新たな“フクシ伝説”がここに刻まれる!?

落合福嗣は、とんでもないゲーマーだった! フクシくんが選ぶ2013年のベストゲームとは!?_01
マルチタレント
落合福嗣(おちあい ふくし)

コラム執筆や評論、音楽活動などをマルチにこなすタレント。両親は落合博満さんと信子さん。テレビドラマ『猫侍』の主題歌『我が道よ』を歌う“NOAH”の一員としても活動中。ちなみに、『我が道よ』はネット配信されるとオリコンチャート9位にランクインするなど、好調なセールスを記録。ゲームを年間100本近く遊ぶ、大のゲーム好きでもある。現在は『バットマン:アーカム・ビギンズ』と『実況パワフルプロ野球2013』を絶賛プレイ中だとか。「『アーカム・ビギンズ』は、バットマンのマントの動きがじつにいい感じなんですよ~(福嗣)」とのこと。

 フクシくん、マジで半端ないって!

 ……のっけから興奮のあまり、思わずくん付けしてしまった“フクシくん”とは、落合福嗣さんのことである。福嗣さんと言えば、現在はコラムや評論の執筆、音楽活動など、さまざまな分野で活躍するマルチタレント。三冠王を3度も獲得した伝説の野球人、落合博満さんのひとり息子でもある(母親は落合信子さん)。かつて、テレビや雑誌で活躍していた福嗣さんのさまざまな“フクシ伝説”を覚えている方も多いのではないだろうか。

 そんな落合福嗣さんが、“無類のゲーム好き”らしいという噂を聞きつけた記者は、週刊ファミ通2013年12月19日号に掲載した“あのヒトが選ぶ 2013年ベストゲーム”という記事作成のため、本人へのインタビューを敢行。2013年のベストゲームを3本挙げてもらうことにした。すると、出るわ出るわ、ゲームタイトルの山。当初は3本を選ぶはずが、話は広がり、けっきょく50本近いゲーム名が飛び出すことに。……これは週刊ファミ通の誌面だけで完結させるのがもったいない! というわけで、ここからは、ファミ通.comで落合福嗣さんへのインタビューの内容を全文掲載しよう。……福嗣さんのゲーマーっぷり、マジで半端ないから、心して読んでほしい。

ゲーマー、福嗣さんにインタビュー

――本日はお時間をいただきまして、ありがとうございます。週刊ファミ通の企画で、タレントや声優、スポーツ選手など、いろいろな分野で活躍されているゲーマーの皆さんに、2013年にハマったゲームを3本挙げてもらう記事を予定しています。福嗣さんはかなりのコアゲーマーだと聞いたので、今回こうして取材の依頼をさせていただいた次第です。よろしくお願いします。

落合福嗣氏(以下、福嗣) よろしくお願いします! こういうゲーム関係の仕事は大歓迎です!!

――誌面の掲載スペースは小枠なので、インタビューの時間を20分程ほどいただければ大丈夫だと思います。

福嗣 えっ、たったそれだけ!? 僕、ゲームのことなら何時間でも語れますよ。それに、2013年はゲーム豊作の年だったんで、時間がいくらあっても足りない気がします。20分と言わず、もっとしゃべってもいいですか?(笑)。

――そう言っていただけると、こちらとしてもありがたいです! では、本日は思う存分お願いします(笑)。さっそくですが、福嗣さんがゲーム好きになったきっかけについて教えてください。

福嗣 ゲームを本格的に始めたのは、確か中学校1年のころでしたね。それまで落合家ではゲームが禁止だったんです。母が「テレビばっかり見ていると、目が悪くなるから」って。それがいまでは家族みんなでゲームを遊んでるんだから、不思議ですよね(笑)。「ボケ防止になるから」とか言って。最近は、配信系の『メタルスラッグ』や『スペランカー』をダウンロードして、父といっしょに遊んだりしてますよ。……おっと、話を戻しましょうね(笑)。ゲームを好きになったきっかけですが、テレビ番組で『筋肉番付』ってありましたよね? あの番組の企画で、落合家とジョイナー家(女子陸上競技の金メダリスト、フローレンス・ジョイナー選手)とボウリング対決をして、副賞のセガサターン本体と『NiGHTS into dreams...』をゲットしたんです。当時はゲームを遊ぶのが初めてだったから、データセーブの概念を知らなくて、毎回最初から遊んでて(笑)。

