千葉・幕張メッセにて、2014年9月21日まで開催中(19日はビジネスデイ)の“東京ゲームショウ”。会期中の9月19日、『Destiny(デスティニー)』のリードデザイナーである、Bungie(バンジー)のジェームズ・サイ氏にインタビューを実施。

●いままでの作品にはなかった“やわらかいつながり”とは?

▲『Destiny(デスティニー)』リードデザイナー James Tsai(ジェームズ・サイ)

 
 千葉・幕張メッセにて、2014年9月21日まで開催中(19日はビジネスデイ)の“東京ゲームショウ”。会期中の9月19日、『Destiny(デスティニー)』のリードデザイナーである、Bungie(バンジー)のジェームズ・サイ氏にインタビューを実施。「追加されたばかりの新コンテンツ、クリアーされましたね!」などなど、いろいろ聞きました。

──ジェームズさんは、Bungie(バンジー)でいままでどのようなタイトルを手掛けられていたのですか?

ジェームズ・サイ氏(以下、サイ) Bungie(バンジー)には5年いますが、まずは『Halo:Reach(ヘイロー:リーチ)』のマルチプレイ部分に関わり始めました。それから、『Destiny(デスティニー)』のプロトタイプ・フェーズにおいて、世界やアドベンチャーといったデザイン部分から関わり、さらにそこからマルチプレイである“ストライク”のリードデザイナーに移ってきました。

──なるほど。いままで、Bungie(バンジー)はさまざまなIPを手掛けられていますが、今回の『Destiny(デスティニー)』はとても規模が大きい新規のIPというところで、これまでのBungie(バンジー)の作品ともっとも違う部分、押し出したい点について、どういうふうに意識されていたんでしょうか?

サイ カッコいいアートスタイルとFPSを組み合わせたもの、という要素については、過去の経験から『Destiny(デスティニー)』に持ち込みました。新しく入れた要素としては、ソーシャル要素ですね。とくに本作においては、“やわらかいつながり”──ほかのプレイヤーが自分の世界に入っては出てをくり返し、自分も同じようにほかのプレイヤーの世界に参加する、ということが行われていますが、そういった要素はいまままったく触ってきていなかったので、どの程度のやわらかさがお互いにとって心地いいのか、どの程度がゲームを偏らせないのか、というところに非常に重きを置いて設計しました。あとは、いろいろなプレイヤーが見えることにより、自分より進行度が先の人もいれば、そんなに進んでいない人もいる、というようなことがわかります。自分よりも進んでいるプレイヤーを見たときに、自分が見たこともない武器や装備を持っていると、「あれ、どこで手に入れたんだろう」という疑問が生まれる。そういったナチュラルな思考プロセスも、ずっと作りたいと思っていました。また、ユーザーさんから好評を得ている褒賞システムですね。敵から得られる武器や装備といったものは、非常に考えを詰め込んで世に送り出したものなので、そこはユーザーさんに楽しんでもらえると思っています。

──本作は日本も含めて全世界で発売されていますが、ユーザーさんの反応について、想定内のもの、想定外のものはありますか?

サイ 非常に多くのユーザーさんに遊んでいただき、たくさんのコメントをいただいているので、とくに想定の範囲内・外というものはありませんね。ただ、ユーザーさんのゲーム内の動向的なもので、大きく想定を超えていたことがありました。本作にはストーリーやマルチプレイ、対戦など数々のモードがありますが、多くのユーザーさんが、すべてのモードを遊んでくれているんです。たとえば、ストーリーを中心に遊ぶユーザーさんはほかのモードにはあまり手を出さない、というふうな動きになると思っていたので、そこは想定外のポイントでしたね。

──想定、というポイントでもうひとつ質問です。先日解禁された“レイド”はだいぶ難度が高い新コンテンツですが、解禁初日にクリアーするクランが現れる、という結果となりました。これについてはいかがでしょうか?

