世界の第一線で活躍するスタッフ・キャストが集結!
2003年より、『週刊少年ジャンプ』にて連載されていたコミック『DEATH NOTE』(原作:大場つぐみ氏/マンガ:小畑健氏)。世界累計発行部数は3000万部を超え、実写版映画も制作された本作が、2015年4月より、『デスノート The Musical』として世界初のミュージカル化を果たす。公演に先駆けて、本日3月16日、都内にて報道陣に向けた楽曲披露イベントが披露された。
本作『デスノート The Musical』を、単なるマンガの舞台化と思うなかれ! 演出を手掛ける栗山民也氏は、『オセロー』、『かもめ』、『スリル・ミー』などを手掛けてきた日本を代表する演出家。そして音楽を担当するフランク・ワイルドホーン氏は、『ジキル&ハイド』、『シラノ』など本場ブロードウェイ(!)で活躍する作曲家と、かなりの“本気印”が感じられる作品なのだ。もちろんキャストも超豪華で、主演・夜神月(ライト)役に浦井健治さん・柿澤勇人さん(Wキャスト)、L役に小池徹平さん、死神リューク役に吉田鋼太郎さん、死神レム役に濱田めぐみさん、そして夜神総一郎役には映画と同役での出演となる鹿賀丈史さん……と、主役級の顔ぶれが勢揃いしている。そんな本格派キャスト・スタッフが集結した『デスノート The Musical』は、世界初演の新作ミュージカル。まさに「日本から世界へ」を体現する期待作だ。
報道陣向けに開催された今回の楽曲披露イベントには、キャストから浦井健治、柿澤勇人さん、小池徹平さん、濱田めぐみさん、唯月ふうかさん(弥海砂役)らが登場。4月6日の開幕を前に、メイン曲5曲がお披露目された。
1曲目は、高校生の夜神月が“デスノート”を拾い、犯罪者の名前を初めて記す冒頭のシーンから。ここでは作中のワンシーンに加えて、『できるものなら』~メインナンバー『デスノート』が披露。浦井さん、柿澤さんが、それぞれ圧倒の歌声で熱唱した。
続いては、月こと“キラ”を崇拝するトップアイドルのミサが、コンサートで『恋する覚悟』を歌い踊るシーン。月とともにコンサートを観に来た死神リュークが舞台上に乱入するも、その姿はデスノートの持ち主である月にしか見えず……というシーンで、リューク役の吉田鋼太郎さんも登場。セリフこそないものの、独特の存在感で早くもリュークのシニカルな魅力を体現していた。
そしていよいよ、月と彼の前に立ちはだかるLが対面を果たす、入学式のシーン。ここでは浦井さんと小池さんが、『死のゲーム』を披露した。
4曲目は、死神レムがミサを思って歌い上げる『愚かな愛』。ワンフレーズのみの披露ながら、濱田さんが歌い上げる壮大なバラードは、思わず涙がこみ上げてくるほどの慈愛にあふれていた。
最後は、1幕ラストの群衆による『正義はどこに リプライズ』。キラを神と崇める群衆とキラ、そしてLが、それぞれに“正義とは何か”を歌い上げる大迫力のナンバーだ。稽古場がビリビリと震えるような歌声は圧巻! ぜひ劇場で体感してほしい。
楽曲披露後には、浦井さん、柿澤さん、小池さんが取材に応じ、本作に賭ける思いを語っていた。
――完全新作ミュージカルならではの苦労はありますか。
浦井 ワイルドホーンさん(作曲家のフランク・ワイルドホーン氏)が「オリジナルキャストの誇りを持って取り組んでほしい」とおっしゃっていたので、そういう気持ちでみんなで挑んでいます。
柿澤 いま浦井くんが言ってくれたように、ワイルドホーンさんが「ブロードウェイ俳優はオリジナルキャストになることを夢見て努力している」とおっしゃっていました。この世界初演のオリジナルプロダクションを成功させれば、世界各国で上演されるかもしれないということで、誇りを持って、自信を持って、クリエイターの皆さんを信じてやっていきたいと思います。
小池 原作、アニメ、映画がある中でのミュージカル化ということで、試行錯誤しながら、新しい楽曲に戸惑いながら、日々を重ねるうちに、少しずつ形になってきて「こういう感じなんだな」という方向性がみんなの中でも見え始めました。がんばるしかないなという気持ちなので、このキャストでがんばりたいと思います。
――とくに浦井さん、柿澤さんは多数のミュージカルに出演されていますが、現代日本を舞台にしているからこその苦労や大変なことは?