――(笑)。今日はここまで進めたぞ、と。

福嗣 そうそう! そんな感じ!! そういうゲームだと思ってて。だから『NiGHTS into dreams...』は名作だったけど、全クリしたことがないんです。それでゲームにハマってプレイステーションやXbox、ゲームボーイやワンダースワンも遊んでみたりしました。高校に入ったころにはゲーム熱がさらにヒートアップし、ガーッとやるようになって。当時はゲームのおまけとして話題作の体験版がついていたりして、アツかったですよね。体験版の『サイレントボマー』には超ハマりましたよ。

――ありましたありました。『トバルNo.1』に『ファイナルファンタジーVII』の体験版がついてきたり。

福嗣 あの体験版はおもしろかった! 僕は『ファイナルファンタジーVII』の盛り上がりをリアルタイムに経験したので、『DQ』ではなく『FF』派なんです。ファミコン世代なのに、ファミコンやスーパーファミコンをリアルタイムで遊んでなくて、『スーパーマリオ』も『DQ』も『ロックマン』も後から知ったんですよ。もしも小さいころにファミコンを遊んでたら、いまごろ任天堂の大ファンになってたと思うなあ。

――そんなゲーム体験を経て、いまの福嗣さんはかなりのヘビーゲーマーだと聞きました。2013年はどんなゲームを遊びましたか?

福嗣 けっこうやってますよ。(手元にあったファミ通を読みながら)ここに載っている作品だと、そうだな……。『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』、『BioShock Infinite(バイオショック インフィニット)』、『メタルギア ライジング リベンジェンス』、『NARUTO -ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム3』、『TOMB RAIDER(トゥームレイダー) 』、『ヒットマン アブソリューション』、『真・三國無双7』、『ファークライ3』、『プロ野球スピリッツ2013』、『エスカ&ロジーのアトリエ ~黄昏の空の錬金術士~』、『バイオハザード リベレーションズ アンベールド エディション』、『ゴッド・オブ・ウォー: アセンション』、『クライシス3』、『ガンダムブレイカー』、『ディーエムシー デビル メイ クライ』、『シュタインズ・ゲート 線形拘束のフェノグラム』、『NINJA GAIDEN 3: Razor's Edge』、『仮面ライダー バトライド・ウォー』、『インジャスティス: 神々(ヒーロー)の激突』、『プレイステーション オールスター・バトルロイヤル』、『地球防衛軍4』、『信長の野望Online ~天下夢幻の章~』、『デッドアイランド: リップタイド』、『METAL GEAR SOLID THE LEGACY COLLECTION』、『バトルフィールド 4』、『RACE DRIVER GRID 2(レース ドライバー グリッド 2)』、『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS HD EDITION(単体版)』、『KILLER IS DEAD(キラー イズ デッド)』、『ロスト プラネット 3』、『デッド オア アライブ 5 アルティメット』、『パペッティア』、『KILLZONE: MERCENARY(キルゾーン: マーセナリー) 』、『アーマード・コア ヴァーディクトデイ』。……こんな感じかな。

――そんなに! 数えてみたら40本近くありますね。

福嗣 これでもまだ一部だったりします。

――マジですか! ……想像以上にディープなゲーマーですね。年間何本くらい遊んでいるのですか?

福嗣 数えたことがないけど……どうなんですかね? 100本くらいでもおかしくないかも(笑)。

――まさにゲーマーの鑑! そう言えば、福嗣さんは2010年にご結婚されてますよね? ゲームのやり過ぎで奥さんに叱られたりはしませんか?

福嗣 ぜんぜん。むしろ嫁といっしょにゲームをしていますから。嫁は僕のプレイを横で見ていることが多いかな。

――なるほど。結婚したことでゲームライフに変わりはありましたか?

福嗣 うーん、特にないけど……、強いてあげるなら、乙女ゲーをプレイするようになったことですかね。『うたの☆プリンスさまっ♪』と『薄桜鬼』をやってますよ!

――プレイするジャンルがさらに広がっちゃった、と(笑)。

福嗣 うんうん(笑)。僕、音也(『うたの☆プリンスさまっ♪』に登場する一十木 音也)が大好き! あの人超カッコイイから! アニメも全部観ちゃったし。……嫁はイラストがうまいんですよ。ほら、(スマホに保存したイラストを見せながら)こんな感じ。

――へ~、お上手ですね!

