世界で初めて公開されたデモの内容をリポート!

 2013年9月19日より開催中の“東京ゲームショウ2013”。一般公開日の2013年9月21日、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアブースで実施されている“一遊入魂”ステージで、ユービーアイソフトが贈る『ウォッチドッグス』の世界初公開デモが披露された。

 プレイステーション4の発売日と同じ2014年2月22日に、プレイステーション4版が発売される『ウォッチドッグス』。ネットワークでつながれたシカゴを舞台に、あらゆる物をハッキングしてコントロールするという、新機軸のオープンワールドアクションゲームだ。
 さまざまな映像が発表されており、2013年9月9日に開催された“SCEJA Press Conference 2013”でも新しいトレーラーを公開したが、ユーザーに向けて、生でその姿を見せるのは初めてのこと。世界中から注目を集めているタイトルなだけに、ステージ前には多くの人(もちろん外国のメディアも!)が集まっていた。
 初めて見るトレーラーが流れたあとに、なんと本作のクリエイティブ・ディレクターを務めるジョナサン・モーリン氏が登場! まだどこにも発表されていない、新しいデモを見せてくれると言うではないか。“一遊入魂”はその模様をニコニコ生放送で配信しているのだが、この『ウォッチドッグス』イベントは配信がされていない。まさに、ここにいる人間しか見ることのできない、超貴重なステージとなったのである。

『ウォッチドッグス』の世界初公開デモをリポート! クリエイティブ・ディレクターにも直撃!【TGS2013】_01
『ウォッチドッグス』の世界初公開デモをリポート! クリエイティブ・ディレクターにも直撃!【TGS2013】_02

 今回の新しいデモは、主人公のエイデン・ピアースと仲間のジョルディ・チンの会話からスタート。ターゲットを目指して、とある施設に潜入することがミッションの目的のようだ。
 マップを見ると、立体的に表現されたシカゴの街並みのあいだを、網の目のようにネットワークが広がっていることがわかる。シカゴは“CTOS”というオペレーションシステムによって管理されているのだが、エイデンは各地域にあるCTOSのコントロールセンターを制圧することで、支配力をどんどん広げていくようだ。各所の説明がグラフィカルに表示されるので、かなり広いマップでも迷うことはないだろう。
 ジョルディのサポートを受けながら、ステルスアクションを駆使して障害となる人物を近接格闘で倒して行くエイデン。シューティングアクションもスムーズで、幅広い戦闘が楽しめそうだ。ボートで川を渡って目的地に到着するも、当然ロックがかかっている。そんなときは、ハッキングだ! ネットワークを介してロックを解除し、潜入に成功。

『ウォッチドッグス』の世界初公開デモをリポート! クリエイティブ・ディレクターにも直撃!【TGS2013】_03
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 敵の位置は、監視カメラをハッキングすることで把握できる。それでも人間まではハッキングできない。そんなときは、どうするのか?
 おもむろにエイデンが、さまざまな物を作れる“クラフティング”能力を使って、ルアーをその場で作り始める。「なんでルアー?」と思ったら、ルアーを投げて敵の注意をそらした。物音に気づいた敵がルアーの近くに行った途端、ジョルディが遠方から狙撃! 見事な連携で道を切り拓いたのだ。つづいて、現場にあったフォークリフトをハッキング。積んであった荷物を落として、これまた敵の注意をそらす。さらには、アイテムで明かりを消して、一瞬だけ周囲を暗闇に包んで進む。まったく敵と戦うことなく、施設内への潜入に成功した。つねに変化する状況を把握して、自分の多彩な能力を的確に使うこと。それが本作のキモであることが、よく理解できた。

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 目的の人物から、ハッキングして入手した個人情報を使って知りたかったことを聞き出せた。あとは脱出だ! ここで画面に「フィクサーを全員始末するか、振り切れ」という表示が。どうやら、脱出手段は自分で決めていいらしい。エイデンは、遮蔽物に隠れるカバーリングを駆使して、邪魔な敵を撃ち倒しながら脱出ポイントへ移動し、クルマで無事に逃げ切ったところで、今回のデモは終了した。
 時間にして20分ほどのデモではあったが、『ウォッチドッグス』の魅力が凝縮されたステージだった。最後に、スマートフォンやタブレットでシカゴの街をコントロールできるようになるアプリケーションを紹介して、ステージは終了。ハッキングというシステムと、シューティングやスニーキングといったおなじみのアクションが融合した、いままでにないゲーム性を持つ作品であることは確信できた。でも、まだ少し謎の部分がある……。

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 ということで、ステージを終えたばかりのジョナサン・モーリン氏にインタビューを決行! デモを見ていて気になったポイントを、ご本人にうかがってみた。

『ウォッチドッグス』の世界初公開デモをリポート! クリエイティブ・ディレクターにも直撃!【TGS2013】_15
▲『ウォッチドッグス』クリエイティブ・ディレクターのジョナサン・モーリン氏。ユービーアイソフトのモントリオールスタジオから来日!