浦井 歌詞に“ハチ公”や“渋谷の交差点”なども出てくるんですけど、実際のそういう景色を見ると、「これは誰にでも起こりうる状況なんだな」という錯覚に陥るくらい、すごく身近に感じました。ふつうの若者である月がどう堕ちて、どう狂気じみてしまったか……誰にでも起こりうる状況は、(舞台が)ふつうであればあるほど痛々しく恐ろしいんだなと考えさせられます。
柿澤 日本が舞台のミュージカルは本当に珍しいと思います。ミュージカルは海外の作品を翻訳して上演する場合が多いので、身振り手振りでリアクションを取ってもそれが通用する部分があるんですが、日本人の学生の場合、あまり身振り手振りはしないですよね(笑)。なので、いい意味で曲に流されず演じたいです。いまの若者や現代人が見ても突き刺さるメッセージがたくさんあると思うので、そこを観ていただきたいなと思います。
――それぞれが演じるキャラクターの魅力や、演じる上で注意していることを教えてください。
浦井 自分は原作の大ファンなので、稽古初期にはどうしてもイメージがありました。ただ栗山さん(演出・栗山民也氏)がズバッと「そのイメージはすべて要らないから、いま目の前で起きていることに対応して、新しい月を作れ」と言ってくださいました。イメージがあればあるほどそれに振り回される感も否めませんが、稽古を重ねて着地点が具体的に見えてきたかなという座組みの中で、役が肌になじんで、身近に感じられてきました。月という役がとても哀しい人物に見えてきたので、そういうヒリヒリした痛々しさを出していけたらと考えています。
柿澤 僕がいちばん大事にしたいと思うのは、月がふつうの少年であったことです。それがデスノートを拾ったことで心が揺れて、悪になってしまう。ふつうの少年がどんどん変わっていく、その怖さをうまく表せたら。“ふつう”の感覚を忘れないようにしたいと思います。
小池 Lという人気キャラクターをやらせていただいて、栗山さんからも「徹平独自のLを作っていけばいい」と優しくご指導いただきました。自分もだいぶLになじんできたかなという感覚もありますし、芝居中もいろいろなことを考えています。ずっとLのことを考えていて、ふだんはあまり(役を)引きずらないんですけど、私生活も「結構暗いな、俺」って(笑)。部屋の電気もいつもより暗めだなと(笑)。そのくらい、いい具合に役と向き合えているので、がんばります。
――最後に、本公演へ向けた意気込みをお聞かせください。
浦井 この座組みで、このカンパニーで『デスノート The Musical』を世界初演で上演することを、とても誇りに、幸せに思っています。アットホームで、オンとオフの切り替えがうまい現場で、それが舞台上でも緩急という形でお芝居に出てくると思います。とくにWキャストの柿澤くんとは本当に親しくしてもらって、対決するLの徹平くんとも目で対話できるようになってきているので、そういうところで信頼を寄せながら、リュークこと吉田さんに食われないようにがんばりたいと思います(笑)。
柿澤 舞台版ならではのデスノートを世界初演で成功させたいです。原作の持つメッセージはもちろん、いまこの世の中に訴えられるメッセージもたくさん含んでいますので、まずは東京・日生劇場で成功させて、『デスノート』のエネルギーを東京中にぶちまけたいなと思います。
小池 僕はこのベテランふたりに囲まれて、本当に安心しきっています(笑)。安定感のあるふたりなので、任せています! やれることをしっかりやって、どんどんよくなってきていると思うので、本番を楽しみにしていただけたら。『デスノート The Musical』をどうぞよろしくお願いします。
■『デスノート The Musical』公演概要
◆公演期間:2015年4月6日(月)~4月29日(水・祝)
◆会場:東京・日生劇場
◆チケット料金(全席指定・税込):S席 13000円/A席 9000円/B席 4000円
※大阪(5月15日~17日)、名古屋(5月23日~24日)、韓国(6月~8月予定)公演あり
<スタッフ>
音楽:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ジャック・マーフィー
脚本:アイヴァン・メンチェル
翻訳:徐賀世子
訳詞:高橋亜子
演出:栗山民也
音楽監督:ジェイソン・ホーランド
音楽監督・指揮:塩田明弘
美術:二村周作
照明:勝柴次朗
音響:山本浩一
衣裳:有村淳
ヘアメイク:鎌田直樹
映像:上田大樹
振付:田井中智子
歌唱指導:ちあきしん
演出助手:豊田めぐみ
舞台監督:加藤高
<あらすじ>
「このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」。死神リュークが落とした“デスノート”を拾ったのは、成績優秀な高校生・夜神月であった。半信半疑ながらおそる恐るそのノートを使った月は、実際に人の死を目の当たりにし、恐怖を覚える。しかし、自分が理想とする社会を作るため、デスノートを使って凶悪犯を粛清していく決心を固める。一方、犯罪者が次々と死んでいく不可解な事件を解決するため、世界の迷宮入り事件を解決してきた“L”という謎の人物が動き出す。テレビを通じ、「犯人を絶対に捕まえる」と宣言したL。そして、その挑戦を受けた月。ここからふたりの壮絶な戦いが始まっていく……。