福嗣 僕のTwitterアカウント(@fukushi_o)のイラストも、嫁が描いてくれたんですよ。

――リア充エピソード、けっこうありますね。

福嗣 ちょいちょい挟んでいきたいと思います(笑)。

――(笑)。さて、すっかり前置きが長くなってしまいましたが、そんなゲーマー福嗣さんが選ぶ、2013年のベストゲーム3本について教えてください!

福嗣 わかりました。まずは『モンスターハンター4』について話してもいいですか?

――お願いします。

福嗣 まずは新モンスターのガララアジャラにびっくり! 初めて狩りにいったとき、長い体に巻きつかれて、「なにこれぇぇぇぇぇ!」って悲鳴を上げちゃって(笑)。あの攻撃がホントに回避しづらいから、怖くて怖くて! 

――確かにあの攻撃はインパクトがありますね。福嗣さんはどんな武器を使っていますか?

福嗣 僕はランスです。今回、めちゃくちゃ強くてうれしい! 突進からのジャンプで乗り状態にいけるから。

――やっぱり、乗りたいですか?

福嗣 乗りたいの! 新しいシステムを満喫したいの! シリーズを通してランスとガンランスでプレイしてたから、今回の仕様は正直うれしいです。

――奥さんといっしょに狩りに行くこともありますか?

福嗣 ありますあります。というか、嫁の進行に合わせている感じ。いままでは買ったらすぐにガーッとやり込んで、2日で上位に到達していたんですよ。村のクエストを1日で終わらせて、その日の夜に集会所のクエストをバーッとクリアーして、2日目には上位って流れ。最終的にはラージャン2体を裸で狩ったりしてましたからね。でも、今回は嫁と同じスピードで遊んでいます。いまはチャージアックスに憧れてて、いいなーって思っているところです。

――なるほど。では、ベストゲームの1本目は『モンスターハンター4』なんですね。

福嗣 いや、違います。だって『モンハン』は、きっとほかの人も挙げるでしょ? だから僕は違うタイトルにしたいなー、と思って。……いいですよね?(笑)

――どうぞどうぞ(笑)。では、ベストゲームを教えてください。

福嗣 じゃあ、まずは『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』からいきますか! 『ファイナルファンタジーXIV』をちょうど始めたときが、第七霊災の直前で、空の遠くに赤い星が見えて。「あれは何だ!?」と。あと少しで世界が終わるってマジかよ! ……って、自分の中で消化不良のままサービスが終了しちゃって。で、今年の夏ごろ『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』が発売されたのですが……(大きな声で)いや~楽しいね~~~!

――テンションが上がりましたね(笑)。種族は何を選びましたか?

福嗣 エレゼン(♂)、首長い系男子です。嫁さんはララフェルにしてほしかったみたいだけど、僕は新しい装備品を着用したときに、ぱっと見た目でわかりやすいのが好きなので、身長が大きいエレゼンを選びました。あとはサブにルガディンを使ってますね。ルガディンはカッコイイよ~。僕は珍しい種族を選ぶのが好きなんです。いちばん最初に始めたのが戦闘職は戦士なんですよ。今度のアップデートで強化されるとか。あ~、楽しみ!

――ほかの職業はどのくらい上げていますか?

福嗣 いまは黒魔道士を上げているところで、もうすぐカンスト。戦士と竜騎士と白魔道士はカンストしました。

――かなり本格的に遊んでいますね。ほかのゲームをやりながらその数値はすごい! 睡眠時間を削ってゲームをしているんですか?

福嗣 そうでもないですよ。でも、今朝もここに来る直前までプレイしてたけど(笑)。やっぱりね、新しくなった“F.A.T.E.”、あれがいいですよ! レベルをサクサク上げやすい。あとはパーティプレイの盾役も練習する必要があったので、そのあたりは“コンテンツファインダー”で。盾役だと、すぐにシャキるからいいですよ。あ、“シャキる”ってのは念のため説明しておくと、コンテンツファインダーに登録して、仲間が見つかるとシャキーンって音がするからです(笑)。あとは白魔道士でヒーラーをやったりしています。こっちはシャキるまでに時間がかかることがあるから、そのあいだにクラフターやギャザラーを上げていますね。釣りはマスターしましたよ。

――福嗣さんは、フリーカンパニーには加入していますか?

福嗣 “I”サーバーで、30人くらいのフリーカンパニーのマスターをやってます。

――そうなんですか! 福嗣さんご自身の身元は明かしていますか?

