おまけで「大人向けの子供ゲーム」もあるよ

 先週末にアメリカ・ロサンゼルス近郊のカルバーシティで行われたインディーゲームイベント“Indiecade”。プレスと関係者オンリーの日も合わせると4日間に渡り、さまざまなインディーゲームが出展されていたわけだが、全部を紹介どころか、遊んでまわるのも無理な話。
 そこで記者がアンテナ代わりにしたのが、会場に遊びに来ていた子供たち。インディー好きのお父さんお母さんに連れられて来てるとはいえ、遊びのプロとして何かの真実を見つけ出してるに違いない! というわけで子供に受けてたゲームをまとめて紹介しよう。

9人で遊ぶ、大運動会系ゲーム! 『RUNBOW』

子供はいつだってわかってる。数多のインディーゲームから、特に子供にバカ受けだったやつ特集【Indiecade 2014】_09
▲9人同時プレイということで常に盛り上がってる感じになってた『RUNBOW』。覚える操作が少なくて、2Dプラットフォーマーやったことあればすぐに遊べるのも良かったかも。

 まずは任天堂の大きなテントでひときわ盛り上がっていた13AM GAMESの『RUNBOW』。ローカルで9人同時マルチプレイを実現した、Wii Uで2015年配信予定のパーティーゲームだ。
 基本的には2D横スクロールのプラットフォーマーアクションで、殴ったり道中で手に入れた妨害アイテムを使ったりして、とにかくゴールに先に着けばオーケー。何試合かやって、いちばん勝利数が多いプレイヤーが勝ちとなる。

 ギミックとしてオリジナルなのは、色を使った仕掛け。レースが進むに連れて背景色が変わっていくのだが、その際に背景色と同じものは一時的に消えてしまうのだ。これが「台に飛び乗ったつもりが消えちゃって落下」とか、「背景色が変わったせいで障害が出現して閉じ込められる」といったアクシデントが発生し、レースに刺激を与えるというワケ。

変な動きが面白い! スペースイッカククジラを飛ばし合う『Starwhal』

子供はいつだってわかってる。数多のインディーゲームから、特に子供にバカ受けだったやつ特集【Indiecade 2014】_05
▲なぜかキッズ集団が盛り上がりまくってた『Starwhal』PS4版。変な慣性のついた動きの面白みとド派手な色使いとエフェクトが秘訣かな?

 ソニーのテントで盛り上がっていたのが、カナダのBreakfallのアクションゲーム『Starwhal』。タイトル名はStar(星)とnarwhal(イッカククジラ)をかけた造語で、その名の通り、ネオンギラギラの宇宙で、ミョーな慣性で飛ぶイッカククジラをぶつけ合ってバトルする。
 最大4人プレイに対応しており、PC版はすでに配信中。Unity Web Playerを使ったプロトタイプデモも公開されている。プレイステーションプラットフォームではPS4とPS3での配信を予定。

作って壊すのは無敵の魅力。『Bloom the Game』

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▲『Bloom the Game』は変な形をした板を組み合わせていくアートプロジェクトに近い作品。ルールは特にないので、レゴ的にみんな好き勝手に繋げまくり。

 Indiecadeにはビデオゲームだけじゃなくて、ボードゲームや「俺の考えた新球技」やら肉体を使ったゲームもある。『Bloom the Game』は、どちらかと言えばアート作品に近いものだ。ちょっと複雑な形状のパーツを何十枚も用意してみんなで好き勝手に繋げていくだけで、いい感じになったらそれで完成。レゴ的な「作って、壊して」という感覚に突き刺さるのか、つねに子供が群がり、思うがままに楽しんでいた。

最早、シンプルながら燃える対戦ゲームの新定番?『Nidhogg』

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▲『Nidhogg』は小学校高学年~中学生ぐらいの子に受けていた。知らん技で殺されて「ちょ、今のなんだよー、ハメじゃん(ハメではない)教えてよー」と怒るシーンも。日本と一緒だ。

 Messhof氏による対戦ゲーム『Nidhogg』は、古いたとえをするならば、もはやインディー界の、あるいは2010年代の『バルーンファイト』か『スパイVSスパイ』なのかもしれない。
 すでにPC版でご存知の人もいると思うが、一応説明しておくと『Nidhogg』は、『カラテカ』を対人アリにしたような対戦ゲーム。プレイヤーは剣を持ってマップ中央で激突し、刺したり剣をぶん投げたり蹴っ飛ばしたり、まぁとにかく出し抜いて倒して先に進み、一番端っこまで行けば勝ち。一撃死する代わりに復活も早いので、超ハイテンポに攻守が入れ替わるハイテンションな戦いが楽しめる。
 インディー系のイベントでは結構見かける定番のタイトルとなっており、ソニーのテントに出展されていたPS4版も、つねに誰かしらが対戦して盛り上がっていた。

