やはり……『Bloodborne(ブラッドボーン)』はおもしろい

 SCE JAPANスタジオとフロム・ソフトウェアのタッグによる、プレイステーション4専用ソフト『Bloodborne(ブラッドボーン)』。2015年3月26日の発売に先駆けて、2015年3月12日に東京・秋葉原UDXで開催された完成発表会で、UDXシアターの巨大スクリーンを使った“シアター試遊会”も実施された。

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 今回の発表会で初公開となった製品版の『Bloodborne(ブラッドボーン)』で試遊できたのは、話題の“聖杯ダンジョン”だ。
 “聖杯ダンジョン”とは、『Bloodborne(ブラッドボーン)』の舞台となる古都ヤーナムの地下に広がる地下遺跡だ。聖杯を用いた儀式で、ヤーナムに点在する封印を解くことで登場する“聖杯ダンジョン”は「見る者によってその姿を変える」、つまり生成機能を持つダンジョンである。儀式が行われるたびに構造は変化するが、一度生成されたダンジョンはそのまま固定化され、オンラインマルチプレイでほかのプレイヤーとも“共有”できるという、注目の要素だ。
 2014年12月にアメリカ・ラスベガスで開催された“PlayStation Experience”でデモが公開され、上下3層からなる立体的で複雑な構造を持つマップ、トラップやフィールドが生む緊張感と驚き、巨大な獣“旧主の番犬”との壮絶なバトルが、世界中で話題となった。“PlayStation Experience”でのデモを見る限り、かなりの手応えがありそうに感じた“聖杯ダンジョン”。さて、実際に触ってみた印象は……「おもしろい」。このひと言に尽きる。

“シアター試遊会”で『Bloodborne(ブラッドボーン)』製品版をプレイ! あの“聖杯ダンジョン”をついに体験!!_01
▲約353インチ(幅約7820mm×高さ約4400mm)の巨大スクリーンをモニターにして『Bloodborne(ブラッドボーン)』をプレイできるという、夢のような環境!
“シアター試遊会”で『Bloodborne(ブラッドボーン)』製品版をプレイ! あの“聖杯ダンジョン”をついに体験!!_02
▲完成発表会にも登壇した『Bloodborne(ブラッドボーン)』プロデューサーの山際眞晃氏(写真右)と、宣伝担当の北尾泰大氏(写真左)がプレイを実況解説。

この“死闘感”こそ、『Bloodborne(ブラッドボーン)』だ

 今回は、“トゥメル”の聖杯ダンジョンが試遊の対象。前述の通り、上下3層で構成されているが、1層ごとになかなかの広さと複雑な構造を持っている。どこから獣が出てきてもいいように、右手にノコギリ鉈、左手に獣狩りの銃を構えて、慎重に移動する。狩人は、いわゆる盾のような防御手段を持たない。その代わり、敵の攻撃でダメージを食らっても、一定時間内に攻撃し返せば体力を回復できる“リゲイン”という独自のシステムがある。ただし、ひたすら近接攻撃をくり出せばいいものではなく、相手の行動に合わせたカウンターや、バックステップを使用した回避などを組み合わせないと、とても太刀打ちはできない。
 通常のフィールドは広大なので、逃げようと思えば道はたくさんある。しかし、ダンジョン内では、狭い空間で複数の敵と対峙せざるを得ない局面が多い。基本的には、“1対多”にならないよう立ち回ったほうがいいのだが、そういうことも言っていられない。そうなると、持てる力を駆使して敵を倒すよりほかはないのだ。
 こういった『Bloodborne(ブラッドボーン)』ならではの“死闘感”には、『Demon's Souls(デモンズソウル)』などに触れていないプレイヤーは、慣れるまでに若干の時間がかかるかもしれない。が、そのうち、このヒリヒリする“命のやり取り”が楽しくて仕方がなくなるはずだ。その理由は、“プレイをくり返すうちにうまくなる”ことが実感できるから。プレイの積み重ねがムダにならない。簡単な言葉で済んでしまうが、成立させるのはものすごく難しい。かなりギリギリのところまで調整をくり返したであろうこのゲームバランスが、幸運にも今回の試遊会に参加できた方々を遥かに越える人数がプレイしたとき、どのような反応を起こすのか、楽しみになった。

“シアター試遊会”で『Bloodborne(ブラッドボーン)』製品版をプレイ! あの“聖杯ダンジョン”をついに体験!!_03
▲シアター試遊だけでなく、ふつうのモニターを使った試遊スペースもきちんと用意されていた。
“シアター試遊会”で『Bloodborne(ブラッドボーン)』製品版をプレイ! あの“聖杯ダンジョン”をついに体験!!_04
▲全体的な印象だが、選ばれし“猛者”が揃っていたようで、皆さんのプレイはさすがのひと言。

