『Halo』シリーズのスピンオフ

 Xboxを代表するFPS(一人称視点のシューティング)として、全世界で多くのファンを獲得している『Halo』シリーズ。シリーズをプレイしたことのある人にとっては周知の事実かもしれないが、『Halo』シリーズは練りこまれたストーリーやSF好きの心をくすぐるような世界観も好評で、FPS以外でのジャンル(リアルタイムストラテジーの『Halo Wars』)や、アニメーション(『Halo Legends』)なども展開されている。
 そんなスピンオフの一環として発売されたのが、今回紹介する『Halo: Spartan Assault』だ。Windows 8/RTを搭載したPCやタブレットでプレイできる本作の魅力をここでレポート。ちなみにこの記事はWindows 8 Pro搭載のタブレットPC“Surface Pro 128 GB”でプレイしたインプレッションとなっている。

Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_05
Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_06

懐かしさを感じる? 俯瞰視点のシューティング

 まず注目したいのが、『Halo: Spartan Assault』は、プレイヤーが操作するスパルタンを中心にした俯瞰視点でゲームをプレイするアクションシューティングという点。当然ながらFPSである『Halo』のメインシリーズとはまったく違うプレイ感覚だ。各ステージはフィールドにいる敵をせん滅しつつ、味方部隊の護衛、制限時間内に特定のポイントへ到達、特定の敵兵器の破壊といったミッションごとに課せられた目的も達成することで次のステージへと進める作りになっている。

Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_12
Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_12
▲四方八方から敵が襲いかかってくるが、俯瞰視点のため視認はしやすい。発見した敵を倒しつつ、与えられたミッションを遂行していこう。

 本作の戦闘だが、その基本はいたってシンプル。手持ちの武器で敵を撃ち、敵の攻撃は移動で回避したり、地形を盾にして防ぐという、古きよきアクションゲームのような内容となっている。プレイヤーが操作するスパルタンがレスポンスよく動き、攻撃してくれるため、昔(ファミコン~スーパーファミコン、1980年代後半~90年代のアーケードゲーム)のアクションゲームに触れたことがある人なら、すぐにどうやって立ち回れば要領よく戦えるかがわかるハズ。逆に10代や20代前半の人にとっては、特殊な回避手段が存在せず、“敵を撃って、避ける”ことに特化したゲーム性がある意味新鮮に映るかもしれない。
 基本的なルールはシンプルだが、戦場で拾える武器の何をメインにして戦っていくかでミッションの攻略法はかなり変化する。ミッションスタート時に装備していることが多いバトルライフルやコブナントカービンはオーソドックスな弾の軌道だが、戦場で拾える武器は『Halo』シリーズで持っていたもともとの特性を活かしつつ、『Halo: Spartan Assault』で使いやすいように性能がアレンジされており、状況に応じて使い分ければ楽に戦闘に勝てるようになる。個人的に使いやすかったのはニードラー。FPSの『Halo』シリーズでは近距離で一定の数以上の弾を当てないと効果が薄くて使いこなすのが難しかったが、本作ではバトルライフルとあまり変わらない射程にほかの武器にはない誘導性能がついており、狙いがアバウトでも敵にダメージを与えやすくなっていた。またグレネードがかなり強力で、近くの敵に当たりやすいよう投げる距離をある程度自動で判断してくれるため、砲台や乗り物相手に使用した際はほとんど外すことがない。ストック数もフラググレネードとプラズマグレネード2種類を9個ずつ、計18個を持って歩けるため、惜しみなく投げまくって派手に戦えるのも魅力といえる。

Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_04
Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_10
▲グレネードの使い勝手が非常によく、後半のステージはいかに2種類のグレネードをうまく使うかがカギになる。『Halo』シリーズおなじみのゴーストやレイスといったビーグルも登場。搭載されている兵器で攻撃できるほか、体当たりでの“轢き殺し”も可能だ。

