古今東西のインディーゲームを主観バリバリで紹介していくコーナー。今回は、哲学をテーマにしたパズルゲーム。

●美しき滅びの世界が問いかける、一人称視点の哲学パズル

 哲学とパズルは似ている。知識を前提としたクイズとは異なり、どちらも必要なのは論理的思考と真理への欲求だ。では、哲学を問うのが人間の本性ならば、パズルを解くロボットもまた人間ではないか。
 いきなり妄想全開で紹介する今回の作品は、まさにロボットが主人公のパズルゲームだ。開発は、コメディタッチのFPS(一人称視点シューティング)、『シリアスサム』で有名なCroteamだが、笑いの要素は一切なく、哲学をテーマとしている。
 ゲームの目的は、ブロック状の“印章”を集めること。ステージ奥にある印章は、開閉式の扉や攻撃型ドローンなどに守られている。それらの障害物を、さまざまな道具と知恵を駆使して突破していくのだ。パズルの傾向や雰囲気は、一人称視点パズルの傑作『Portal』から強く影響を受けている。だが本作は、ゆっくり考えながらプレイできるのが特徴だ。ジャンプやダッシュといった動作はあるが、難しい操作は要求されない。また、詰まったパズルは後回しにして、どんどん先に進めるのもポイント。後から詰まったパズルに挑戦してクリアーすると、なぜこんな問題が解けなかったのだろうかと、不思議に思える。そんな、自分の成長が楽しくなる難度なのだ。

▲道具を組み合わせて障害物を突破しよう。パズルは、簡単なものから超難問まで合計100以上。クリアー後のやり込み要素も満載だ。

●広大な世界と膨大な謎
 ゲームの舞台は美しい廃墟の世界。最初に探索できる世界は限られているが、一定数の印章を入手すると少しずつ世界が広がっていく。舞台も古代ギリシア、古代エジプト、中世ヨーロッパと大きく変化して飽きさせない。パズルに詰まったときは、気分転換に歩き回るのもオススメ。

▲世界に散らばっている印章を集めよう。一定数集めると、新たなステージや道具のアンロックのために使用できる。
▲美しい舞台は歩いているだけでも楽しい。パズル以外にも、何か発見があるだろう。

●人間であるとはどのようなことか
 本作は、物語もパズルのよう。語りかける謎の声“エロヒム”、コンピューターで閲覧できる資料、世界に散らばるボイスメッセージとQRコード。これらの断片的情報をもとに、物語を読み解いていく。通底するテーマは人間とロボット、心と機械の違い。難解だがシンプル、まさに哲学。

▲ステージに設置されているコンピューターは重要な情報源。多くの資料を閲覧できるほか、謎の人物から哲学的問題を投げかけられることも。
▲QRコードに視線を向けると、メッセージが解読可能となる。くだらない落書きもあれば、重要なヒントや伏線が書かれていることもある。