『Bloodborne(ブラッドボーン)』ディレクター、フロム・ソフトウェア宮崎英高氏が語る開発中の“貴重な経験”とは?

2015年3月12日に都内で開催された『Bloodborne(ブラッドボーン)』完成発表会。会場にて、ディレクターを務めるフロム・ソフトウェアの宮崎英高氏にインタビューを敢行。短時間ながら話をうかがえたので、その模様をお届けしよう。

●社長業とディレクター業を両立させていく。そこはずっとそうでありたい。

▲フロム・ソフトウェア
『Bloodborne(ブラッドボーン)』ディレクター
宮崎英高氏(文中は宮崎)

──『Bloodborne(ブラッドボーン)』完成、おめでとうございます。まずはいまの率直な感想をお聞かせください。

宮崎 ユーザーさんに作ったものを遊んでもらえるということを楽しみにしている、というのが3割くらい。あとの7割はいろいろな意味で戦々恐々としています(笑)。これは毎回そうですね。いままでずっと変わらない。この時期がいちばん苦手なんです(笑)。怖い、何が起こるかわからないという。マスターアップはしていて、発売前……。このタイミングの不安定さたるや、本当に苦手です。マスター前であればやれることがありますし、発売後は問題があっても対応ができますけれども、このタイミングは何もできない。ですので、感想と言われると楽しんでほしいという部分と、漠然とした怖さのようなものが入り混じっていて……というのが正直なところです。本当であれば「自信満々です」と答えるところなんでしょうけども、ここはメンタルを鍛えなきゃいけないというところです。

──『Bloodborne(ブラッドボーン)』は宮崎さんの関わりかたとして、社長業とディレクター業の“二足のわらじ”状態だったと思うのですが……。

宮崎 当然……というのも変ですが、社長業というのは軽いものではありませんし、予想していたよりも重かった部分もありました。今回は、開発ラインにディレクタークラスの人材にサポートに入ってもらったんですね。彼らに任せる部分がある程度出てきて、任せる部分は任せ、私が集中できるようにサポートしてもらうという体制は初めてで。そこは本当によくやってくれたと思います。社長業とディレクター業を両立させていく。そこは今後も含めてずっとそうでありたい。最初の試金石としては貴重な経験だったかな、と思います。制作に深く関わらないということではなくて、作りかたとしては変わるし、その変化はけっして悪いものではなかった。いっしょにやるということが刺激をもたらすこともありましたし、それはこれから社長業とディレクター業を続けるうえで、軽い言いかたをすると「できないことはないな」と感じました。つぎは社長業をいかにサポートしてもらうか、というところを精進していかないと(笑)。

──(笑)。「プレイステーション4はすごい」と制作時に感じたのはどういった部分でしたか?

宮崎 プレイステーション4は作りやすかったです。いわゆるローンチタイミングは、プレイステーション3の『アーマード・コア4』で体験していたのですが、あのときとはまったく違いました。すごく素直……という言いかたも変ですが、作りやすかったです。プレイステーション3のときに苦労したので覚悟していたのですが、想定よりも作りやすく、プレイステーション4の設計思想を感じました。

──完成発表会ではUDXシアターの巨大スクリーンを使った“シアター試遊会”も行われましたが、会場に招待されたユーザーの反応はいかがでしたか?

宮崎 プレイ中のリアクションは見られなかったのですが、私自身、批判も含めてユーザーさんの感想を目にするのはすごく好きで。本作でも感想はチェックさせていただくと思いますので、あまりいじめないでください(笑)。優しい言葉がいいな、と(笑)。でも、ユーザーさんの意見は貴重なものだと思っていますし、作り手としては反応がないのがいちばんキツイことですので、いろいろな感想を言っていただけるのはうれしいですね。今回も皆さんの感想を楽しみにしています。

──感想もそうですが、SHARE機能による動画の広がりも本作では活性化しそうですね。

宮崎 新しい楽しみかただと思います。動画のシェアもそうですし、ゲーム実況も。『DARK SOULS(ダークソウル)』でも動画の配信は多くのユーザーさんにやっていただいていましたが、動画はよく見させてもらっています。たとえば『Demon's Souls(デモンズソウル)』は、そういった楽しみかたを想定して作ったわけではないのですが、結果、実況向きのタイトルだったと思いますし、意外性も含めておもしろいですよね。あの楽しみかたに向けて何かできることがあるんじゃないかと考えることもあります。動画をシェアする楽しさは、向いているタイトルとそうではないタイトルがあるわけですから。SHARE機能を活用した新しいゲームのアイデアは当然あると思いますし、それを見出したいとも思っています。SHAREで何が起こるのか、何が起こっていくのかというのは、プレイステーション4がこれから普及していく中での、ひとつの娯楽というか、可能性を感じます。

──動画の可能性の一端が今回発表された、ミュージシャン・俳優の金子ノブアキさんが『Bloodborne(ブラッドボーン)』プレイヤーとして死闘に挑むテレビ番組『死闘×GAME~金子ノブアキが全世界待望アクションRPGに挑戦~』ということなんですね。
※関連記事:金子ノブアキが『Bloodborne(ブラッドボーン)』で死闘に挑む! 地上波番組が3月16日より放送開始

宮崎 じつは発表会で初めて金子ノブアキさんが出演されるというのを知りました(笑)。番組の内容は聞いていたのですが、金子ノブアキさんが出演されるというのは存じていなくて。会場で流れた金子ノブアキさんのビデオメッセージはすごく熱くてうれしかったですね。私も番組を楽しみにしています。

──では最後に『Bloodborne(ブラッドボーン)』を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

宮崎 その質問がいちばん苦手です(笑)。あまり自信満々でどうこうとはなかなか言えないのですが、“おぞましい世界で暗い死闘”というところの“おぞましさ”を楽しんでほしいですし、克服したり、生還したりというよろこびを味わってもらいたいというのが純粋なところです。そこを楽しんでほしくて作っていますので、よろしければぜひプレイしてみてください。

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