爆アツのインタビューを再掲!

 2014年9月4日に発売された、カプコンのアクションゲーム『ガイストクラッシャーゴッド』。ガイストと呼ばれる金属生命体をクラッシュしていくマルチプレイアクションゲームだ。本記事では、2014年9月18日・25日合併号の週刊ファミ通に掲載した、制作陣へのインタビューを再掲する。

【『ガイストクラッシャーゴッド』とは?】
 突如出現し、人類を襲う謎の金属生命体“ガイスト”。本作では、唯一の対抗策である“ガイストギア”という武装を身にまとい、戦う少年たちの成長物語が描かれる。攻守万能な“メイルフォーム”と猛攻型の“ウェポンフォーム”に自在に変形するガイストギアは、計300種類にも迫るほどの数が存在し、それぞれに特徴が異なっている。ギアごとの特徴を巧みに活かし、多彩なアクションを駆使してガイストをクラッシュするのだ。

『ガイストクラッシャーゴッド』制作陣の小林裕幸氏、野中大三氏、田中俊宏氏にインタビュー_01
『ガイストクラッシャーゴッド』制作陣の小林裕幸氏、野中大三氏、田中俊宏氏にインタビュー_02
▲シングルプレイは、ストーリーパートとバトルパートで展開。プレイヤーの何倍もの大きさを誇るガイストに立ち向かえ!

テンポのよさがシリーズの真骨頂

『ガイストクラッシャーゴッド』制作陣の小林裕幸氏、野中大三氏、田中俊宏氏にインタビュー_03
(写真左)
エグゼクティブプロデューサー
小林裕幸氏
カプコンのビッグタイトルを数多く手掛けるプロデューサー。本作は、総監督的な立場で制作チームを牽引した。(文中は小林)

(写真中央)
プロデューサー
野中大三氏
前作に引き続き、制作を指揮。ストーリー原案の構成からアクション難度の調整まで、本作のほぼすべてに携わる。(文中は野中)

(写真右)
ディレクター
田中俊宏氏
野中氏の右腕として制作全般を担当したディレクター。本作の大幅なパワーアップは、氏の尽力の賜物。(文中は田中)

──『ガイストクラッシャー』シリーズは、『ガイストクラッシャーゴッド』で2作目となります。まず、本シリーズを立ち上げた経緯について、改めて教えてください。

小林 カプコンのキッズ向け作品としては、以前『ロックマン』シリーズをリリースしていましたけれど、だいぶご無沙汰していまして。『ロックマン』で遊んでくれていたキッズたちは、きっといま『モンスターハンター』や『バイオハザード』で遊んでくれていると思うのですが、“小さいころからカプコンのゲームに触れてもらう”ということは、ゲームメーカーとしてすごく重要なことだと思います。そして、僕はそんなキッズ向けの展開をずっとやってみたかった。それが結果的に『ガイストクラッシャー』という形になったんです。

── 確かにいま、ゲームメーカー各社がキッズマーケットに注目している気がします。

小林 そうですね。そして、キッズ向けの展開を考えているとき、たまたま野中がカプコンに入社してきたんです。彼はもともとキッズ方面に強かったので、そのノウハウを活かしてくれれば大きなことができるんじゃないかと思い、彼とともに企画を立ち上げました。

── キッズ向け作品というものにはメディアミックスが不可欠だと思うのですが、小林さんは『戦国BASARA』を始め、そういった展開が得意だというのも理由のひとつですか?

小林 でも、大人向けとはかなり勝手が違いますよ?(笑)。とくに、作品を知る経路というのは口コミが大きいですが、口コミを作るためには、マンガやアニメといったメディアで広めていかなければいけない。

野中 メディアミックスは、避けては通れません。『ガイストクラッシャー』ももちろん、アニメ、マンガともに展開しています。しかも、アニメの放送時期に合わせてエピソードを展開するということもやっているんです。

── と言いますと?

野中 たとえば、アイスガルドという寒い地方での戦いを描いたエピソードを、今年の1月ごろに放送するとか。暑くなってくるころに水着の回を入れよう、とかもありますね。

── なるほど!

田中 それと、ゲームのストーリーを“第○話”としているのも、アニメの放送回を意識したものですね。そして、前作は全52話。つまり、テレビアニメとほぼ同じ話数でストーリーが終わるという形になっています。

── 確かに! 1話がコンパクトにまとめられているので、テレビを観ているような感覚で遊べる部分も、狙いなんですね?

野中 そういう狙いでもあり、ほかのタイトルと差別化を図る部分でもありますね。

── 差別化というのは、具体的にどの部分を指しているのでしょうか?

