『黒い砂漠』(仮題)ってどんなゲーム?

 『黒い砂漠』(仮題)は、韓国パールアビス社が開発し、日本ではゲームオンが運営を担当することが決定している本格派MMORPG。インタビューの前に、実際にプレイしながら開発スタッフの皆さんに解説していただく機会が得られたので、まずは基本的なゲーム概要や特徴的なシステムから紹介しよう。

※画面写真はすべて韓国版の開発中のものです。

【世界観】
カルフェオンというヨーロッパ風の文明を持つ勢力と、バレンシアという中東アジア風の文明を持つ勢力が存在。そのふたつの勢力が治める領土の中間に、広大な砂漠が横たわる大陸が冒険の舞台となる。人々が争いからの復興を目指すなか、強大な魔力を秘めるとされている“ブラックストーン”が発見され、これを巡る物語が展開していく。

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【マップ】
探索を進め、新たな街や土地を発見するとマップが開け、“ノード”としてその地点が記載されていく。その土地に対する“貢献度”という指標があり、クエストなどをこなすと上昇。その土地での通り名のようなものが変化していくというギミックもある。また、その貢献度を消費することでノードどうしを連結させることができ、こうすることで貿易路として活用できるようになる。移動・輸送手段としては、馬と荷馬車が確認できた。

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【クラス】
韓国のクローズドβテストでは、ウォリアー、ソーサラー、レンジャー、ジャイアントの4クラスが使用できた。クラスごとの性別は現状では固定されているが、今後、男女を選べるようにすることも検討中のようだ。また正式版では、細かくキャラクターメイキングができるようになるとのこと。

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【戦闘】
キーボードとマウスでキャラクターを操作。スキルはショートカットキーかコマンドを入力することで発動できる。アクション性が高く、攻撃がヒットしたときの感覚や、爽快感が大事にされていることは、プレイすればすぐに感じることができるはず。成長するとスキルポイントが得られ、それを任意のスキルに対して消費することで、そのスキルを習得・強化できる。なお、一般的なコントローラでの操作も行えたが、日本国内での正式なサポートが行われるかはまだ未定のようだ。

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【NPCの好感度】
特定のNPCには好感度が設定されており、会話を成功させることで好感度が上昇。一定まで上げると、たとえば馬小屋を管理するNPCなら、新たな馬が購入できるようになるなど、各種機能が開放されていく。会話を成功させるためには、世界を巡りさまざまな知識を身につけること(“図鑑”として蓄積されていく)、NPCの好みを把握することなどが重要になるようだ。

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【ハウジング】
街などには家が建てられており、その所有権を獲得することで自分の家とすることができる。家によって生産できるものや、広さなどが異なり、バフ効果が得られる家もある。また、オブジェクトを置くことで、生産物やバフ効果を追加することが可能。宿屋の一室を借りて、自室とすることもできるようだ。日本でのサービス開始時には、和風の家を追加することも検討中とのこと。

【貿易・取引】
生産物は、NPCやプレイヤーと取引することができ、貿易品としてほかの街で売買することができる。貿易をするためには、ノードを連結させておく必要があり、アイテムの相場もさまざまな要素が影響し、つねに変動している。クローズドβテストでは、貿易や各種の取引のみで莫大な利益をあげたプレイヤーもいるとのこと。

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【そのほかのコンテンツ】
釣り、採取といったコンテンツを確認。採取活動はNPCを雇って行うこともできるとのことだ。

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パールアビス社CEO、キム氏に『黒い砂漠』(仮題)の魅力を聞く

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▲韓国パールアビス社CEO、Daeil Kim(キム・デイル)氏。代表作は、本作と同じく日本ではゲームオンが運営を担当するアクションMORPG『C9』など。ちなみに背後のマップは『黒い砂漠』(仮題)のもの。

――まず、本作の基本的なゲーム性を教えてください。
キム アクション要素の強い、ハック&スラッシュ型のMMORPGです。それに加えて、世界を探索し、ノードを発見して連結させて貿易を行ったり、NPCとの会話で機能が開放されていくというシミュレーション的な要素もあります。ほかに生産や資源の調達、ハウジングといったさまざまなコンテンツがあり、それを通して集めたリソースや、戦闘で成長したキャラクターを活用して、攻城戦を行うという流れになります。
 また、マップはシームレスになっていて、区切りはありません。すべてのものはそこに存在して、そこに行くこともできます。ちなみに、ゲームのスタート地点は、クローズドβテストでは1ヵ所でしたが、今後はクラスによって違う場所からスタートすることも検討しています。

――このゲームの特徴やプレイヤーが新しく体験できることを教えてください。
キム ほかのタイトルと差別化されているところは、体感的なものかもしれませんが、キャラクターが本当にその世界に存在するというところです。まず、世界自体を綺麗でリアルに作り上げることを意識しました。
 また、NPCひとりひとりにおいても、バックストーリーがあって、この世界に息づいていることがわかると思います。また、ノードというシステムにより、世界を探検していくことが、キャラクターの成長やほかのコンテンツと結びつことにもなります。すべてのコンテンツを積み重ねていくことによって、エンドコンテンツにつながるように設計されているのが、いちばんの特徴です。
 また、戦闘においては、一般的なMMORPGとは異なり、攻撃をヒットさせたときの感覚を、気持ちよく感じていただけるに気を使って製作しています。