福嗣 いや、隠してますよ。でも、メンバーにおもしろい人がいるんですよ。僕はエレゼン(♂)でふつうに遊んでいるだけなのに、「あのー、●●(福嗣さんのキャラ名)くんって、いや……●●ちゃんて言ったほうがいいのかな……。じつは女性プレイヤーでしょ?」って言ってくるの(笑)。……いやいや、違うから!

――(笑)。

福嗣 このゲームを遊んでいる一部の人は、ミコッテは男性プレイヤーがほとんどで、エレゼン(♂)やヒューラン(♂)は、女性プレイヤーが外見に惹かれて選ぶイメージを持っているらしくて。それで勘違いしたのかな。あと、僕、ゲームの中だとやさしいの! あのね、盾役に悪い人はいませんよ! でね、僕はいつもメンバーがやりたいことを手伝ったりしているんです。遊んだりレベル上げしたり、盾役でいっしょに組んだりしてて。そうしたら、一部のメンバーがプロファイリングするんですよね。「なんだかやさしいし、この時間にゲームを遊んでいて、お風呂が長い……女か!?」みたいな(笑)。

――お風呂、長いんですか?(笑)。

福嗣 実際はお風呂に入ってる時間は短いんだけど、お風呂から上がったら髪の毛を嫁さんに乾かしてもらってるの。

――また出た! リア充エピソード。

福嗣 ちょいちょい挟むって、さっき言ったでしょ(笑)。で、髪を乾かしてもらったり、化粧水をつけてもらいながら、そのあいだ『モンハン』をやってて、1時間くらいかかる、と。それとトイレも長いんです。やっぱりトイレで『モンハン』してるから(笑)。でも、お風呂とトイレが長いからといって、女性プレイヤーだと思われちゃうのはおもしろいですよね。

――メンバーも中の人が福嗣さんだと知ったらさぞ驚くでしょうね(笑)。ところで、奥さんといっしょにプレイすることはありますか?

福嗣 嫁さんもやりたいみたいなんですけど、「絶対ハマっちゃうから」と言って、見る専門ですね。だから僕がプレイしているのを横でずっと観戦してます。家事をしたり『モンハン』しながら「タンクって何?」とか聞いてきたりして。最近はかなり詳しくなってきて、僕がヒーラーをやってるとダメ出しをしてくるんです。「リジェネを切らないと、ガルーダのスパチラが、タンクでなく、あんたにタゲって来るよ!」って(笑)

――名コーチですね(笑)。お父様は『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』をプレイしていますか?

福嗣 いや、父は遊んでないみたいです。『ファイナルファンタジーXI』のころは僕は実家にいたから、いっしょに遊んでいたんですけどね。『ファイナルファンタジーXI』では、リーピングブーツっていうアイテムが欲しくて欲しくて、それを落とすリジー(Leaping Lizzy)と戦うために、相手に対して挑発をするマクロを組んでいました。で、リジーが現れたら、そのマクロを使ってすぐに戦おうとしていたわけですが、ずっと待っているのも疲れるし、お腹も空いてくるので、ときどき父に代わるんです。「お父さんさ、ちょっとこのボタン押しといて」って(笑)。

――(笑)。

福嗣 ご飯を食べてると、遠くで父が「おーい、まだかー?」って呼んでたりして(笑)。1回、父が見張っているときにリジーが出てきたことがあって、あのときは「おい! なんか赤い名前になったぞ!!」って取り乱してましたね(笑)。 そう言えば、僕が実家にいたころは、父とよく『バイオハザード』シリーズや『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』を遊んでたなあ。

――福嗣さんは『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』のどんなところに魅力を感じますか?

福嗣 『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』は、ある程度の装備品を揃えれば、ひとりでもサクサク遊べるのがいいですね。F.A.T.E.やコンテンツファインダーが便利だし、気軽に楽しめるMMORPGだと思いますね。これを読んでいる人には、「楽しいから、エオルゼアにおいでよ」って言いたいです。まだ生まれ変わったばかりの世界だし、初心者でも十分楽しめるから。あと、もちろんやり込み要素も充実してますよ。僕はいま戦士で大迷宮バハムートを攻略中ですが、まじでキツい! 一瞬でHPが半分になって、「え、何が起こったの?」ってなるから(笑)。盾役が倒されるとパーティが壊滅しちゃう危険があるから、責任重大です。いまはプレイステーション3で遊んでいるから、プレイステーション4版が楽しみでしょうがない! ……ということで、つぎのタイトルにいきましょうか。

