『Analogue: A Hate Story』珍しい海外産ビジュアルノベル【とっておきインディーVol.010】

古今東西のインディーゲームを主観バリバリで紹介していくコーナー。今回は、珍しい海外産のビジュアルノベルをピックアップ!

●美少女AIと探究する、カナダ発の空想社会アドベンチャー

 海外産のビジュアルノベル!? 初めて本作を知ったときの衝撃は忘れない。日本独自のジャンルと思っていたビジュアルノベルが、海外でも作られている? しかも評判がよく、ヒロインもかわいい(超重要)。すぐにプレイしようと意気込むも、英語の壁にぶち当たってから待つこと数年。ついにPLAYISMから日本語版がリリースされたということで、今回紹介するのはカナダのクリスティン・ラブ氏が制作した『Analogue: A Hate Story』だ!


01

 舞台は廃墟となった宇宙船“ムグンファ”。主人公の目的は、残された情報を回収し、乗っていた移民たちが消滅した理由を突き止めること。基本は文章を読み進める形式だが、キーボード操作でのハッキングや選択肢による分岐もある。だが、いちばんの特徴は、2名の美少女AI(人工知能)の存在。補佐役として情報を引き出してくれ、謎を解明する過程で仲よくなれば、会話イベントも発生する。いかにも美少女ゲーム的な展開で、コスプレ要素もアリ!


02

 楽しいAIとの会話とは裏腹に、物語は暗い展開で進んでいく。というのも、徐々に明かされていく過去の“ムグンファ”の世界は、SFには似つかわしくない封建社会なのだ。皇帝を頂点としたきびしい身分制度と、官僚を目指す男たち。一方、女性は男性に隷属させられ、自由は認められていない。ビジュアルに釣られてプレイすると、不意討ちを食らうかもしれない。だが、本作はシリアスなテーマを扱いながらも、文章によって謎を探求するアドベンチャーゲーム本来の楽しみに満ちている。プレイヤーは、伝統社会で生きる人々を複数の視点から見つめ、性別、AI、人間性といった普遍的な問題を考察する。いわば、萌えと知的好奇心に満ちた社会派SFなのだ。


03 04

<オーバーライド端末で情報をハッキング>
▲ゲームは大きくふたつに分かれる。まずは、宇宙船のOSをキーボードで操作して、AIを起動。さらに、ハッキングによって情報を引き出せる。

<膨大なログから文明消滅の謎に迫る>
▲AIを起動すると文章ログが閲覧可能。当時の“ムグンファ”の社会がうかがえる。さらにログをAIに見せると、内容に関する会話をすることできる。

●主人公を補佐するふたりの美少女AI

ヒョネ

*Hyun-ae(*ヒョネ)
コスプレ好きの謎多きパートナー

私の名は*ヒョネ。
ログシステム担当として最善を尽くします。

 最初に出会うAIで、ログ閲覧をサポート。長らく孤独だったため、ちょっとした会話にも大喜びする。過去の“ムグンファ”の社会には露骨に嫌悪感を示すなど、何か秘密があるようだ。


ミュート

*Mute(*ミュート)
ウワサ好きのセキュリティAI

アタシは*ミュート!
ムグンファの警備責任者! よろしく!

 中盤から登場するAI。本来は宇宙船の最高権力者・皇帝のスパイだった。“ムグンファ”の社会に完全に溶け込んでおり、その文化を疑うことを知らない。なぜか*ヒョネとは犬猿の仲。


Analogue: A Hate Story trailer