――アクションの爽快感は、実際にプレイして感じることができました。パーティープレイでは、どのような体験ができるのでしょうか。
キム 基本的には、ソロプレイで楽しめるようにデザインされています。自分のレベルと同じ狩場ではソロプレイがオススメですが、高レベルの狩場に行って経験値を稼ぎたいときは、パーティープレイを行うのがいいと思います。パーティープレイでは、ジャイアントが地面に投げつけた敵を一斉攻撃するといった、連携プレイも可能になりますよ。強めのレイドボスと戦うときは、各クラスのスキルや特徴を考えたうえで、戦略をもって戦うことが重要になるはずです。

――NPCの好感度を上げていく要素、マップを開拓していく要素についてお伺いします。たとえば、どのNPCの好感度を上げるか、マップのどこを目指すかというところは、プレイヤーの好みやプレイスタイルで変わってくるということになるのでしょうか。
キム そうなるでしょうね。貿易がしたいプレイヤーはマップの開拓がメインになりますが、ほかのことには手がまわらなくなるはずです。クエストで得た貢献度をどう使うかで、できることも変化しますし、自分がやりたいことによって、マップの開拓具合もNPCの好感度もさまざまな形なります。プレイヤーによって、ゲームの展開も、蓄積されていく資産も異なることになりますね。

――各プレイヤーがそれぞれの好みでプレイして蓄積した資産は、ギルドを結成することによって、軍団としてひとつにまとまるというイメージでしょうか。
キム おっしゃるとおりです。各プレイヤーが得意の分野を活かし、戦力を整えて攻城戦に挑む、という流れにプレイヤーを導いていくように各コンテンツを構築しています。幸いなことに、韓国のクローズドβテストでも、それぞれのプレイヤーが好みのコンテンツに集中しつつ、協力してギルドの戦力を整えるというプレイを楽しんでいただけたようです。直接戦闘には参加せず、貿易でお金をたくさん儲けて、資金を提供するというプレイヤーもいましたよ。

――生産も貿易を行わなくても、アクションがすごくうまいプレイヤーなら、ギルド活動、つまり攻城戦にも貢献できるわけですよね。
キム 我々としても、その点は意識的に、アクションがうまいプレイヤーはそれだけで攻城戦に貢献できるようにデザインしています。経済活動は行わなくても、戦士という役割を果たすことができるわけです。また、将来的には貿易の途中で敵に襲われるという状況も発生するようにするつもりです。それを守るという役割も、アクションが上手なプレイヤーの役割になるかもしれませんね。

――韓国でのクローズドβテストについて伺います。テストを終えての感想、プレイヤーからの印象深い要望などがありましたら教えてください。
キム 今回のテストは、ゲーム自体がちゃんと遊べるか、実装したコンテンツがうまく稼動しているかという、テクニカルな部分の確認がいちばんの目的でした。いろいろなコンテンツやシステムがあり、複雑に絡み合っていますから、まずはそれが機能して、しっかり遊べるのかを見たかったということです。おかげさまで、たくさんのプレイヤーに遊んでいただきましたが、まったくといっていいほど問題なく、スムーズにテストが終了しました。
 プレイヤーからの要望もたくさんありましたが、個別の要望については想定内のものでしたし、いま現在、不便なところがあることも把握していますので、そこは改善していきます。もっとも印象に残っているのは、「パールアビス社がやりたいことを最後までやり遂げてください」という声をいただいたことですね。

――「パールアビスに任せておけば大丈夫だ」、という手ごたえがプレイヤーにあったということでしょうね。
キム そうだとうれしいですね(笑)。

――今後は、どういった部分の開発を進めていくのでしょうか。
キム 各コンテンツの基本的な部分はできあがっていますので、今後はノードやNPCの好感度、攻城戦につながるコンテンツに関して、もっと深みを出したいと考えています。また、ふつうにプレイしているとマンネリ化する部分があるところも把握しているので、その期間になんらかのコンテンツを配置することもしていきます。

――攻城戦について伺います。エンドコンテンツは攻城戦であり、すべてのコンテンツは攻城戦に向けたものであると発表されていましたが、いまもそのデザインに変更はありませんか。
キム 攻城戦がエンドコンテンツの主軸になることは変わりありません。ただ、攻城戦に直接参加しなくても、それに費やされるリソースを提供するための貿易や生産そのものを楽しめるようにしていきます。

――クローズドβテストでの攻城戦を見て、どのような感想を持たれましたか。
キム 攻城戦はテスト期間中に2回、行われました。本来ならテスト期間内だけのプレイでは、攻城戦は成立しないバランスなのですが、今回は一部のルールのみ適用して、もっとも基本的な攻城戦を実施したのです。基本的には、ほかのコンテンツと同じようにテクニカルな部分の確認に主眼を置いていて、まだ完成された攻城戦ではないので、楽しさや満足度といった部分を検証するのは難しいです。ただ、今回のテストでは正常に攻城戦が機能することが確認できたので、その点においては満足しています。
 アクション要素の強いゲームですから、攻城戦であっても1対1で戦うだけの戦争になるのではということを心配していました。集団戦闘や協力を楽しめるのが攻城戦ですからね。しかし、実際に行われた攻城戦では、プレイヤーどうしで連携して、盾役になる集団がいて、その背後から遠距離攻撃を仕掛けるという攻防が行なわれるなど、戦略的な行動が生まれていました。これを見て、十分に戦略的な攻城戦を築き上げることができるなと確信することができました。

――最後に日本のオンラインゲームファンに向けて、ひと言お願いします。
キム いままでのオンラインゲームにはない、新しい経験をすることができるゲームになっていると思います。最前を尽くして開発を進めていますので、ぜひご期待ください。

※画面は韓国版の開発中のものです。日本国内での正式タイトルは未定です。