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『WoT』は難しいゲームではない!

 リアルな戦車戦を楽しめるオンライン戦車アクション『World of Tanks』(以下、WoT)。戦闘の迫力や戦略性の高さなど、見どころの多い本作ではあるが、何となくハードコアなイメージを抱き、プレイをためらっている人もいるかもしれない。いやいや、そうじゃない。本作にはカジュアルに遊べる要素もたくさん詰まっているのだ。

 誤解を解くために、『WoT』や戦車、ゲーム全般を愛するメンバーを招集して座談会を実施。多方面から『WoT』の魅力に迫ってみたら、意外な実像が見えてきた!?

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▲全世界9000万人以上がプレイする『World of Tanks』。本作が気軽に遊べるゲームであることを訴求していきたい。

【座談会参加者(敬称略)】

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★中村桜
戦車や模型を愛する声優。戦車を使った武道“戦車道”にまい進する少女たちを描いたアニメ『ガールズ&パンツァー』には佐々木あけび役として出演。
★ゆずっこ
ニコニコ動画などに『WoT』動画を投稿しているプレイヤー。東京ゲームショウ2014のステージイベントでミス・ユースケと共演したことがきっかけで座談会に参加。
★ブンブン丸
ゲームライター。格闘ゲームや対戦ゲームはもちろん、大半のジャンルを幅広く遊んでいる。
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★ミス・ユースケ
ファミ通の『WoT』担当者。
▲座談会、めちゃくちゃ盛り上がりました。

夜な夜なゲラゲラ笑いながらプレイ

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ユースケ まずはド定番の話題からいきましょう。みなさんが『WoT』を知ったきっかけを教えてください。

ブンブン丸 俺は知り合いきっかけですね。“顔TV”っていうネット番組経由で遊ぶようになりました。『WoT』自体は前から「無料でかなり遊べる」という噂を聞いて気になってたんで。PCオンラインゲームでよくある「友だちがやってたから、俺もやってみるわ」みたいな、そういうつながりです。

ユースケ ブンブン丸さんみたいなタイプは多いですよね。PC系はとくに。その流れで、東京ゲームショウ2013では『WoT』のステージにも出演されてましたね。

ブンブン丸 あの頃がいちばんやってたんじゃないかな。夜な夜な知り合いとボイスチャットをつなげて。『WoT』って散り際がいいじゃないですか。

ユースケ 散り際? いきなり変化球から来ましたね。

ブンブン丸 知り合いとやってると、戦車が爆散する瞬間に何だかゲラゲラ笑えたんですよ。すごい勢いで稜線沿いをキュルキュル走ってるやつがバーン! って弾けるのがすごく好きだったんです。

一同 笑

ブンブン丸 毎晩そんな感じで遊んでました。

中村桜 私は“ガールズ&パンツァー”(以下、ガルパン)というアニメに関わらせていただいたのがきっかけです。そのときに、マンガ家の小林源文先生がご自分で出されている本の、インタビュー依頼があったんです。源文先生との雑談で「『WoT』って知ってる?」って聞かれて。それは日本でのサービスが始まる前だったんですけど、源文先生はその時点ですでにやり込んでいたみたいで。

ユースケ 源文先生ってNA(北米)サーバーでずっとやられていたんですよね。

中村桜 そのときに勧めていただいて始めたんです。なので、じつは私のメインアカウントはNAサーバーなんですよ。

ユースケ そっか。当時から遊んでるんですもんね。

ゆずっこ 自分は、ミリタリー関係にはまったく興味がなかったんです。友だちから「ガルパンっていうアニメがものすごくおもしろいよ」と話を聞いて、見たら思いのほかハマってしまって。

中村桜 それはありがとうございます!

ゆずっこ いえいえ、こちらこそありがとうございます。

ユースケ なんですか、この感じは(笑)。

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ゆずっこ いやぁ、すごく緊張してるんです。その頃に『WoT』とガルパンのコラボが発表されて、「ガルパンが関係あるなら試しにやってみるかー」みたいな。その頃はオンラインゲームはまったく遊んでなかったんですけど、やってみたら、まさかここまでハマるなんて。

ブンブン丸 すごいですね。完全にウォーゲーミングさんの狙い通りじゃないですか。こんなプレイヤーばっかりだったらいいのに。

一同 笑

ユースケ コラボ企画で『WoT』を知って、ゲーム自体を楽しんでいて、自分で動画の配信をして魅力を拡散している。僕らが考えるプレイヤーの理想形がこんなところに。

ゆずっこ ガルパンって戦車の描写が細かいから製作スタッフさんのこだわりを感じますよね。ガルパンを好きになって、そこから『WoT』を知って、その後にミリタリー系のほかのゲームも遊ぶようになりました。