出落ち感高いが、シェフは面白い。『HOOT PATOOTER』

子供はいつだってわかってる。数多のインディーゲームから、特に子供にバカ受けだったやつ特集【Indiecade 2014】_07
▲『HOOT PATOOTER』は変な発音で喋るスウェーデン人コックの指示に合わせて野菜をぶん投げたりキャッチしたりするゲーム。傍から見てもルールがいまいちわかんなかったのだが、参加した人に聞いても「シェフが面白いけどルールはよくわかんない」と言っていた。多分シェフのトークありき。

 『HOOT PATOOTER』は、企業や大学のイベントなんかに呼ばれてレクリエーション用のゲームを提供するチームWise Guys Eventsの新作。
 プレイヤーは2人×4チームで、スウェーデン訛り(?)の英語で喋るシェフの指示に従って、青チームから白チームへ、はたまたあるいは青チームから緑チームへ、エプロンを使って野菜をぶん投げパスしていく。ラストはシェフが「スープ、スープ!」と言った時に鍋に野菜を叩き込み、遅かったチームは負け。
 ちなみに、具体的にどこが楽しいのかはよくわからないし、遊んだ人もよくわかっておらず、でもなんとなく楽しいのだけは事実という、これがレクリエーションのプロならではの技なのか悩ましい存在なのだが、お父さんお母さんとやってる子供たちは楽しそうだったのでオールオッケーということにしたい。

おまけ:子供時代の素朴な悩みをゲームにした『HOW DO YOU DO IT?』

子供はいつだってわかってる。数多のインディーゲームから、特に子供にバカ受けだったやつ特集【Indiecade 2014】_10
▲はっはっは、子供は純粋ですね、なんて結論で終わってたまるか。というわけで「11歳の女の子が、性に興味が出てきたけどお母さんが何も教えてくれないから人形を使って自分流で模索する」ゲームをついでに紹介。いやまぁ、純粋だからこそこうなるんですがね。

 と、子供がいつまでもピュアで汚れを知らない存在かのような扱い方になってしまったので、少し早い青春のドロドロした部分を表現した大人のゲームも紹介しよう。
 ニーナ・フリーマン氏が中心になってグローバルゲームジャムで開発した『HOW DO YOU DO IT?』は、同氏の子供の頃の問題をゲームにしたもの。主人公は11歳の女の子で、お母さんがちょっとおつかいに出かけた隙に、服を脱がせた男女の人形を取り出して遊び始める。
 そんなことをする理由はたったひとつ。「セックスってなんなの?」 お母さんからの「大事な話」をちゃんと受けてないので、「こう? それともこんな感じ? あの子はキスとハグを一杯するって言ってたけど、タイタニックのハグはあたしがお母さんにするハグとなんか違ってたし……」と、人形をぶつけながら思いを巡らすのだ。

 いろんなことを思い出して胸がツーンとしますね、ハイ。お子様には適切な時期にちゃんとお話してあげてください。(唐突に教育的な締め)

子供はいつだってわかってる。数多のインディーゲームから、特に子供にバカ受けだったやつ特集【Indiecade 2014】_01
子供はいつだってわかってる。数多のインディーゲームから、特に子供にバカ受けだったやつ特集【Indiecade 2014】_02
▲FLASHで公開されているので、気になった人はリンクからプレイ。WASDで人形を動かして
JとKで回転するだけ。
▲「やりかた」なんてわからないので人形をガッチャンガッチャンぶつけます。本当にそれだけ。
子供はいつだってわかってる。数多のインディーゲームから、特に子供にバカ受けだったやつ特集【Indiecade 2014】_03
▲ママが帰ってくると終わり。急いで隠す姿がかわいい。多分ばれてると思うぞ。(スコアによってはお母さんが赤面してることもある)
子供はいつだってわかってる。数多のインディーゲームから、特に子供にバカ受けだったやつ特集【Indiecade 2014】_04
▲「79回ぐらいしたんじゃない?」何をもって1回とカウントするものなのかもよくわからないのでスコアもあやふや。なお記者は69回というスコアを叩きだして周囲から喝采を受けました。(なんで69回だと受けるのかをお母さんに聞かれると色んな人に怒られることになるので、そういうものだとご理解ください)