アップデートで多彩になった操作方法

 現在の『Halo: Spartan Assault』は、8月30日に行われた無料アップデートにより、通常の25ステージをクリアーした後に出現する5ミッション『オペレーションヒドラ』の追加とともに、Xbox 360のコントローラでのゲームプレイが可能になっている。これにより、本作はタッチスクリーン、マウス&キーボード、そしてXbox 360コントローラと3つのスタイルで遊ぶことが可能になっている。

Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_02
Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_03
▲25のメインミッションをクリアーしたあとに解禁される、歯ごたえのある難易度の追加シナリオ『オペレーションヒドラ』。現在『Halo: Spartan Assault』を購入すればXbox 360コントローラーへの対応パッチとともに、もれなく自動でダウンロードされる。

 まずタッチスクリーンだが『Halo: Spartan Assault』をプレイするにあたって、もっともスタンダードな操作方法として想定されているだけあって、移動や攻撃など、すべての基本行動がスムーズに行える。とくにスパルタンを一定方向に向かせたまま射撃させるのは、コントローラに慣れ親しんだプレイヤーにとってもタッチスクリーンのほうが楽に感じるだろう。そもそも両方の親指を画面に認証させて移動&攻撃を行なうため、画面内のスパルタンを行動させる際の操作はコントローラとほぼ同じ感覚。慣れが必要とすればタッチパネルでの武器切り替えぐらいのものだろう。それから、今回使ったSurface Proではとくに問題を感じなかったが、プレイする際に使用するタブレットの重量によっては、長時間のプレイには向いていないかもしれない。
 マウス&キーボードの操作は、マウスで照準合わせと射撃を行い、テンキー(EDSF)で移動を行うというスタイル。自分のような家庭用ゲーマーにとっては、正直操作しづらかったが、これまでにPCでFPSをプレイしてきた人にとっては、もっともスパルタンを自由に動かせる操作方法かもしれない。
 最後にXbox 360コントローラでの操作だが、『Halo』シリーズのファンとしてはこれまでと同じボタン配置で武器の切り換えが行えるというのが大きかった。またタッチパネルだとどうしても使いづらかったプラズマガン(弾をチャージして撃つのがやや辛い)が自在に使え、堅い敵のシールドを剥がしやすかったのも印象深かった。またRトリガーを離した瞬間に射撃が止まるため、ムダ弾を撃たなくてすむのもコントローラの長所だろう(ただこの点は、フィールドの武器を拾っていれば弾切れを起こすようなゲーム性になっていないため、弾の撃ちすぎが問題になることはまず起こらない)。

Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_01
Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_09
Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_07
Windows 8 PCやタブレットでプレイする新感覚『Halo(ヘイロー)』、『Halo: Spartan Assault』インプレッション_08
▲タブレットの重量さえ気にならなければ、タッチスクリーンでの操作がもっともスムーズかも。『Halo』シリーズのボタン配置が染み付いているXboxユーザーなら、コントローラがオススメだ。

 『Halo』のメインストリームであるFPSというジャンルとは、まったく違ったゲーム性ではあるが、550円で買えるPCゲームとは思えないクオリティー&ボリュームを備えている『Halo: Spartan Assault』。本家顔負けのムービーや『Halo3』と『Halo4』を繋ぐ興味深いストーリーは、シリーズのファンならチェックしておきたい内容だ。そして手軽に遊べるアクションゲームとしても秀逸なので、『Halo』シリーズを知らない人がプレイしても楽しめるはずだ。無料の体験版『Halo: Spartan Assault Lite』もあるので、まずは体験版から始めるのもいいだろう。

■著者紹介:マンモス丸谷
『Halo』シリーズは初代からだいたいプレイしているにも関わらず、デス数がキル数の2倍をマークする程度の実力なライター。今回のインプレッションで使ったSurface ProでタブレットPCに初めて触れ、技術の進歩に驚いている模様。