Free版をさらに拡大し、プロ版のエンジンの機能が利用可能に。

 2015年3月4日(米時間3日)、サンフランシスコでUnity Technologiesのプレスカンファレンスが行われた。
 冒頭では昨年10月に同社に新CEOに就任したJohn Riccitiello氏が挨拶し、最新版となるUnity 5をたった今公開したことを発表。すでに発表されているように、Unity 5では物理ベースシェーダーやクロスプラットフォームなリアルタイムグローバルイルミネーションなどの利用が可能になる。

 カンファレンスでは、Unity 5で可能になった表現を示すテックデモ“The Blacksmith”の映像が流れたのち、同社CTOのJoachim Ante氏が実際にエディター上でそのシーンを編集してみせるライブエディットデモも行われた。

 続けてCamouflajのライアン・ペイトン氏が登場。同スタジオによるステルスアドベンチャーゲーム『Republique』は、PCリマスター版『Republique Remastered』が配信されたばかり。『Republique』はスマートフォン/タブレット向けに作られたゲームだが、『Republique Remastered』ではUnity 5を採用し、ただの高解像度化に留まらないリマスター化が行われている。

 そして個人向けの無料な“パーソナルエディション”が発表。10万ドル以上の収益または出資を受けるまでは使用可能で、ロイヤリティもなし。従来のFree版との違いは、β版プレビューやUnity Cloud Build Proといった周辺サービスは利用できない代わりに、エンジン自体はプロフェッショナル版と同様の機能(プロファイラー、オクルージョンカリング、レンダートゥテクスチャ、ポストエフェクトを含む)を使えること。

 そのほか、Unity 5が可能にするWeb GL 2.0への書き出し機能のデモや、モバイル版でC#で書かれたコードをC++に置き換えるIL2CPPの紹介、ゲストとしてOculus VRのパルマー・ラッキー氏が登場してVRとUnityとの親和性を語るなど、幅広いプラットフォーム(21プラットフォーム)への対応をアピール。

 “ゲーム開発の民主化”を掲げてきたUnityと、それに引っ張られる形で無料化を発表したUnreal Engine 4。強力な最新のゲームエンジンがより多くの人に利用可能になることで、ますますゲームの幅が広がっていきそうだ。

Unity 5がついにリリース。エンジンの機能がフルに使える新たなパーソナル版も登場【GDC 2015】_02
▲IL2CPPによる高速化を示す比較デモ。
Unity 5がついにリリース。エンジンの機能がフルに使える新たなパーソナル版も登場【GDC 2015】_03
▲WebGL 2.0のデモ。高度な映像表現がプラグインなしでブラウザ上で実行できる。