――お願いします。

福嗣 つぎにおもしろかったのが、『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』! あれはよかった~。カットシーンが長いゲームを揶揄して“ムービーゲー”って言ったりすることがありますけど、僕の中ではこのゲームはいい意味で“ムービーゲー”なんです。ゲームとカットシーンの配分が本当にイイ感じ。このゲームを遊ぶと、1本の映画作品の中に入り込んだような没入感がありますね。主人公のジョエルとエリーの敵として登場するのは、寄生菌に感染したクリーチャー“感染者(インフェクテッド)”なんだけど、3種類くらいしかいないの。少ないのが逆に現実味があって。ストーリーも絶望的な世界観の極限状況だから、どこでどうなるかわからない、ハラハラする展開が最初から最後まで続くんです。ゲーム中にジョエルが負傷するシーンがあるんだけど、そのとき「ジョエルどうなっちゃうのぉぉぉ! あと、エリーは弓うますぎぃぃぃ!」って叫びましたから(笑)。またその後の展開も最高なんですよねえ。

――奥さんの反応はどうでしたか?

福嗣 怖がってましたね。でも「ストーリーが映画や小説みたいによくできてるから、続きが気になる。お願いだからいっしょにいるときに遊んで」って頼まれて。僕、このゲーム都合3回クリアーしているんですが、1回目は嫁といっしょに。2回目は母を隣に座らせて。3回目は父でした(笑)。

――家族みんなで体験したわけですね(笑)。印象に残っているシーンはありますか?

福嗣 ふたつあって、ひとつは地下で発電機を起動するところ。あちこち胞子だらけで、水浸しのところを進んでいくんだけど、最初は敵がまったくいない。でも、発電機を動かした途端、その音に反応して感染者たちが現れて……。あのときは「嘘でしょぉぉぉぉぉぉ!」ってガチで悲鳴を上げましたね。手汗もびっしょり(笑)! 動揺してたら倒されちゃったので、再トライですよ。2回目は敵が出てくるのを知ってるから各個撃破してたら、大きい感染者が出てきて、また『嘘ぉぉぉ!』って(笑)。急いでドアから出ようとしたら鍵が掛かってて、「カードキーって何!!!?」と。3回目は感染者から超逃げまくって、ギリギリで突破しました。あのときの僕は、まさにジョエルと一体化してて、よくホラー映画でドアが開かなくて「カモォォォン、カモォォォン!」って焦るシーンがありますよね? あんな感じでパニック状態になっちゃって(笑)。もうひとつはラストシーン。あれは超イイです! このゲームでは、ジョエルとエリーの心の動きが具体的に解説されないのがいいですね。ジョエルとエリーがいっしょに行動するうちに、少しずつ愛情や共感が積み重なっていくのが、ふたりの間合いや息づかいで表現される。それがあっての、あの結果だと僕は思います。

――『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』のラストは、余韻があってすばらしいですよね。

福嗣 そうそう! 詳しくはネタバレになるから言えないけど、ふたりの関係がホントにいいな、と思いますね。ラストは賛否両論分かれてるみたいだけど、僕は最高だと思うな! 僕の中ではキレイに簡潔しているから、続編は出してほしくないなあ。……でも、2014年の1月に配信されるという、追加ダウンロードコンテンツは楽しみ!(笑)。『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』もそうだけど、今年は海外産の良作が多かった気がしますね。いま遊んでいるのが『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー ソウル)』なんだけど、これもいいですね! 確か『ヘビーレイン -心の軋むとき-』と同じ開発会社ですよね? 『ヘビーレイン -心の軋むとき-』が大好きだったので、今回も楽しんでいます。とくに主人公ジョディの幼少期が超怖いの! 母親の頼みごとで真っ暗なガレージにひとりで入るところなんて、感覚的にはスティーヴン・キング。“何か”がざわっと横を通り抜けたりして、「おいおいおいおい、ちょっと待てよ!」とビビりまくる感じ(笑)。

――『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツー ソウル)』は作りが映画っぽいですよね。

福嗣 うんうん。僕は父といっしょに映画を観るのが大好きなので、このゲームも思いっきり楽しんでますよ。クリアーまでもう少しっぽいので、結末がホント楽しみ♪ あとは『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』が気になっているけど、プレイステーション4版でやろうかなと思っていたりします。『アサシン クリード4 ブラック フラッグ』、やりました? 今回のデキはどうですかね?