野中 『ガイストクラッシャー』シリーズはマルチプレイでも遊べますが、マルチプレイの代表としては『モンスターハンター』シリーズがあるわけです。自社の大きなタイトルなので部分的には参考にすることもあるものの、意識しすぎると同じようなものになってしまいます。そこで、『ガイストクラッシャー』は、ひとつのエピソード、つまり1回あたりのプレイ時間が2~3分になるということを徹底して調整を行いました。

── そのおかげで、ゲームのテンポがかなりスピーディーな感じがします。

田中 これには、ほかの利点もあります。1エピソードが短いから、やり直しやすい。ということは、ある程度、きびしめの難度に設定することができるんです。

── 確かに、敵に対して有利な属性で挑まないと、かなりきびしいですね。

野中 ですよね?(笑)。『モンスターハンター』のようにじっくりプレイするマラソンタイプもいいですが、ある意味『ガイストクラッシャー』シリーズは正反対の短距離走。その魅力を核にしてゲームを設計しています。

強敵を多数追加!! でも……イージーモードもあります!

── さて、ここからは本作についてより掘り下げてうかがいたいのですが……制作陣が推したい最大のポイントはどこでしょう?

野中 そうですね……前半は基本的に前作と同じになりますが、ゴッド編は敵が強いです! 何しろ、戦う相手は文字通り、ゴッドなガイストですからね(笑)。

── 前作のガイストは神獣がモチーフですが、そこから“ゴッド”になるのは、ランクアップしすぎな気もしてしまいますが?

野中 でも、それが王道ヒーローものですよ。強さのインフレは基本です!(笑)

── なるほど(笑)。

田中 ゴッドガイストは強さももちろんですが、あっと驚く技もいろいろ使ってくるので、そこも楽しみにしていただきたいですね。体力が半分くらいになってからが勝負です!

野中 もちろん、それぞれちゃんと攻略できるようになっていますので、それを見つけ出していただければ勝てますよ。見つけるまでは、たいへんかもしれないですけど。

田中 また、ゴッドガイストのガイストギアを手に入れることができれば、かなり強いです。ぜひ入手方法を見つけていただいて、ゴッドガイストギアで戦ってみてください。

── ゴッドガイスト以外にも、かなりの数のガイストが追加収録されるようですね?

田中 ガイストの合計は300種類に迫るほどになりました。ネタ出しがたいへんです(笑)。

── 個人的な印象なのですが、ゴッドガイストを含め、全体的にカプコンらしさが漂っているのはスゴいと思いました。

野中 それは意識してやっています。『ロックマンエグゼ』とか、『流星のロックマン』っぽくなるような感じで。

── ああ、やっぱり!

田中 ちなみに、今回から“GNA遺伝”という要素でガイストギアの性能をほかのガイストギアにコピーできるので、ガイストギアを見た目で選んでいただいてもいいんじゃないかと思います。通信対戦やすれちがい通信で遊ぶときは、見た目で強さが図れなくなっているので、おもしろいですよ。

── 愛着たっぷりのガイストギアがある方にはうれしいですよね。新ガイストと言えば、『モンスターハンター4G』と『戦国BASARA4』とのコラボガイストも追加されています。

『ガイストクラッシャーゴッド』制作陣の小林裕幸氏、野中大三氏、田中俊宏氏にインタビュー_04

小林 そうですね。ただ、違う世界観を持つタイトルをもとにガイストを作るのは、なかなかたいへんなんです。

田中 もともとのイメージを崩さないために、けっこうな労力を使ってますね(笑)。

野中 開発会社のトレジャーさんがすごくがんばってくれて、アクションのクオリティーがとても高いものに仕上がりました。

── モンスター・ガイマガラの動きには驚きました。さて、ガイスト全般についてですが、前作と大きく変わっている部分は?

田中 エクストリームフォームでコンボが狙えるようになったことと、特殊な効果を持つ攻撃方法が増えていますね。あとは、新ガイストは多足タイプの新ガイストが多いです。カブトムシやイカなどいままでにないタイプなので、新鮮な気持ちで戦えると思います。

小林 強い敵は多いですが、『ガイストクラッシャーゴッド』を初めて遊ぶ方も安心してほしいですね。じつは今回から、イージーモードを追加することにしたんです。

── おお! 親切設計ですね!

小林 アニメやマンガなどで興味を持っていただいた方の中には、アクションゲームが得意じゃない方もいると思うんです。だから、どうしてもイージーモードは入れたかった。

── 確実にそういうファンはいると思います。一度それでクリアーしてから、より深く遊びたい人は、ノーマルにしてプレイしてみる、ということですね?

野中 はい、覚悟してください!

── では、最後になりますが、これから『ガイストクラッシャーゴッド』を遊ぶ方に向けて、メッセージをお願いします!

小林 マンガやアニメのおかげで、キャラクターたちの人気も出てきました。「世界観や物語が好き」という方は、パワーアップしつつも親切設計になっているので、尻込みせずに楽しんでいただけるとうれしいですね。

田中 『ゴッド』は、前作の正統進化と思っていただいていいと思います。間口を広げたうえで、アクションとしての深みも増していますので、前作を遊んでくださった方も、まだ遊んだことのない方も、ぜひ一度触れてみてください! 楽しめると思います!

野中 クオリティーとボリュームの両面で、前作をしっかり上回れた作品だと思います。そして育成や通信対戦などのやり込み要素も充実させて、長く遊べるものになりましたので、ぜひ期待してください!

『ガイストクラッシャーゴッド』制作陣の小林裕幸氏、野中大三氏、田中俊宏氏にインタビュー_05