全米からゲームファンが大集結!
2014年4月11日、アメリカのボストンでPAX EAST 2014が開幕した。初日の模様をお届けしよう。
アメリカのゲームイベントとしてはE3が有名だが、あちらは基本的にゲーム業界の人が集まるショーケース(ゲーム系の学校に通っていたり、ゲームショップでバイトしているファンが趣味全開で遊びにくることもあるが)。100%ゲーマーのためのイベントであるPAXは性質がまったく異なる。
強いて例えるならば、東京ゲームショウの一般日を10倍フリーダムかつワイルドにしたようなものをイメージしてみてほしい。PAXはコスプレのまま参加できるし、業界の有名人もそこら辺を歩いているので、あるシーンを切り出すと以下のような感じになる。
「スネークのコスプレ兄貴を撮影しているあいだに『バイオショック インフィニット』の主人公カップルの衣装を男女逆にしたバージョンと、リンクとルイージと3人組のスパイダーマンが通り、すぐそばのブースでは『ギアーズ オブ ウォー』シリーズのクリフ・ブレジンスキー氏が2K Games の新作『EVOLVE』をプレイ中。その50メートル向こうではゲームネタ動画で有名なMEGA64の3人が勢ぞろいでファンと話し込んでいて、すぐ隣のブースではOculus VRの創設者パルマー・ラッキー氏が座っていて、VRヘッドセットOculus Riftのデモを体験するゲーマーを眺めている。逆サイドでは『League of Legends』のコスプレ大会が行われていて、黒山の人だかり」
しかもこういった展示関連以外に、PAXには音楽ライブや新作の発表、「次世代機戦争はどうなったか」という大きなテーマでジャーナリストが語り合うものから「カップルのゲーマー生活をうまくやるには」なんてニッチなネタまで各種講演がある。
まさにカオス。しかしこれこそがPAXだ。
そしてPAXが素晴らしいのは、そんなカオス状態の中、みんな好き勝手に過ごしていることだ。PAXで初お目見えの超大作のプレゼンやデモもあるし、実際人も集まるが、そういった業界の注目を一切無視して初日の朝からインディーブースに入り浸る人、通路でカードゲームしてる人、『Rock Band』大会に参加して音程を盛大に外しながらFoo Fightersを熱唱する人もいて、本当にバラバラ。
ゲームファンから業界人まで、ビデオゲームが好きという共通点でみんなが集まり、超大作から個人製作のインディーゲームまで、あらゆるゲームを肴に朝から晩まで盛り上がり続ける……。ボストンにコアゲーマーの巨大コミュニティが一夜にして出現する3日間が今年もやってきた。(取材・文・写真:ミル☆吉村)