――私は先日クリアーしましたけど、個人的にはシリーズのなかでも1、2を争うおもしろさだと思いますよ。

福嗣 それはよかった~! 僕、『アサシン クリード』シリーズのファンなんです。とくに前作の『III』の主人公コナーが大好き。僕のまわりだとコナーの人気はイマイチだけど、あの純粋さというか、いじらしさがよくて。

――コナーは、アメリカ独立戦争時代のネイティブ・アメリカン出身の暗殺者なんですよね。

福嗣 そそ。で、イギリスの侵略から脱却するために、ジョージ・ワシントン擁するアメリカ側に加担して暗躍するんだけど、その後の歴史を知っている身からすると「そっちに肩入れしても同じだから!」と指摘したくてたまらない!

――イギリスの支配から、アメリカの支配へと移り変わるということですね。

福嗣 ただ侵略者が変わるだけってことにコナーはぜんぜん気づかないの。『III』は、自分がこれまで正義だと思っていたものがじつは違ったりする、世の中の二面性をうまく表現していると思いますね。でもね、コナーにはお願いだからずっとフードを被っててほしかった。

――(笑)。見た目がけっこうゴツいですからね。こうしてお話をうかがっていると、福嗣さんは強さだけではなく、弱さも併せ持つキャラクターが好きみたいですね。

福嗣 人間のリアルな姿を見るのが好きなんです。『アサシン クリード』シリーズは、人物描写がいいですよね。僕は1作目から好きで。確かあのとき女性のプロデューサーがいましたよね。

――美人クリエイターとして有名なジェイド・レイモンド氏ですね。彼女はいまユービーアイソフトのトロントスタジオの所長でして、最近は『スプリンターセル ブラックリスト』を作っていました。

福嗣 ああ、やっぱり! 『スプリンターセル ブラックリスト』もおもしろかったもの。どことなく『アサシン クリード』と同じ匂いを感じましたよ(笑)。

――『スプリンターセル ブラックリスト』はステルスアクションの名作ですよね。……さあ、ここでちょっと話を戻させてもらいますね。『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』、『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』ときて、3番目のベストゲームを教えてください。

福嗣 うーん、最後はどれがいいかな……。そうだ! 『魔女と百騎兵』がおもしろかった!! 

――そうきますか! ……私はまだ『魔女と百騎兵』をプレイしていないのですが、そんなにおもしろいんですか?

福嗣 (大きな声で)よかったよー! あれ、よかったよー!! すごくよくできたアクションRPGだと思います。

――どんなところが楽しめましたか?

福嗣 ええと、最初は魔女のメタリカを操作すると思ってたんです。イラストも超かわいいし、絶対いい子だと思ってて。でも彼女、じつはとんでもない悪女なの!(笑)。 目的のためなら手段を選ばないタイプ。しかもプレイヤーキャラクターはメタリカじゃなくて、百騎兵っていうちっこいヤツで。最初は「えー、思っていたのと違う……」とがっかりして、しかたなくプレイしてたんだけど、なんだかストーリーがすごくおもしろいんですよね。主人公のメタリカと彼女が召喚した百騎兵は、世界を沼で満たそうとしてて、善か悪か、どっちかと言ったら悪なんです。でね、メタリカと敵対している人たちの中には善人もいるわけ。そういう人を倒していくので、心が痛むんですよ! そんなストーリーの仕掛けにグイグイ惹かれて、どんどんハマっていって……。

――なるほど。興味深い内容ですね。では、ゲーム部分はいかがでしたか?

福嗣 ゲーム部分もいい感じ。百騎兵は、刀剣、鈍槌、古塔、燭台、槍鎌という武器を5つまで装備できて、5段階の連続攻撃をくり出せます。5つ全部を刀剣に設定してもいいし、いろいろ組み合わせてもいいんです。戦う敵やステージに合わせて、武器の組み合わせを切り換えるのがすごくおもしろくて。あとは、百騎兵にはお腹の減り具合を表した“ギガカロリー”という数値が設定されていて、ゼロになると拠点に戻っちゃうんです。敵と戦うたびにカロリーを消費するし、ステージの闇を振り払うのにもカロリーが必要になる。だから残りのカロリーと相談しながらどこまで冒険できるか、戦略的に判断することになります。試行錯誤してステージをクリアーしていくのが超楽しいんですよ~。

