入場規制を実施するほどの人! 人! 人!
2015年1月24日、東京・秋葉原のe-sports SQUAREにて、PCオンラインゲーム『LEAGUE OF LEGENDS(以下、『LoL』)』の大会“LEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUE 2015(以下、“LJL 2015”)”の開幕戦が行われた。熱戦を目に焼き付けるべく、会場には多くのファンが集結。開演前には長蛇の入場列が作られた。
◆イベントリポートの前に『LoL』について解説
『LoL』は、アメリカのデベロッパー・Riot Gamesによって開発された、非常に競技性の高いゲーム。対戦は5対5で行い、キャラクターを強化しながら敵Nexus(本拠地)の破壊を目指す。頭と腕を使って勝負する頭脳スポーツ的なゲーム性が特徴だ。2015年1月27日時点では公式の日本語サポートは行われていないが、東京ゲームショウ2014でRiot Games日本支社の代表・乙部一郎氏が日本のサーバー設立に向けて尽力中であるとコメントしている。
【Riot Games日本支社による公式解説動画】
“LJL”は『LoL』で競われる国内初のプロリーグ。Season1、Season2の2シーズン制で、各シーズンごとに6チームでリーグ戦を行い、上位3チームがポイント制のシーズンプレイオフに進出。プレイオフポイント合計の上位2チームが9月に開催予定の“LJL GRAND CHAMPIONSHIP”に出場できるのだ。
各シーズンを優勝すると20万円、GRAND CHAMPIONSHIPを優勝すると100万円と、賞金も多額。日本国内でのサービスが実施されていないにも関わらず、かなり大規模な大会と言える。
『LoL』トッププレイヤーたちが続々と登場
“LJL 2015”の開幕セレモニーでは、出場する6チームの選手たちが続々とステージに登場。選手が登壇するたびに大きな歓声があがり、会場が熱気に包まれた。
続いて、“LJL”の運営代表、株式会社SANKO代表取締役の鈴木文雄氏が、開会の挨拶とともに昨シーズンからのルール変更についても説明した。
【今シーズンからのルール変更点】
・出場チームが4チームから6チームに増加
・ファンからの強い要望で全試合を配信。Azubu.TVを介して英語での配信も実施。
・2シーズン制に変更。各シーズンで12試合を行い、前半の10試合が総当たり戦、残り2戦は上位3チームによるプレイオフとなる。2シーズンでの総合成績の高い2チームがGRAND CHAMPIONSHIPに駒を進める。
最後に、各チームの代表選手が“LJL 2015”に向けての意気込みを語り、開幕セレモニーを終えた。以下は、司会・進行を務める室川慎也氏とそれぞれのチームの代表選手の質疑応答をまとめたものだ。
◆7th heaven/yoshiaki3110選手
僕たちは今シーズンから参加する新参チームです。辛いこともあるかもしれませんが、これから僕たちは成長していくので、見ているみなさんをドキドキ、ワクワク、ハラハラさせるプレイをできたらなと思っております。よろしくお願いします!
◆DetonatioN RF/Awaker選手
勝ちます! 俺のLee Sinに震えろ!!
◆CROOZ Rascal Jester/apaMEN選手
2シーズンとも1位通過!
◆Salvage Javelin/cool選手
まだまだ未熟ですけど“LJL”を通じて成長していきたいと思います。頑張ります!