サイ これについても、想定の範囲内な部分とそうでない部分があります。『Destiny(デスティニー)』を遊んでくれているコアユーザーさんたちは、この手のゲームに対して非常に、よく理解されているので、レイドについても比較的早くクリアーされるんじゃないかな、とは思っていました。ただ、想定よりは早かったですね。想定を超えてうれしかった点としては、クリアーしたクランの方々が生配信を行い、ほかのプレイヤーも同じように体験できるようにしてくれていたことです。ユーザーさんが自身のノウハウをもって世の中に発信してくださるということについて、ある程度はされるだろうなと思っていたのですが、こういうポイントで最初からいきなりやってくれるとは思っていなかったので、非常にうれしいです。レイドについては、ほかのミッションと同じように難度を選べるようになりますので、“高難度”でクリアーするプレイヤーが現れたら、本当に驚くと思いますよ。

──これ以上難しくなると、困ってしまうユーザーが増えるかもしれません(笑)。

サイ ユーザー側の精神状態や体調など、どんな状況においてもゲーム側が楽しみかたを提供できるということを、ゲームとしてのひとつの目的、目標としていました。すごくやる気満々で5時間遊ぶぞ! みたいなときも、今日はちょっと疲れているから少しだけにしておこう、みたいなときも、それぞれにマッチしたいろいろなコンテンツを用意できているということは、非常にうれしいことだと思います。

──プレイステーション4にはシェア機能がありますが、そういったところで意識した点、開発してみて感じた部分などを教えてください。

サイ いまのゲームはWebで情報が伝わるのが早く、ゲーム内のあまり紹介していないような細かい部分も含めて、ユーザーさんの情報発信によって伝わったほうが盛り上がることもたくさんあると思っていますので、そういう伝わりかたを意識して、シェア機能を使ってほしいと、開発段階から考えていました。プレイステーション4のシェア機能について、ボタンひとつで「見せたい!」と思っているものを世の中に簡単に見せられるというのは非常に有用な機能だと思うので、ぜひ使っていってほしいですね。

──現在、レベルキャップが20に設定されていますが、レベル20に到達したあとの楽しみかたなどを教えてもらえますか?

サイ レベル20到達後のほうが、やることが多いと考えています。装備の中には“光”という要素を持っているものがあり、それによって装備で底上げされるレベルというものがあるので、そこを工夫することでより難しいミッションに挑めるようになると思います。特定の難しいミッションは、ある程度、“光”装備を揃えていないと入れないようにするなど、エンドコンテンツに向けていろいろと考えています。装備の入手方法もいろいろありますので、“光”レベルを積んで、これからもさまざまなミッションにチャレンジしてほしいですね。

──エンドコンテンツも含めて、今後の『Destiny(デスティニー)』の展開について教えてください。

サイ ユーザーさんの行動によって得られるデータをもとに、たとえば特定の敵が強すぎた場合にさまざまな角度から調整を行うなど、ゲームとユーザーさんの摩擦を極力なくして快適に楽しめるようにするバランス調整はずっとやり続けます。あとは、コンテンツを追加していって、ユーザーさんがやれることを底上げしていく、といったこともやり続けていきたいと思っています。

──では、最後に日本のゲームファンに向けてメッセージをお願いします。

サイ 『Destiny(デスティニー)』を購入してくださった皆さんはもちろん、『Destiny(デスティニー)』に興味を持ってくださったユーザーさんに対して、お礼を伝えたいです。Bungie(バンジー)としては、日本のマーケットに対してこういった大きなスケールで入ってこれたのは過去にあまりなかったことなので、非常に喜ばしく思っています。今後もこのような日本との関係はずっと続けていきたいですし、我々は『Destiny(デスティニー)』をひとつの大きな冒険と捉えていますので、引き続き我々といっしょに、『Destiny(デスティニー)』という大きな冒険を楽しんでほしいと思います。

──ありがとうございました。Bungie(バンジー)さんの今後と、次回作にも期待しています!