――『風来のシレン』や『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』といった、不思議のダンジョンと通じるものがありますね。

福嗣 ですね。でね、最終的にボスを倒せばステージクリアーなんだけど、その後のストーリー展開がエグくて! ネタバレになるから未プレイの人はちょっとだけ飛ばして読んでほしいんですが、メタリカのことを大事にしているお姉さんがいて、あるときこのお姉さんが白ネズミに変えられちゃうんです。そしてメタリカの執事のアルレッキーノが「おいしそうなネズミがいたから取ってきて調理しました」とやって来て。続けてこう言うんです。「このネズミだけ、なんか色が違うんですよね」って。それって要するに……。こんな感じで全編けっこうエグくて、これぞダークファンタジーって感じ! ラストはマルチエンディングなんですが、これも言えないけど……エグい!

――エンディングは全部そんな感じですか?

福嗣 いくつかあるみたいなんですが、まだひとつしか見てなくて……。僕、なるべく自分の力で攻略したいクチなので、なるべく情報をシャットアウトして遊んでいるんです。もう3周もしてますけど、なかなか狙ったエンディングにたどりつきませんけどね……。まだまだ諦めずにプレイして、全部の結末を見たいと思ってます!

――わかりました。ということで、福嗣さんが選ぶ3本は『ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア』、『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』、『魔女と百騎兵』ですね。ところで、今回の週刊ファミ通の特集では、“プロレスラー”や“アイドル”、“芸人”など、いろいろな肩書きの人にお話をうかがっているのですが、福嗣さんの肩書きはどう書けばいいですかね? そう言えば、以前『龍が如く4 伝説を継ぐもの』で、ゲーム内のキャラクター“落合福嗣”として登場したこともありますよね?

福嗣 そうですね。あのときはまさか自分がゲームに登場するなんて思っていなかったので、不思議な感じがしました。いま思い返すと、すごくいい経験をさせてもらったと思います。……で、僕の肩書きですかあ。そうだなあ……そのあたりは自分でも難しくて……。そう言えば、いまBSフジで『猫侍』というドラマが放送されていますが、その主題歌を歌っています。“NOAH”という男女4人組のボーカルグループを組んでいて。『我が道よ』という曲が配信中なので、ぜひ聴いてみてほしいですね。

――なるほど。福嗣さんは、歌手に声優、コラムの執筆やテレビ出演など、幅広く活動していますね。では、肩書きは“マルチタレント”でいかがですか?

福嗣 それでお願いします! いまはできるだけいろいろなことを経験したいと思っています。ひとつ言い忘れていたんですけど、いいですか? “ゲームばかりしていると、人付き合いが悪くなる”って言う人がなかにはいますよね? でも、僕はゲームはコミュニケーションのツールとしてピッタリだと思うんですよ。落合家は家族でゲームを遊びますし。それと最近の『風ノ旅ビト』や『ダークソウル』などのオンラインプレイの仕様もおもしろいですよね。がっつりではなく、緩いつながりで。いろいろと興味が細分化して内へ内へと篭もりがちないまの時代を変える、新しいコミュニケーションの形かもしれませんね。……そう言えば、『風ノ旅ビト』と言えば、あのラストはよかった~! 「がんばれがんばれ!」って、僕、最後は泣きながらプレイしましたもん。セリフもないし、シンプルなゲームなのに、胸にグッとこみ上げるものがあるんですよ。でも、クリアーしてみても、けっきょくどんなストーリーかわからないけど。なんとなくよかったなあ、みたいな(笑)。

――(笑)。……福嗣さん、最初に“思う存分語ってください”と言っておいて、本当に申し訳ないのですが、インタビューで使っているこの場所は、●●時から別の予約が入っているようでして。そろそろここを出なくては……。

福嗣 えっ、もうそんな時間? ふ~、けっこうしゃべりましたね。だいたい1時間半くらいかな? ゲームのことだったら、あと3時間は余裕でしゃべれるかなあ。何だったら、場所を変えて話しましょうか?

――い、いえ、ベストゲーム3本は聞けたので、今回の取材は取れ高ばっちりです。またの機会にお願いしますッ……!!

福嗣 そうですか? またいつでも呼んでくださいね。

――ありがとうございました~!