新川宗平氏と松田岳久氏が駆けつけた反乱軍決起集会
2015年2月7日(土)、都内品川にあるソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア社屋ビルにて、“PlayStation 4 presents 『魔界戦記ディスガイア5』 反乱軍決起集会”が開催。多くのシリーズファンが参加した。このイベントでは、日本一ソフトウェアの人気シミュレーションRPGのシリーズ最新作『魔界戦記ディスガイア5』 が発売前にプレイできたほか、開発者によるプレゼンテーションや意見交換会、クイズ大会などが行われた。
本イベントは、日本一ソフトウェアの広報・太田修司氏による司会のもと進行。ステージには同社の代表取締役であり、『ディスガイア』シリーズのプロデューサーを務める新川宗平氏と、ディレクターの松田岳久氏も登場し、本作のプレゼンテーションを兼ねたスタッフ座談会も行われた。
スタッフ座談会で取り上げられたテーマは下記の8つ。ここからは、とくに注目のコメントをピックアップして紹介する。
【スタッフ座談会のトークテーマ】
(1)先日開発が無事に終わり、ゲームの発売日が2015年3月26日(木)で確定
(2)本作はプレイステーション4(以下、PS4)の独占タイトル
(3)本作は『ディスガイア』シリーズの11年を凝縮した集大成
(4)プレイステーション Vita(以下、PS Vita)への移植は不可能
(5)本作のテーマは復讐と叛逆、魔王集結
(6)前作から進化した部分(シリーズ史上類をみないシナリオボリューム、ユーザーインターフェイス、スカウト屋、アイテム界)
(7)本作でしか楽しめない要素(リベンジモード、魔奥義、部隊システム、スゴロク)
(8)あふれすぎたカレー愛!?
“(2)PS4の独占タイトル”というテーマでは、新川氏が本作をPS4独占にしたエピソードを披露。開発当初は、「PS3とPS4のマルチプラットフォームを考えていた」そうだが、「少しでもPS4の活性化に貢献できればと思い、独占タイトルにした」とのこと。PS4の独占タイトルにしたことで、新川氏は「容量やメモリなどの制限を気にせず、フルスイングで開発できました。結果として、いろんな観点からも歴代最高のタイトルに仕上がったと自負しています」と力を込め、本作が“(3)11年を凝縮した集大成”である理由も語ってくれた。
また、“(4)のPS Vitaへの移植”に関する話題では、もしかしたらPS Vitaへの移植を待っているというユーザーに向けて、「本作の移植は不可能です」(新川氏)と断言。「PS4のスペックに振り切って開発したため、PS Vitaに移植しようとすると、いろいろな要素を削らないといけません」(新川氏)。また、松田氏も「画面の解像度がフルHDになり、それに合わせて原田さん(原田たけひと氏。『魔界戦記ディスガイア』シリーズのイラストを担当)が描いてくれています。PS Vitaのスペックでは、原田さんのイラストを再現できません」と移植が難しい理由を挙げた。
“(6)前作から進化した部分”では、本作のシナリオボリュームが“全16話+サブシナリオ”であることが判明。「以前からシナリオのボリュームを増やしてほしいという要望が多かった」と切り出した新川氏は、「話数もさることながら、1話当たりのテキストも膨大な量になりました。拠点で発生するキャラクターどうしのイベントも用意したので、正直、テキスト量は数えたくないですね(苦笑)」とも。また、松田氏は「拠点にキャラクターを100体配置しても処理落ちしない」というエピソードも披露。新世代機だからこその表現力もしっかり楽しめることもアピールされた。
続いて、“(7)本作でしか楽しめない要素”では、シリーズおなじみの“キャラ界”(キャラクターの中に広がる世界。攻略するとそのキャラクターの能力を強化できたり、潜在能力を引き出せる)が、スゴロクになった理由が語られた。「キャラ界は、アイテム界と変わらない作りだったので、変えたかった」という新川氏。そこで松田氏が考えたのがスゴロクだったのだが、その理由は松田氏が「僕がスゴロクのゲームを作りたかったから」と単純明快。「本作でスゴロクを作ってしまおうとも思い、思い切ってキャラ界をスゴロクに変えました(笑)」とコメント。
最後の“(8)あふれすぎたカレー愛!?”で語られたのは、本作にカレーにまつわるシステムが実装されたり、ゴーゴーカレーとのコラボが実施された理由について。新川氏によると、「本作のマスコットキャラクターであるウサリアには、カレー好きという設定があるのですが、ストーリーにカレーを組み込んでいくうちに、スタッフが悪乗りしていつの間にかカレーがゲームシステムに侵食したり、ゴーゴーカレーさんとのコラボが実現していました」とのこと。結果的に、本作とカレーは切手も切り離せない関係になってしまったのだ。
スタッフ座談会が終わると、ファン待望の試遊会へ。今回は、用意された70分の間に、1話から遊べる“はじめから”と、新要素が楽しめる“つづきから”のふたつのデータがプレイできた。参加したファンは、70分をフルに使って本作を楽しんでいた。
試遊会の後は、休憩を挟んで開発者たちと参加者による“意見交換会”が行われた。参加者が本作の疑問点を開発者に聞くという形でスタートしたが、参加者の多くが熱心な『ディスガイア』シリーズのファンということもあり、つっこんだ質問が飛び出す場面も。「『魔界戦記ディスガイア4』のようなオンライン要素はありますか?」という質問では、新川社長が「その情報はまだ出せないんです(苦笑)」。“出せない”というところで、察しよう。ちなみに、本作はすでにマスターアップしているので、ファンの意見をすぐ商品に反映するのは難しいとのことだが、新川氏は「今後のパッチで対応したり、気の早い話になりますが、『魔界戦記ディスガイア6』で反映したい」と、早くも次回作への意気込みを語り、会場を盛り上げた。
意見交流会が終わると、新川氏と松田氏のサインが書かれたタンブラーやポスターが成績優秀者に贈られる、“反乱軍○×クイズ大会”がスタート。“本作から登場する新しいキャラクターは忍者である?”といったシリーズファンなら簡単に答えられる問題から、“本作で追加された新たなタワー技はタワーリリースである?”といった難問まで、さまざまな問題が出題。だが、なかなか数が減らなかったため、最終的に新川氏とのじゃんけん勝負が行われ、最後まで勝ち残ったふたりにタンブラーが、最後に敗れたファンたちにはポスターがプレゼントされた。
イベントを締めくくるコメントで松田氏は、「今回は、いいものができあがったという自信があります。ぜひ発売を楽しみにお待ちいただければと思います」とファンにメッセージを送った。また、新川氏は「あまり大きな声では言えませんが、弊社としては開発ラインを完全にPS4に移行しています。今後の据え置きタイトルは、基本的にはPS4でという気持ちで、すでに何タイトルか準備しています。本作を機会に、PS4をお持ちでない方がゲームとセットで購入しても、絶対に損はさせませんと胸を張って申し上げたいです」とアピールした。本作の動向はもちろん、今後の日本一ソフトウェアが開発するタイトルにも、ぜひ注目してほしい。
なお、会場には貴重なグッズも展示されていた。記事の最後に、グッズの写真を公開しよう。