囲み取材の模様もたっぷりお届け!

 『弱虫ペダル』は、現在アニメ第2シリーズもテレビ東京系列にて放送中。ロードレースという自転車競技をテーマにし、主人公・小野田坂道が総北高校自転車競技部の仲間とともにインターハイ全国優勝を目指す青春スポーツマンガだ。今回の“野獣覚醒”は通算5作目となる舞台作品。これまでにインターハイ1日目・2日目や、ライバル校・箱根学園の新開隼人にスポットを当てたスピンオフ作品などが上演されてきた。今回の“野獣覚醒”も、箱根学園のエースアシスト・荒北靖友を主人公に据えたスピンオフ作品となる。

 箱根学園に入学した荒北は、故障により野球選手としての選手生命を絶たれ、目標もなく過ごしていた。そんなある日、自転車競技部の福富寿一に原付バイクvs自転車という一見無謀なレースを持ちかけられ、惨敗を喫する。それ以来荒北は、自分を見つめなおしてふたたび限界に挑むため、“テッペン”――つまりインターハイを目指し、自転車競技部に入部してみずからの新境地に挑む。

 作品内では、箱根学園(通称“箱学”)のチームメイトのほか、インターハイ3日目の闘いに思いをはせる他校の選手も続々と登場。それぞれの思いが交錯し、自転車競技にかける高校生たちの熱い青春模様が描かれていく。

■「1回1回が真剣勝負。歴代でもっとも泥臭い試合に」
 公演リポートの前に、まずはキャストが登場した囲み取材の様子をお届けしよう。

舞台『弱虫ペダル 箱根学園篇 ~野獣覚醒~』の主人公は荒北! ゲネプロ公演&囲み取材をリポート_03
▲左から、秋元龍太朗、鈴木拡樹、滝川英治、鳥越裕貴

 囲み取材には、荒北靖友役・鈴木拡樹のほか、彼が自転車競技部に入部するきっかけを作った福富寿一役の滝川英治、総北高校メンバーである鳴子章吉役を演じた鳥越裕貴、そして本作が『弱虫ペダル』初参加となる黒田雪成役の秋元龍太朗が登場した。

◆本公演にかける意気込みと見どころ
鈴木拡樹(以下、鈴木) 今回は荒北靖友ともにスポットを当てて、1年生のころにロードレースと出会い、成長していくストーリーが描かれています。荒北という男が人生を諦めていたときに福富寿一やロードレースと出会い、大きく変化していく物語です。そういう部分を熱く演じられたらと思いますし、後ろを向いていた男が前を向くかっこよさを表現したいです。本編のストーリーとしては、インターハイ2日目と3日目の間が描かれています。そういう意味で、3日目を観ていただけるときに、今回の話を知っていると、3日目につながる熱量がより伝わると思います。

滝川英治(以下、滝川) 心も体もボロボロになるくらい、ステージ上で決意と覚悟を持って挑んでいきたいと思っています。この作品はロードバイクを題材にしていますが、その枠を超えて夢に向かってがむしゃらに突っ走る人の強さ、そしてその人が周囲に与える影響の大きさを伝えていきたいですね。最高の“SOS”をお約束します!

鳥越裕貴(以下、鳥越) どういうことですか(笑)?

滝川 ……“すんごいおもしろいステージ”(笑)。

鳥越 わかりづらいですよ(笑)!

滝川 じゃあ、最高の“OMN”……“おもてなし”を皆さんに届けたいと思います(笑)。

秋元龍太朗(以下、秋元) 座長の拡樹くんも言っていましたが、過去を見ていた荒北さんが前を向くところがこの作品の核となるところなので、観てほしいです。僕はインターハイには出ていないサポートメンバーとして黒田雪成を演じさせてもらって、今回初参加しています。インターハイ2日目の夜の、原作には描かれていないところまで必死に膨らませているので、そういうところもぜひ注目してください。

