”が発生。このときに、仲間のセリフに対応したアーツを使えばソウルボイス成立となり、さまざまな恩恵が得られます。そのひとつとして、パーティメンバーのHPを回復するというものがありますが、HPの回復を専門とするキャラクターが存在しない本作では、このソウルボイス成立でのHP回復は超重要。そのため、なるべくソウルボイスを成立させられるよう、ソウルボイス発生時にアーツがリキャスト状態になっていないように温存しておく必要があるのです。

前述の効果に加え、ソウルボイスのことも考慮すると、アーツのタイミングが重要ということがわかります。ザコ敵との戦いならそこまで深く考えなくてもいいのですが、ボス戦はわりと難度が高いので、これらを踏まえた戦いかたをしなくては勝利することは難しいかもしれません。とはいえ、RPGの華はやはりバトルです。歯応えのあるバトルじゃないと、楽しくないですしね(笑)。
ちなみに、同じボスバトルで何度も敗北すると、そのバトルだけ難度を下げられる仕組みになっています。物語の展開に変化はないので、どうしても勝てないという人はこの機能を活用しましょう!
ゲームを進めていくことで、“オーバークロックギア”という大技を使えるようになります。これは、オートアタックをすることで溜まるテンションポイント(TP)を3000消費して発動し、一時的に能力を飛躍的に上昇させるというもの。効果中はアーツのリキャストが短くなるので、一気に敵にダメージを与えられるのです。発動中は一気に戦闘のスピード感が上がるので、非常に爽快。TPを3000溜めるのにはなかなか時間がかかりますが、ここぞというときに役立ちます。
強さとカッコよさを兼ね備える巨大ロボット“ドール”
ストーリーの第6章をクリアーすると、ドールライセンス認定試験のクエストが発生します。これに合格してライセンスを手に入れると、巨大ロボットの“ドール”に搭乗できるようになります。ドールは、まさに王道の2足歩行ロボットという感じで、メカ好きな男の子の心にザクザク刺さるデザインに仕上がっています。このあたりも、モノリスソフトのお家芸の部分ですね。


ドールは人間の何倍もの大きさがある兵器で、人型と車両というふたつの形態を自在に切り換えられるようになっています。車両時は移動速度が速く、一気にマップの探索がスムーズになります。
ちなみに、ドールにはさまざまな機体シリーズが用意されています。シリーズごとに機体のデザインが異なるのはもちろんのこと、車両の形も変わります。

機動力だけでなく、戦闘能力もケタ違いのドール。とにかく性能が高くて、これまで苦戦を強いられてきた敵を圧倒できます。基本的なバトルの流れは、キャラクター生身のときと同じです。初めてドールに乗って戦ったときは、「これに乗っていればどんな敵でも倒せる!」と思えるほど、生身との戦力の違いに驚かされました(まあ、当然ですよね……)。もちろん、その後に高レベルの超巨大な敵にバトルを挑み、大破させられましたが……(苦笑)。


なお、ゲームを進めていくとドールにフライトユニットが取り付けられるようになり、空を自由に飛び回ることができるようになります。この状態になれば、ジャンプだけではたどり着けなかった高所や、渓谷にそびえ立つ孤島に行けるようになり、フィールド上のほぼすべての場所を探索できるようになります。ぜひともフィールドを隅々まで飛び回り、探索していただきたいところ。

さて、今回のインプレッションで触れたのは、本作の基本となる部分のみです。このほかにも、メインストーリーとは別に水平方向に広がる多種多様なクエストや、他者と“ゆるく”つながるオンライン要素、そして気の知れた仲間4人で挑むオンラインクエストなど、ディープな遊びがまだまだ盛り込まれています。正直、いくら時間があっても遊び足りなさそうです。個人的には、オンラインRPG以外でこれほどのボリュームのRPGはひさびさという感じがしました。本当にガチなRPGなので、シリーズファンだけでなく、RPGファンにもぜひプレイしてもらいたいですね。



