今度の主人公は冷酷無比のアンチ・ヒーロー!?

 スパイク・チュンソフトより2015年1月15日に発売予定のニンテンドー3DS用ソフト『喧嘩番長6~ソウル&ブラッド~』。熱き心を持つ不良高校生たちの成り上がりストーリーを体感する、アクションアドベンチャーもついに6作目に突入。この期待の最新作のプレイインプレッションをお届けするぞ!

『喧嘩番長6~ソウル&ブラッド~』プレイインプレッション――真っ直ぐでヤンチャな男たちのケンカバトルを体感!_42

 不良高校生が主役となる青春物語を描く人気アクションアドベンチャーシリーズも、本作ではや6作目。初代『喧嘩番長』(2006年発売)から、通底するテーマは、名うての不良どもが群雄割拠する世界(おもに高校周辺の“ジモト”だが、例外として修学旅行先で全国の高校生と凌ぎを削る『3』もあったりする)で、主人公が正義と男気を貫いて真の悪と闘いながら、ケンカで学園の頂点を目指すというもの。まさに男に生まれたものならば、憧れる世界ではないか。

 もちろん、最新作である本作も、その“イズム”は健在だ。“ワルの巣窟”として地元、華ヶ崎市で有名な私立九鬼島高校を舞台に、主人公の朝比奈大吾がこの高校に入学するところから物語が始まる。不良の“名門校”だけあって、当然、1年時からクラスや学年をシメようと、ヤンキーどもが争うことになるのだが、朝比奈はナゾと影に満ちた男。物語の序盤では、覇権争いとは違うところでプレイヤーをドキドキハラハラさせてくれる。それはなぜか? 朝比奈が正義のかけらも感じさせない狂犬……一挙手一投足すべてで周囲をドン引きさせる徹底的なワルだからなのだ! 

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面構えからして武闘派! 本作で活躍する男たち

 ここで、本作のおもなキャラクターを軽く紹介しよう。

・朝比奈大吾
 九鬼島高校普通科の1年生。親に捨てられて児童養護施設を転々として育つ。大人と社会への怒りを拳で現し、札付きのワルになった。誰にも手が付けられない超問題児。しかし、その振る舞いにはある理由があった。

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・片桐龍治
 九鬼島高校普通科の3年生。開校以来、誰も頂点に君臨することがなかった九鬼島高校を、圧倒的な腕力と男気でたった1年で締め上げて番長の座に付く。

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・宇崎総司
 九鬼島高校普通科の1年生。大吾のクラスメイトで最初に立ちはだかる相手。身なりと言動はチャラいが、ケンカの実力は本物。スピードが持ち味の闘いを見せる。明るい性格で仲間想い。

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・富樫耕一郎
 九鬼島高校普通科の1年生。1年をシメて、学年の頂点に立とうと野心に燃える粗暴なドレッドヘア男。頭は悪いが真っ直ぐな気持ちの持ち主。

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 ……どう見ても不良としか形容のしようがない男たちだが、生意気そうな者をシメて金をせしめる傍若無人振りを入学早々から発揮する朝比奈の前に、彼らが“壁”として立ちはだかる。人間の心が通わぬかのような冷徹さを見せる朝比奈に同級生は恐れおののき、やがて孤立していくのだ。

 そう、主人公は物語のしょっぱなでは“孤独な不良”。先ほど、シリーズに通底するテーマとして正義と男気を貫く不良を描くと記したが、本作ではプレイヤーはいきなり正反対の“アンチ・ヒーロー”像を体験することになる。プレイしながら「おいおい!」とも思ったのだが、この仕掛けこそがドラマの妙。ここでは必要以上のネタバレは避けるが、孤独な一匹狼が最後まで一匹狼であるハズはなく。騒動を通じてきちんと“ダチ”(友だち)との共通の目標が生まれ、ドラマはそこから大きく転じるから安心してほしい。ダチを電話で呼び出して、共闘するといった場面もあるぞ。

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“手順”と“技の組み合わせ”がキモをなすケンカ

 さて、物語についてはほどほどにして、プレイの核心について迫っていこう。本作はいわゆるオープンワールド的な世界でゲームが展開する。九鬼島高校、華ヶ崎市の商店街や娯楽スポットをめぐりながら、つねにプレイヤーに課せられるクエストの目的をクリアーしていくことで物語が進行していく。

 ここでカギとなるは、本シリーズの最大の特徴である“ケンカ”。不良や品行の悪い男どもが闊歩する学校や街で、正当なケンカをこなしていくことで、主人公が成長をし、男気が磨かれていくのだ。ここで“正当な”と書いたのは、理由がある。ただ単にあらゆる人物に見境なくケンカを仕掛けても、評価がされない仕組みが本作では導入されている(詳細は後述)。いくら不良といえども道理は守れ、ということ。真の男がこなすケンカには(茶道、華道などと通じる)様式美が込められているのだ! では、真の男が踏まえるべき、拳を交わすまでの手順を紹介しよう。面倒だ、なんて決して言っちゃダメだぞ! 

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