ブンブン丸 もはやサンプルですよ、サンプル。

ユースケ てっきり、もともとミリタリー好きの素養があったんだと思ってました。順番的に逆だったんですね。

ゆずっこ ガルパンの映画も5回くらい見に行きました。

中村桜 おおお、すご~い。

ゆずっこ 履帯(※)の動きとかも細かくてかっこいいですよね。

(※履帯:戦車の足回りのこと。世間的に言われる“キャタピラー”は、米キャタピラー社の登録商標)

ユースケ ミリタリーに興味がなかった人の言葉とは思えないですね。座談会の冒頭から、何だか軽く感動してます。

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いろいろな遊びかたができる『WoT』の魅力

ユースケ ふたつ目の話題は、『WoT』や戦車の好きな部分と魅力について。みなさんはどんなときに楽しさを感じますか? ブンブン丸さんは先ほど軽く言ってましたけど。

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ブンブン丸 “知り合いと遊ぶと楽しい”というのはもちろんで、ゲームの中身の部分だと、FPSとかのほかの対戦もののジャンルと比べてゆるいじゃないですか。ガチで突き詰めて上を目指す場合はまた別だと思うんですけど。

ユースケ ほうほう。

ブンブン丸 すごい反射神経がいるわけではなくて、どっちかというと思考することのほうが重要だと思うんですよね。ふだんアクションとかシューティングをやらない人でもやりやすいというか。

ユースケ 僕もそう思います。けっこうお年を召されたプレイヤーも多いんですよね。

ブンブン丸 ストイックに勝ちを狙ってもいいし、友だちとだらだらしゃべりながら遊んでもいい。だらだらってのは、いい意味で、ですよ(笑)。

中村桜 私は戦車を見るのが好きなんです。ガレージでアップにして、いろんな角度から見るだけでニヤニヤしちゃいます。ガレージを見ながら模型を作ったりもしますね。写真資料だとアップにできないし、細かいところが分からないんですよ。

ゆずっこ 3Dモデルを見る感じなんですね。立体で確認するかーみたいな。

中村桜 資料としても便利なんですよ。いまはスマホの『World of Tanks Blitz』(以下、WoT Blitz)をメインでやってるんですけど、1回のプレイがさくっと終わりますよね。10分もあればけっこう遊べるし、操作も直感的だから。ゲームに慣れてない人でも遊びやすいところが魅力だと思います。

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▲戦車を集めるコレクション要素もあり。ガレージで所有車両をいろいろな角度から鑑賞できる。

ユースケ 模型雑誌の関係者さんからも『WoT』で色の塗りかたを研究していると聞いたことがあります。ヨーロッパのほうでは『WoT』内で戦車に貼るデカールを戦車模型といっしょに販売したりしているんですよね。

中村桜 そんなのあるんですか? へぇー。日本でもやってほしい・・・。

ユースケ やっぱ桜さんはこういう話に食いつきますね。ミリタリーファンの中には自分の好きなデカールやワッペンを貼ってカスタムする文化があるから、そういうの『WoT』でもどんどんやってほしいなぁ。

ブンブン丸 デカールだったら、やれなくはなさそうだよね。版権元から許可さえ取れれば。

ユースケ ゲーム内のデカールをリアルで自作して戦車模型に貼ったりしたい。

ゆずっこ PCの中からそのまま持ってきた、みたいな。かっこいいー。

中村桜 そういう愛機を、ぜひ模型部に持ってきてほしいです。見たい!

ユースケ 補足しておくと、“模型部”とはみんなでプラモデルを作るオフラインイベントです。貸し会議室なんかに好きなプラモを持参して。

ブンブン丸 あー、なるほど。楽しく素組みしようよ! バリ取ろうぜ! みたいな。

中村桜 部屋の隅にPCも置いてあるんですよね。疲れたら休憩がてら『WoT』をやって。模型部はほかのユーザーさんと交流しやすいのがいいですよね。ステージを見るイベントだと、見たら帰る流れになりますけど、模型部は6人ひと組くらいの机で作るので、自然と雑談できるんですよ。お子さんを連れてきた方もいましたよね。

ゆずっこ 親子でイベントに参加してプラモを作るんですか? そういうの何かいいですね。

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▲第1回 模型部の様子。

ユースケ 僕が見に行ったときは、お子さんがテンション上がっちゃったらしく、履帯のパーツをちぎってました。

一同 笑

中村桜 履帯切り(※)は『WoT』でお願いします、みたいな。

(※履帯切り:履帯を撃って破損させ、敵の動きを止めるテクニック)

ゆずっこ 戦車を壊す快感に目覚めたら、ぜひ『WoT』もやってほしいですよ。

ブンブン丸 履帯を切ることに興奮を覚えちゃったらどうしよう(笑)。いや大事だけどね、履帯切り。

ユースケ ゆずっこさんはどうですか?

