時を止める新システムと、その発動に必要なSPの意図
“続編のための”という副題がつけられたRPG、『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』(ニンテンドー3DS/2013年12月5日発売予定。価格は4990円[税込] ※前作所持者向け優待ダウンロード版は2900円[税込])。本作には、現在鋭意制作中という本作の続編に搭載される新システムが、先行して導入されている。そのシステムこそ、時を止めるという“ブレイブリーセカンド”。このブレイブリーセカンドと、発動時に消費するSPにまつわるシステムについて、本作のプロデューサーである浅野智也氏にお話をうかがった。
<ブレイブリーセカンドでバトルの戦略性がさらにアップ!>
まずはブレイブリーセカンドについて解説しよう。ブレイブリーセカンドは、バトル中のいかなる状況でも時を止めて行動できるようになるシステム。非常に便利な反面、発動にはSPという特別なポイントが必要になる。また、ブレイブリーセカンドは時を止めるだけではなく、発動中は通常ダメージの最大値である9999の限界が取り払われ、10000以上のダメージが与えられるようになるのだ。さらに、ブレイブリーセカンド中もブレイブを使って行動回数が増やせるため、使いかたしだいで一方的に大ダメージを与えることも可能。
<SPはスリープで貯まる!>
ブレイブリーセカンドの発動時や、ブレイブリーセカンド発動中のブレイブ使用で消費するSP。SPは、本作を起動したままニンテンドー3DSをスリープ状態にすると貯まっていく。8時間のスリープで1貯まるので、1日に2~3程度のSPを貯めることができる。また、ニンテンドーeショップで購入できる“SPドリンク”で貯めることも可能で、SPドリンクを使用すると、SPを3貯められる。
<プロデューサー・浅野智也氏に新システムについて聞く!>
――“ブレイブ&デフォルト”で完成形に近いと思われたバトルシステムに新システムを入れることになった経緯は?
浅野智也氏(以下、浅野) 完成形だなんてそんな! ブレイブ&デフォルトのシステムでさえ、完成形と思われていたターン制コマンドバトルに、ワンアイデアを追加したにすぎません。続編を企画するにあたり、“同様にワンアイデアを加えたい”と考えたなかで生まれたシステムです。
――ブレイブリーセカンドのシステムは、どんなところから発案されたのでしょう?
浅野 ゲームの性質が変わってはいけませんし、難しくなってもいけないので、シンプルなワンアイデアを入れようと思っていました。ブレイブ&デフォルトはターンを制御するというおもしろさだったと思いますが、ブレイブリーセカンドではターンを逸脱するおもしろさが得られると思います。
――ブレイブリーセカンドはとても便利なシステムの印象です。バランスを壊す原因にも成りかねないと思うのですが、その危惧はないのでしょうか?
浅野 ブレイブリーセカンドはデメリットがなく、一方的にプレイヤーが有利になるシステムです。ですので便利で、とにかく強いです。とはいえ、ニンテンドー3DS本体をスリープ状態にしてSPを貯める必要があるため、おそらく多くのプレイヤーは毎日2、3回しか発動することができません。“その切り札をいつ使うか”という遊びかたになると予想しています。それを想定したバランスにしているつもりではありますが、もともと『ブレイブリーデフォルト』は、フレンド召喚やアビリンクがあって、ガチガチなバランスではないので、そういうところも『ブレイブリー』の魅力として楽しんでいただけると思っています(笑)。
――ブレイブリーセカンド中はダメージの限界突破が行われますが、理論上、最高のダメージ値はどれくらいになるのでしょうか?また、ラスボスすらも簡単に倒せるといったことはありますか?
浅野 前作では理論上において68万のダメージが与えられる……なんて話もありましたね(笑)。今作では、ダメージ限界が9999でなくなることを前提に計算式、バランスも見直していますが、さて、どうでしょうか。いろいろ試してみてください(笑)。
――SPを時間で貯めるシステムにした意図をお教えください。
浅野 じつはこれ、概念としてはブレイブ&デフォルトと変わらないんです。ターンを前借りするブレイブに対して、デフォルトのほうがターンを貯めつつ防御状態を得られる分、絶対的に有利なのですが、その分プレイヤーが支払っているコストがあって、それが“プレイヤーの時間”なんです。デフォルトで待つか、それともブレイブで倒せると考えて一気に仕掛けるか。4回デフォルトをする慎重なプレイヤーは、時間をかける代わりに、絶対的に有利になる。前作もそれでいいと考えていました。今回のブレイブリーセカンドも同様で、絶対的に有利なシステムを、毎日2、3回使用できる状態において、プレイヤーはそれをどう使うか、というゲームになります。
――SPドリンクを販売する意図については?
浅野 ユーザーの皆さんの反発も予想されますし、かなり迷いました。それでも搭載した意図としては、ひとりでも多くの方にゲームをクリアーしてもらいたいと考えたためです。シナリオの続きが見たいのに、どうしても倒せないボスがいるとして、そこでプレイヤーが泣く泣くゲームをあきらめて離脱してしまうのは、私たちからしても本意ではありません。ですので、意図としては、難易度選択&エンカウント率の操作を導入したものと変わりません。究極的なものとすれば、ただ飲むだけでボスを倒せてしまうアイテムにもできるわけです。でも、そんな“ボスやっつけ爆弾”にしなかったのは、やはりゲームをゲームとして楽しんでほしかったからです。ちなみに、誤解のないように説明しておくと、本作はSPドリンクを使わず、毎日2、3回のブレイブリーセカンドの使用を前提にしてバランスを調整しています。
――SPドリンクの単価はいくらになるのでしょうか? 正式に決まっていない場合は、だいたいどれくらいを想定しているか、イメージをお教えください。
浅野 まだ話し合いをしている段階です。あまりにも安いとブレイブリーセカンドやり放題になって、それこそバランスが崩壊してしまいますから……。特別な切り札、という価値観を壊さないところがいいと思っています。
(C)2012, 2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. MAIN CHARACTER DESIGN :Akihiko Yoshida.
※画面は開発中のものです。※ニンテンドー3DSの3D映像は、同本体でしか見ることができません。画面写真は2D表示のものです。