就職に備えてプロの開発者と“素振り”ができる絶好の機会
2014年11月16日(日)、東京都渋谷のGMO Yoursにて、現場で活躍するプロのゲーム開発者に、学生が直接アドバイスをもらえるイベント“ゲーム業界をめざす君へ2014秋”が開催された。今回で4回目となるイベントには、47名の学生が個人制作の作品を持参して参加。プロに直接作品の批評をしてもらったり、アドバイスがもらえる内容で、午前11時から午後7時にわたってみっちりと交流が行われた。
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学生の作品をチェックするのは、現役で活躍されているプロのゲーム開発者たち。イベントの発起人である元カプコンのゲームデザイナー・川村泰人氏が中心となり、『どこでもいっしょ』シリーズの南治一徳氏や『ダンガンロンパ』シリーズの小高和剛氏など、30名を超えるクリエイターたちがメンターとして参加した。
冒頭に行われた基調講演では、川村氏が自己紹介を行いながらイベントの趣旨を説明。そのなかで川村氏は、「面談で君の本当の姿、やりたいことを魅力的に伝える努力をしてほしい。その意味をよく考えてほしい。そして現場で欲しがられる人を目指してください」とコメントし、面談に臨むときの正しい姿勢を学生に伝えた。
メンターの自己紹介が終わり、昼食をはさんだ後、いよいよメインイベントがスタート。メインイベントは二部構成で行われ、前半は学生が机に座って作品を展示し、プロが周回して気になった作品を批評していく展示会方式。自分の作品をアピールする学生の姿や、真剣に指導するプロの姿があちこちで見られ、会場は独特の熱気に包まれていた。
後半はプロが机に着席する面談形式で、学生が1回15分間の持ち時間でプロに質問できる。机はプログラマー志望、プランナー志望、アーティスト志望の3つグループに分けられていたが、希望職種をまたいだ面談も行えるようになっていた。指導してもらいたいプロの方にみっちり話を聞けるとあって、席はあっという間に満席に。前半のイベント同様、各テーブルで熱いやり取りがくり広げられていた。
本イベントは定期的に行われており、過去に行われたイベントが縁でプロのもとで仕事を始めたり、ゲーム業界の就職活動に成功した学生もいるという。学生にとってゲーム業界に携わる大きなチャンスとなっているが、参加するプロにもメリットが。小高氏は、「学生の作品を見ると初心に帰りますよね。自由に作っていて、そういう意味では勉強になります」と、イベントに参加した感想を教えてくれた。
「自分が元気なうちはイベントを実施したい」という川村氏。筆者もゲーム業界に携わる人間として、このイベントをきっかけに、将来の業界を担うクリエイターがひとりでも多く誕生してほしいと切に願っている。