4地域が参戦した国際親善試合

『AVA』日本代表Recycleのチームワークが世界の強豪を圧倒! 国際親善試合“AGC2014 ”リポート【TGS 2014】_01

 2014年9月21日、ゲームオンは東京ゲームショウ 2014において、オンラインFPS『Alliance of Valiant Arms』(以下、AVA)の護衛部門の国際親善試合“AGC2014 ”を開催した。

 本大会に参加したのは、日本、韓国、台湾、中国の4地域。激戦を制し、日本代表クラン“Recycle”が優勝の座を勝ち取った。

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▲解説は『AVA』日本運営プロデューサー・井上洋一郎氏(中)、実況はmejika氏(右)が担当。
▲決戦の舞台となったCyber Games Asia特設会場には多くの観客が詰めかけた。

 なお、試合開始前に、今後のアップデート内容が発表された。豪華ゲストも登場したので、下記の記事を読んでほしい。

『AVA』遠藤ゆりかさんも、みーちゃんさんも、恭一郎さんも、cArnさんも、新マップ&新モードに大興奮!【TGS 2014

護衛モード=『AVA』の柱のひとつ

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▲攻め側のプレイヤーが近付くと戦車が前進する。

 大会リポートに入る前に“護衛”モードの簡単な解説を。“護衛”とは、攻め側は戦車を目的地まで進め、守り側はそれを阻止するのが目的という『AVA』独自のモード。大半のFPSで人気の高い“爆破”モードと、この“護衛”モードを2本の柱として、大会の運営が行われている。

 『AVA』では国際大会も頻繁に開催されているが、護衛のみの国際試合を日本で開催するのは初めての試み。ゲームオンとしては、世界的に護衛モードを盛り上げたいという意図があるのだろう。

 国際大会に参加し始めた当初は、日本は韓国や台湾といった強豪国にまったく歯が立たなかった。しかし、ここ最近は徐々に実力が肉薄。こと護衛モードにおいては、日本が頭ひとつ抜けたレベルにある。

 日本代表のRecycleは過去にも国際試合に出場したことがあるが、そのときは惜しくも2位に終わっている。Recycleが世界の頂点に立てるかどうか、注目が集まった。

【出場クラン】
Recycle(日本)
cReScendo(韓国)
monster(台湾)
Eyone.n4hunter(中国)

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AIM力とチームワークのぶつかり合い

■準決勝第1試合 cReScendo(韓国) VS Eyone.n4hunter(中国)

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 cReScendoには2009年に韓国で開催された護衛大会の優勝メンバーがひとり在籍。対するEyone.n4hunterは、4月のニコニコ超会議内で開催された爆破部門の国際試合にも出場している。

 試合はEyone.n4hunter先攻で幕を開けた。2分経たずに第一防衛ラインを突破し、上々の滑り出しを見せる。強豪の日本にターゲットを絞っていたであろう韓国や台湾にとって、思わぬ伏兵が潜んでいた形となる。

 複数でまとまって動くことで、多対1の状況を作り出すのがEyone.n4hunterの特徴。撃ち合いの主導権を握り続けたEyone.n4hunterが勝利を収めた。

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■準決勝第2試合 monster(台湾) VS Recycle(日本)

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 Recycleは日本の護衛勢のなかで長く上位に君臨するクランだ。台湾代表のmonsterはEyone.n4hunter同様、4月開催の国際試合に出場している。

 monster先攻でゲームがスタート。3分ほどで第1防衛ラインを突破され、Recycleにとってまずい立ち上がりに。とはいえ、Recycleは個人技よりもチームワークで勝ち上がってきたクランだ。一度立て直してしまえば守りは堅く、丁寧な連携でmonsterの攻撃の芽を摘み取っていく。

 何度かmonsterの勢いに押される場面はあったものの、Recycleがチームワークをもってmonsterを制した。「チームワークでモンスターを倒す」。何だかMMORPGみたいなフレーズである。

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■決勝 Eyone.n4hunter(中国) VS Recycle(日本)

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 Recycleの先攻で決勝戦が始まった。高いAIM力を誇るEyone.n4hunterは一気に襲いかかり、その殲滅力でRecycleの動きを封じていく。開幕は完全にEyone.n4hunterペースだ。

 準決勝と決勝を見る限り、ややスロースターターな印象のあるRecycleだが、立て直しは非常に素早かった。第一防衛ラインを約3分で、第二防衛ラインを約2分で突破してしまったのだ。その後もRecycleの攻めは危なげなく続き、余裕をもって前半を折り返した。

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 守りに回ってもRecycleの安定感は際立っていた。FPSのマップには、キープしておくと有利に立ち回れる“拠点”的な場所が付きもの。Recycleはそういう場所をきちんと確保するため、大きく崩れることが少ないのだ。

 しかし、Eyone.n4hunterもただでは終わらない。たとえ攻めをいなされても、しぶとくRecycleに食らいつく。残り2分になると両チームともに声を張り上げて撃ち合い、まるで正面からの殴り合いを見ているようだった。

 最後の最後で総力戦を制したのは、Recycle! かつて、すんでのところで世界一の座を逃した実力派クランが、ついに優勝の栄冠を手に入れた。

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護衛部門は群雄割拠の戦国時代に突入!?

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 今回の試合で使用された“RISING DUST”は、戦略よりも撃ち合いの強さに左右されやすいマップだ。それなのに、優勝したのはチームワークに秀でたRecycle。見事に日本の護衛の強さを証明できた。

 中国も韓国も台湾も、撃ち合いは強かった。だが、“煙幕で敵を視界を遮ってから飛び出す”や“拠点の占拠を優先する”などの、戦略的な動きはあまり見られなかった。

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▲MC・遠藤ゆりかさん(左)、実況・トンピ?氏(中)、解説、かえでlノ゚―゚lノ氏(右)。

 この点について、ニコ生での配信で実況と解説を担当した護衛プレイヤーのトンピ?氏とかえでlノ゚―゚lノ氏に話を聞いたところ、

・4月の大会と比べて世界のレベルが上がっている
・たしかに煙幕の少なさは気になった
・“海外は撃ち合い、日本は戦略”というイメージがあった
・Recycleの撃ち負けはそれほど目立たなかった
・海外勢は戦略を煮詰めきれていないのではないか

 などの感想を抱いていた。撃ち合いが強すぎるために、からめ手を研究する必要がなかったのかもしれない。

 海外勢が弱点を補強したら、Recycleを脅かす存在になるのは間違いない。護衛部門はしばらく日本一強時代が続いている。Recycleにはディフェンディングチャンピオンとして、その時代を守り抜いてほしい。

 また、実況・解説のおふたりによると、日本国内では頂点を狙える護衛クランが続々と出てきているらしい。優勝候補がたくさんいる大会は、単純に見ていてワクワクする。群雄割拠の戦国時代に突入すれば、護衛部門はさらなる盛り上がりを見せるはずだ。

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▲準優勝・中国代表 Eyone.n4hunter
▲優勝・日本代表 Recycle
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▲大会終了後、Razerデバイスなどの豪華景品が当たる抽選会が実施された。