 ちょっと話がそれてしまったので、“聖杯ダンジョン”に戻そう。今回プレイできた“トゥメル”の聖杯ダンジョンには、赤く燃えているような体を持つ敵が徘徊している。これが倒しても倒しても、どんどん湧いてくるのだ。どうも彼らの大本になる敵がいるようで、そいつを倒さない限りは止まらないらしい。それが誰なのかは、実際にプレイして確かめてほしい。ヒントは、オンラインマルチプレイと密接に関係している“鐘”だ!
 ちなみに、今回の試遊で狩人にセットされていた仕掛け武器は、ノコギリ鉈と仕込み杖。仕込み杖は、硬質の杖からムチのような機能を持つ剣に変形する武器で、リーチが非常に長い。対するノコギリ鉈は、攻撃範囲においては仕込み杖に劣るものの、取り扱いやすくて攻撃力も高い。もちろん、本編に登場する武器はまだまだたくさん存在するので、そのときの状況や自分のプレイスタイルに合わせて、逐一選択するのがよさそう。
 ほかにもネズミのような獣や、まるで幽霊のような姿の敵など、さまざまな種類の敵が確認できた。それぞれが個性的な行動を見せるので、まずは敵の動きをじっくりと観察して、そのスキを狙うことが重要となるだろう。もちろん、銃を使って体勢を崩し、一気に間合いを詰めるのも手だ。タイミングが合えばカウンターが決まって、大ダメージを与えられるのである。

“シアター試遊会”で『Bloodborne(ブラッドボーン)』製品版をプレイ! あの“聖杯ダンジョン”をついに体験!!_05
▲入り組んだ構造の聖杯ダンジョンには、未知なる探索の楽しさと驚きが詰まっている。

あちらに敵、こちらに罠……息つくヒマなしの展開がアツい

 ダンジョンの構造も、油断ならない。ある通路では巨大な振り子の斧がひっきりなしに動いているうえに、通路を敵がうろうろしている。通路の下にも敵がいるので、斧を避けて進むか、先に敵を倒すべきか、一瞬考え込んだ隙に、敵が通路をダッシュしてきた! 避けようとしたら、斧にブチ当たってダメージを受けたうえに、下にいる敵とご対面。もちろん、聖杯ダンジョンの魅力のひとつである、役立つアイテムが詰まった部屋もある。聖杯ダンジョンを作るうえで必要となる、貴重な素材が入った宝箱もある。
 どこに何があるのか、こればかりは自分の身で探索して把握するしかなさそう。とはいえ、一度生成されたダンジョンは固定されるので、自分が作ったダンジョンをオンライン上にアップして、みんなで攻略することも可能。そのうち、“伝説”となるようなダンジョンが生まれるかもしれない。

 なんとか先に進み、ついにボス戦。背中に蝋燭を背負っているかのような巨躯を誇るボスは、さすがに段違いで強い。一撃のダメージが大きいうえに、俊敏かつ範囲の広い攻撃をくり出してくる。円を描くように動きながら距離を取り、大振りの攻撃でできた隙に近づこうとするも、なかなかダメージを与えられない。ここで焦って、一気に大ダメージを狙って踏み込みすぎると、アッと言う間に吹き飛ばされる。あくまで冷静に、着々とダメージを蓄積させていくスタイルが、いちばん効率がいいようだ。が、ある程度HPを減らせたと思ったら、急にジャンプして突っ込んでくるものだから、キモを冷やした。
 リゲインを駆使すれば、何とかギリギリのところで食らいつくことはできる。ダメージをもらったら近づいて、リゲイン量を示すゲージがなくなる前に攻撃する。もちろん、HPを回復する“輸血液”も使いまくる。結果……完膚なきまでに叩きのめされた。自分の腕では、初見で倒すのは無理と判断! でも、幾度となく挑戦することで、攻略の糸口はつかめそうだ。とはいえ、一般参加のプレイヤーさんが2度目の挑戦で倒していたけどね!(華麗なヒット&アウェイ戦法が鮮やかだった) このボスを倒すと第2層への扉が開き、さらなる深層へと進めるようになる模様だ。

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▲もちろんこの敵が最後ではない。その奥にはさらなる強敵が待っているのだ……。

 今回の試遊会には、“聖杯ダンジョン”という本作の新たな挑戦を披露した以外にも、大きな意味がある。それは“製品版”で遊べたということ。そう、『Bloodborne(ブラッドボーン)』は2015年3月26日に、間違いなく発売されるのである。SCE JAPANスタジオとフロム・ソフトウェアというタッグが生み出す、プレイステーション4専用の、世界が注目するビッグタイトル。その全貌が明らかになるまで、あと少し。それが、いちばんうれしいことだ。