――世界初出しとなる『ウォッチドッグス』のライブデモを拝見しましたが、今回のデモのストーリーは?

ジョナサン・モーリン氏(以下、ジョン) ゲーム中盤のミッションで、エイデンはある情報を探していて、その情報を知っているフィクサーに迫るという内容ですが、詳細はまだ秘密です。

――ボートに乗って移動していましたが、ほかにはどのような乗り物が登場するのでしょうか?

ジョン クルマやバイク、マッスルカーなど、いろいろな種類の乗り物が登場します。地上を走る乗り物は、ほぼすべてに乗ることができますよ。

――デモでは、ジョルディが狙撃でサポートしていましたが、仲間は情報を提供するだけでなく、物理的にもサポートしてくれるのですね。

ジョン さまざまな仲間がエイデンを助けてくれますが、どのような状況で、いかなる方法でサポートしてくれるのかは、これも秘密です(笑)。いろいろな形で協力してくれるのは、確実ですよ!

――ルアーを作って危機を脱するシーンがありましたが、クラフティング能力ではどのような物が作れるのですか? 

ジョン さまざまなアクセサリーやアイテムを作ることができます。デモで明かりを消した瞬間がありましたが、あれはハッキング能力と電気を消すエレメンツをクラフティングして、“ブラックアウト”という効果を発揮するアイテムを作成したのです。さまざまなアイテムを自分の手で作れますよ。ちなみに、エレメンツはシカゴの街の中で手に入れることができます。

――フォークリフトをハッキングして積載量をコントロールしていましたが、ハッキングでできることは多彩ですね。

ジョン 今回のデモでは、操作を担当したステファンは荷物を落として敵の注意をそらしましたが、エレベーターのように足場として利用できますし、敵の頭に荷物を落とすといった使いかたもできます。ハッキングした物をどう使うかは、プレイヤー次第です。ミッションをクリアーする手段は、すべてプレイヤーの手に委ねられています。ステルスに徹するのもいいですし、ひたすら戦うのもいいでしょう。敵のAI(人工知能)が状況に反応してさまざまな行動を取るので、その行動に合わせて次の手を考える自由さを、『ウォッチドッグス』は持っています。

――ミッションの最後に、全員を始末するか、追手を振り切るかを選べましたが、選択によって何かが変わるのでしょうか?

ジョン 本作には“レピュテーション(名声)”システムがあります。今回のデモでは、敵が全員悪人だったので気にすることはありませんが、悪人ではない人物を倒しているところを、市民や警察に見られたら、エイデンの名声は下がります。名声が下がると、市民から通報されたりして、行動しにくくなるようなことがあります。

――『ウォッチドッグス』の世界は、さまざまな要素が絡み合って構成されているのですね。そんな貴重なデモを、このTGSで世界で初めて公開されたのはなぜ?

ジョン そもそもデモを発表するときは、できるだけ新しいものをお見せしたいと思っています。さらに今回は、日本の皆さんに直接お披露目できるチャンスでした。そこで、限られた時間の中で『ウォッチドッグス』の魅力をお伝えするために、今回のデモをお見せすることを決めたのです。

――確かにその魅力は伝わりました。では最後に、発売を待つ日本のファンに向けてメッセージをお聞かせください。

ジョン シカゴという海外を舞台にしたゲームを、日本の皆さんがどのように遊んでくれるのか、とても興味があります。今回は会場にいた方にしかお見せできなかったのですが、2013年10月20日に開催される“UBIDAY 2013”ではプレイアブルを出展するので、興味を持ってくれた方はぜひ会場にお越しください!

『ウォッチドッグス』の世界初公開デモをリポート! クリエイティブ・ディレクターにも直撃!【TGS2013】_16
▲最後に、今回のデモで活躍した方々とパチリ。写真左からジョナサン・モーリン氏、通訳をしてくれたマーケティング担当のヤン・トーマス氏、デモプレイを担当したステファン・ベルナード・ブルーソー氏。