ゆずっこ 自分はFPS系がすごく苦手なんですよ。敵を見つけても瞬時に撃てなくて。『WoT』はゆったりしているので、わりとアバウトにやっても何とかなるのがいいところかなーと。

ユースケ ブンブン丸さんが言っていた内容に通ずるものがありますね。

ゆずっこ “考えるのが楽しい”というのはよく分かります。自分は動きの速い軽戦車(※)が好きなんですけど、茂みに隠れて敵を発見して仲間から撃ってもらうことが多いじゃないですか。なので、「前回はこの茂みはダメだったから、こっちに隠れよう」とか、「ここの茂みだと敵に見つかるから一歩引こう」とか、ストラテジー的に遊べるのがおもしろいですよね。TPSというよりシミュレーションみたいな感覚で楽しんでます。

(※軽戦車:戦車の種別。『WoT』には5タイプの車種が登場する)

<車両のタイプ>
軽戦車 :スピードを重視し、偵察を得意とするタイプが多い
中戦車 :スピードや攻撃、防御のバランスが良好
重戦車 :攻撃力と防御力に優れるが、スピードは遅め
駆逐戦車:遠距離からの狙撃を得意とする車両
自走砲 :超長距離から砲弾を山なりに放つ後方支援型

ブンブン丸 そっちのほうが比重がでかい気がしますよね。FPSはプレイヤーのハンドスキルと戦術は6:4くらいに感じるけど、『WoT』は逆かな。

ユースケ 「FPSは好きだけど苦手」という人は多いと思うんです。そういう人には一度『WoT』を遊んでほしいです。個人技が苦手でも、戦いかたしだいである程度は溝を埋められるし。上を目指したい人は戦略や戦術を研究して国際大会(※)にも挑戦してほしいです。

(※国際大会:大規模な国際大会も定期的に開催されている。最高峰の“Wargaming.net League”ともなると賞金総額は数千万円クラスで、億を超えることも)

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ユースケ めちゃくちゃ宣伝っぽいコメントしちゃった。

ブンブン丸 いやいや大丈夫。実際、ハードに見えてライトな人も楽しめるゲームだと思いますよ。

中村桜 戦車の知識も役立ちますよね。各車両の装甲厚とか、この角度なら敵の弾を弾けるとか。

ブンブン丸 撃ち合う前の仕込みが7~8割を占めるくらい重要ですよね。接近戦が得意なら、そこに持ち込むための戦術もある。マップの知識にしても、戦車の特性を活かした動きにしても、気づいた瞬間に急に勝てるようになるじゃないですか。その辺がほかのゲームの感覚とは少し違うかな。

ユースケ 『WoT』って情報や戦略を蓄積しやすいんですよね。

ブンブン丸 ここダメなんだとか、ここは強いなとか。試合をしていくうちにどんどん分かっていく。で、たまに「うわ騙された! こんなところ二度と来ねえぞ!」って後悔するんだよ。

ユースケ 「そこには絶対行かねー!」と思うんだけど、相手がうまいとおびき寄せられちゃうんですよね。

ブンブン丸 そうそう。で、バーン! と爆散するんだよねー(笑)。

中村桜 ユースケさんはどういう部分が好きなんですか?

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ユースケ “何でもあり”なところです。『WoT』のイベントやキャンペーンって変わってるじゃないですか。ほかのメーカーさんは模型部なんて絶対やらないでしょ。見ていて単純におもしろいなーと。個人的に思い出深いのはミリタリートークライブ(2014年12月開催)ですね。

中村桜 私もMCとして参加させていただいて、楽しかったです。

ユースケ 「どうしたら『WoT』ファンを増やせるか」みたいなテーマを話したんですけど、ネタをお任せにしてもらって、超やりやすかったです。ふつうは「企画書をください」なんて言われると思うんですよね。でも、そう言われると説明のめんどくささに負けちゃうんですよ、僕。だって「戦車の技術ツリーを鉄道路線図っぽくしたら面白い」なんて企画書に書けないですから。

中村桜 台本にも「ユースケさんの話題を中心に話す」くらいしか書いてありませんでした。

ユースケ 当然、変な企画ばっかりやっててもダメですけど。ゲーム内のイベントとか直接的にユーザーの利につながるキャンペーンをしっかりやりつつ、たまに変化球にも手を出してくれるのが魅力的ですね。

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 ミリタリートークライブの詳細はこちらの記事をどうぞ。

※戦車で打線を組み、路線図を作ったらウケた『World of Tanks』