鈴木 今回から黒田という役が増えて、箱学にひとりまた家族が増えたことは、僕たちにとってもすごくうれしいことです。

鳥越 今回は“箱根学園篇”ということで、「本当の主人公の小野田坂道くんを忘れないでね、千葉総北高校もいますよ」ということも含めて、部長さん(郷本直也演じる金城真護)もいっしょに、総北高校の思いも乗せて走っています! 箱根学園をフォローできるように、みんなで支えているので、その部分も注目してください。この『弱虫ペダル』の中では“モブ役”というのがいっぱいあるので、そのあたりも見ていただけたらうれしいなと思っています。

◆稽古場の様子はいかがですか?
滝川 アツいよね! みんな必死に同じ目標に向かって突き進んで……こんな稽古場ってないな、と。

鈴木 こんなに大量にTシャツを持ってくる現場はないというくらい、汗をかきます(笑)。

鳥越 あと、回を重ねるごとにみんなロード(バイク)に乗って現場入りしますよね(笑)。僕も買いました! みんな自転車の楽しさを知っていって。みんなが『ペダル』が大好きで、稽古場にも(原作が)全巻そろってますしね。

鈴木 この作品に触れることで女性がロードを買っていると聞いたので、それもうれしいですね。

秋元 (初参加の感想を聞かれて)稽古初日のカメラワーク(自転車に乗っているように見せる演技)の稽古が……ずっとサッカーをやってたんですけど、(サッカーの練習の)100倍くらいきつくて(笑)。ここ5年くらい味わってないくらいのものでした。

滝川 最初、どこに来た?

秋元 最初、肺でしたね。肺、腰、腿、下半身全部……キツかったですね~。

鈴木 翌日が大変でしょ(笑)? すごい筋肉痛に襲われるんです、毎回。

◆本作はそれぞれがインターハイの頂点を目指す話ですが、「ここだけはほかの人に負けない!」という部分はありますか?

舞台『弱虫ペダル 箱根学園篇 ~野獣覚醒~』の主人公は荒北! ゲネプロ公演&囲み取材をリポート_04
▲黒田の美脚に注目!?

鈴木 測ったことがないのでわからないですが、『ペダル』5作品目にして最長距離をこいでやろう、と(笑)。「いちばん漕いだぞ!」というところを記録の面で出していきたいですね。そこに熱さも乗せて届けたいです!

滝川 今回3回目の福富寿一をやらせていただくんですけど、階段を一歩一歩のぼるように、前回の自分を超えてやろう、と。100点はないので、「よりいいものを」という探究心はつねに持っていたいです。

秋元 僕は美脚で……。

鳥越 どこチャレンジしようとしてるの(笑)!

滝川 確かにキレイ(笑)。

秋元 そうなんです(笑)。

鳥越 僕はこの現場に入ってよく思うんですが、同年代でがんばっている人が多いので、熱量だけは負けたくないなと思っています。

◆最後にひとりずつメッセージをお願いします!
鳥越 今回、“箱根学園篇”ということで箱学にもひとりひとりのストーリーがあって、その中で総北や京伏(京都伏見)もがんばっていますので、ぜひ箱学だけではなく、総北や京伏も観ていただけたら。パズルライダーの方も一生懸命がんばってくださっているので、熱量が伝わればなと思います。

秋元 キャストとスタッフの皆さん、本当にカンパニー全員がつぎにつなげよう、最後まで駆け抜けようという気持ちで、全力を出し惜しみせずやっています。ぜひその熱さを届けたいなと思います。

滝川 この作品は出演者の熱量がいちばんだと思っています。お芝居ですが、その枠を超えて生きたお芝居をお届けできるように、舞台ならではの“生”感を体感していただけるよう、僕たちも頑張っていきます。

鈴木 『弱虫ペダル』はお客さまといっしょに想像を膨らませていけるという舞台の魅力が詰まった作品だと思っています。そういうところをぜひ楽しんでいただきたいですし、本作に関しては歴代でもっとも泥臭い試合をしてやろうという気持ちでいます。1回1回が真剣勝負だと思って取り組んでいるので、最後までその勝負を見届けてください。3日目に向けて、本公演の成功に向けてがんばります。