2013年12月21日(土)、東京飯田橋のライブハウスSPACEWITHにて、ゲームミュージックロックの祭典“PHANTASM ~俺たちサンタクロース~”が開催された。その様子をリポートしよう。

●ゲーム系バンドのライブイベント

▲珍しいゲーム系バンドライブの舞台となったのは、飯田橋駅より徒歩10分の閑静なオフィス街の一角にあるライブハウス“SPACEWITH”。

 2013年12月21日(土)、東京飯田橋のライブハウスSPACEWITHにて、ゲームミュージックロックの祭典“PHANTASM ~俺たちサンタクロース~”が開催された。ここでは、その様子をリポートしよう。

 “PHANTASM ~俺たちサンタクロース~”は、ゲームサントラレーベル“クラリスディスク”と、個性的なラインナップを展開するゲームセンター“高田馬場ゲーセン・ミカド”による共催イベント。音楽とアーケードゲームにちなむふたつの団体が、ライブハウスを舞台にしてくり広げるゲームサウンドイベントなのだ。

 ステージは“BAD CONNECTION”の演奏で幕を明けた。数多くのレトロゲームサウンドトラックをリリースしているCDレーベル“クラリスディスク”の関係者+助っ人が集まって、本イベントのために結成したというこのバンド。デビューステージとなるこの日の演奏は、同レーベルが過去にリリースしたレトロゲームサントラより『ワイルドガンズ』、『飛竜の拳3』などの渋く(?)レトロな名曲をチョイス。また“ジャレコ公認バンド”という名の通り、往年のジャレコゲームのタイトルからも『ファンタズム』や『湾岸戦争』を演奏。サウンドだけでなく、ニコニコ生放送“ロムカセットTV”でおなじみの“マーブル先生”(キーボード)のMCと訓練された(?)クラリスディスクファンとのやりとりも、会場を大きく盛り上げた。

▲レトロファミコンゲーム好きにはおなじみの“マーブル先生”はボーカル曲も披露した。

 続いては、『雷電』シリーズをはじめ、90年代にセイブ開発で多くのアーケードゲームサウンドを手掛けた佐藤豪氏が率いる“佐藤豪バンド”が登場。ウインドシンセがリードメロディを奏でるロックフュージョンのスタイルで自曲のカバーを中心に演奏。
 セイブ開発時代の代表曲のひとつである『バイパーフェイズワン』のステージ曲や、当日会場にいたトライアングル・サービス藤野社長に捧げた“CLOUDY
TODAY,AGAIN!”(『トライジール』1面BGM)のバンドアレンジ、そして終盤には佐藤氏が曲を手掛けて、同バンドのリードギタリストで佐藤氏の弟子イッチーが効果音で参加しているオンラインRPG『チョコットランド』(ハンゲーム)の楽曲も演奏した。

▲的確なリズムとテクニカルなフレーズで聴かせる佐藤豪バンド。いずれのパートもバンド経験豊富な職人が揃う。

 3番目に登場したのは元東亜プランのサウンド&プログラマー、上村建也氏が率いるバンド“U-BRAND”だ。80年代~90年代前半に数多くの個性派アーケードシューティングを送り出したメーカー“東亜プラン”のサウンドを80年代HR(ハードロック)テイストにアレンジ。今なおゲームマニアの記憶に残る『究極タイガー』、『アウトゾーン』、『ドギューン!!』のステージ曲を演奏した。上村氏の速弾きシーケンスはまさに王道HRというもの。新曲(『ゼロウイング』より)もあったが、ただいま練習中ということでイントロだけを披露という一幕も。

▲“U-BRAND”のフロントマンである上村建也氏。往年のギターキッズ振りを思わせる速弾きフレーズを見せてくれた。

 そして、トリを務めたのは“HEAVY METAL RAIDEN”。2011年に『雷電』サントラBOXの発売を記念して『雷電』関係者によって結成された、セイブ開発浜田社長お墨付きのバンドで、アーケードシューティングファンにはおなじみの『雷電』シリーズのステージ曲をヘビーメタルにしたサウンドを展開。その後も精力的に活動を続け、2012年開催のゲームサマーフェスティバル2012“音撃”など数々のゲーム系ライブイベントに出演経験もある、実力派ヘビーメタルバンドなのだ。
 メンバーは原曲の作曲者である佐藤豪氏(ベース)を筆頭に、『RAIDEN FIGHTERS ACES』(Xbox 360版)のプロデューサー兼ディレクターのサクセス所属コンポーザーWasi303氏(サイドギター)、サントラ音源の収録を手掛けたINH社長イケダミノロック氏(リードギター)という関係者をはじめとした『雷電』スピリットを受け継ぐ面々。オーディエンスを煽るイケダ氏のパフォーマンスや、過激なメタルサウンドはもはや貫禄を感じさせるほどだ。40分の爆音ステージでフロアは最高潮に達した。

▲盤石のサウンドでオーディエンスを沸き立たせる“HEAVY METAL RAIDEN”のステージ。

 ラウドなロックゲームサウンドで年の瀬の夜を焦がしたアツい3時間。チケット完売のフロアは終始ギッシリ人で埋まるほどで酸欠気味(?)でもあったが、会場にいる全ての者が心地いい疲労感と爆音を堪能したのではないだろうか。

(取材・文:フリーライター大瀬子ヤエ/写真提供:大塚ギチ)