◆OZONE RAMPAGE/Mmeron選手
これからのリーグに向けて、辞めていった仲間の思いを背負って勝っていきたいと思います。
◆DetonatioN FM/Ceros選手
チャンピオンプールには自信があるので、そこは活かしていきたいですね。環境もメンバーも変わったのですが、そのうえでいい方向に変わっていきたいと思います。がんばりますので応援よろしくお願いします。
1試合目は新規参戦2チームによる白熱の戦いが展開
“LJL 2015”の記念すべき1戦目は、7th heaven VS DetonatioN RF。7th heavenには過去の『LoL』大会で名を馳せたプレイヤーが多数在籍。対するDetonatioN RFは昨シーズンのリーグ出場権を賭けたサバイバルマッチで優勝を重ねるも、入れ替え戦で敗退して惜しくもリーグ戦の出場が叶わなかった過去を持つ強豪チーム。いずれのチームも“LJL”には初参戦で、チームとしての力は未知数。これからのリーグ戦を占う一戦に会場の注目が集まった。
試合が大きく動いたのは、最初のDragon戦。Bot Lane(マップ下部のレーン)を担当するMueki選手(7th heaven)のSivirをGankで倒し、人数差を作ってDragonにラッシュをかけたDetonatioN RFだったが、yoshiaki3110選手のLee Sinがまさかのスティール。そのまま一気に7th heavenが流れに乗るかと思われた。
しかし、集団戦でZerost選手(DetonatioN RF)のTristanaが大活躍。チームのゴールド差が一気に逆転し、このまま勝負が決まるかと思いきや、初戦ということで慎重になりすぎたのか、60分を超えるロングゲームに。
最後はジリジリとゴールド差を広げたDetonatioN RFが集団戦に勝利。そのまま相手のNexusを破壊して初戦を制した。
2戦目は強豪OZONE RAMPAGEが登場
2戦目は新規参戦チームのSalvage JavelinとOZONE RAMPAGEの試合が行われた。昨シーズンで安定した強さを見せつけたOZONE RAMPAGEだが、メンバーが大きく入れ替わり、新編成での参戦となった。
試合は序盤からIntension選手(Salvage Javelin)がのTei選手(OZONE RAMPAGE)にGankを決め、OZONE RAMPAGEが苦戦を強いられる展開に。しかし、要所で相手のObjectを奪い、徐々にゴールド差を逆転。最終的には、JayceのPokeが光り、PICKでの差を見せ、そのままOZONE RAMPAGEが試合を制した。まさにチームとしての動きの上手さを見せつける試合だった。
最終戦では因縁の対決が再び!
オフラインイベントの最終戦では、CROOZ Rascal JesterとDetonatioN FMの試合が行われた。このマッチングは、昨シーズンのGRAND CHAMPIONSHIPの再現。DetonatioN FMが王者の意地を見せるか、CROOZ Rascal Jesterが牙をむくか、初日から大注目の一戦となった。
試合は、序盤にキル数で差をつけられたものの、終始DetonatioN FMが圧倒。Ceros選手(DetonatioN FM)のZedが起点となって各レーンの前線を押し上げて試合を動かし、一瞬の隙をついて集団戦を起こすなど、格の違いを見せ付けたDetonatioN FMが、そのまま一気に試合を制する形となった。
本格プロゲーミングチーム誕生!
全日程の試合後にDetonatioN代表の梅崎伸幸氏が登壇し、DetonatioN FMがプロゲーミングチームとして本格的な活動を開始するという発表がなされた。
◆発表内容
・DetonatioN FMの選手およびアナリスト、マネージャーに給料を支給
・2015年2月よりゲーミングハウスを設立
・海外大会への遠征費用のサポートを行う
・兄弟チームのDetonatioN RFの選手にも活動資金を提供
◆ゲーミングハウス概要
・シェアハウス形式を予定(9LDK~10LDKを予定)
・各選手、アナリストには個室を割り当て
・食事は専門のスタッフを雇用、担当
・食費、光熱費、その他すべての費用を負担
・海外交流のための通訳も用意
筆者は『LoL』のイベントは配信でのみ鑑賞していたが、今回、初めてオフラインイベントに参加。試合中にキルが発生するたびに大きな歓声があがるなど、すさまじい熱気を体験できた。それはまるで、サッカーのW杯をスポーツカフェで観戦している気分。正直、日本での正式なサービスが実施されていない『LoL』で、ここまでの盛り上がりを見せるとは予想していなかった。それはやはり、『LoL』の持つゲームとしての魅力、競技性の高さがあってこその盛り上がり。
今年には『LoL』の日本サービスが始まるはず。そうなればきっと、もっと多くのファンでにぎわうだろう。この波に乗り遅れないように、いまからでも『LoL』を遊んでみたり、試合を鑑賞してみてはいかがだろうか?