じつは10分もレクチャーし続けたCM撮影現場
東京ゲームショウ2013の一般公開日初日となる9月21日、ガンホー・オンライン・エンターテイメントブースにて“ラグナロク オデッセイ エース スペシャルトークステージ”が開催された。プレイステーションVita用アクションゲーム『ラグナロク オデッセイ エース』は、テレビCMにタレントの武井 壮さんを起用していることでも注目を集めているが、今回はその武井 壮さんがゲストとして登場。かつてないほど強力な敵の倒しかたを教えてくれたり、百獣の王を目指すきっかけを明らかにしてくれるなど、秘話をたっぷり披露してくれた。では、イベントの様子をお届けしよう。
今回のイベントに登場したのは、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの代表取締役社長CEOである森下 一喜氏、本作のディレクターである入江 和宏氏と、リードプランナーである大河原 啓考氏。ここに武井 壮さんが加わり、4者……というか、ほぼ武井氏ひとりでアレコレ語ってくれた。
というわけで、話題は武井さんが出演したCMから。武井さんは、「ガンホーさんから“巨人を倒してくれ”とお話をいただいたとき、何いってんだ!と思いましたね(笑)。しかも“フルングニル”のデータを見たら、身長が27メートルと書いてあって、バカヤローって(笑)。ほぼビルですよね!」と、仕事の依頼が来たときの率直な感想をコメント。そして倒しかたを考えるわけだが、「悩みましたが、いろいろな情報を無視し、“本当にでかい人がいたら”と仮定してシミュレーションしました」と、“フルングニル”攻略の秘話を語ってくれた。
ちなみにCMでは大幅にカットされているが、実際は10分ぐらいしゃべり続けたそうで、森下氏は「ここまでやってくれるとは思わなかった」と武井さんのプロ根性に感嘆していた。
なおこのCMは、本作の公式サイト(⇒【コチラ】)で公開されている
武井 壮が百獣の王を目指すきっかけが明らかに!
そして話題は武井さん自身のことへ。森下氏は以前、武井さんと会ったとき「よくテレビで耳にするけど、本当に寝てないんですか?」と尋ねたそうだ。武井さんは「寝ます。ただ1回の睡眠がすごく短く、45分ぐらい。それを1日2~3回に分けて睡眠を取っているんです。ノンレム睡眠といって身体と脳がすごく休まる睡眠なんですが、普通の人の7時間分ぐらいを、俺は1時間ぐらいで取れてしまう」と、“寝ない伝説”の真相を語ってくれた。
また武井さんは2020年の東京オリンピック出場も狙っているとのこと。武井氏はかつて十種競技で日本チャンピオンになった経歴を持つが、「2年半しかやらずにチャンピオンになった」とのことで、「7年間努力すれば、3種目ぐらいいけるんじゃないかと。もしトレーニングがうまくいけば、(2016年の)リオデジャネイロ オリンピックにも出られるかも」と、つぎなる目標を熱く語る。
さらに、“百獣の王”を目指したきっかけも明らかにしてくれた。「もともとはプロゴルファーを目指してアメリカに住んでいたんですよ」と、人生を振り返る武井さん。毎日15時間ぐらいゴルフをして、ベストスコアも69までいき、ゴルファーとして生計を立てられるぐらいになったそうだ。だが、そのときに所属していたゴルフ場のサンドイッチがすごく美味しくて食べ過ぎてしまい、太ってしまったとのこと。そして減量のために寮の裏山へ行ったら、2メートル以上ある巨大な鹿と出会ったという。「こんな山で偶然鹿に出会って人生終わってしまうのか……」と無念に思った武井さん、だが鹿はどこかへ行ってしまい、一命を取り留めたという。「その帰りに動物図鑑を買って、鹿について調べ始めた」と、動物を調べるきっかけを明かしてくれた武井さん。そうして、どんな動物からも身を守れる方法を、4年間かけて調べたという。
そして日本に帰国し、トレーニングを再開し始めた武井さん。身体がまた鍛えられてきたころに、銀座にあるライオンの像を見て、「コイツならイケるんじゃねえかな?」と思ったそうだ。「想像で戦ってみたら、イケちゃった。ここから1匹ずつ倒し始めて、去年の春ぐらいに動物図鑑に載っている動物を全部倒したので、“百獣の王”を名乗りだしたんです。じつは11年かかってるんですよ!」と、現在の武井さんを生み出した壮絶なる逸話をたっぷり語ってくれたのだ。
というわけで、そんなライオンの倒しかたを武井さんに実演してもらう流れに。「ライオンはボディがみっしりと毛におおわれているんで、打撃が効かないんですよ。たてがみなんかつかんだら、すぐにやられちゃう。唯一の弱点は、鼻。猫科の動物の嗅覚は、人間の10万倍。つまり神経が10万倍密集していて、すげぇ敏感。自分の鼻を秒速2メートルぐらいで叩いたら、“わぁーっ”てなるでしょう。これの10万倍痛いってことですよ!」と、ライオンの弱点は鼻であることを武井節でレクチャーしてくれた。
「ただ、ライオンもバカではない」と武井さん。そうそう簡単に鼻を突き出しては来ないため、なんとか頭を固定する必要があるという。どうするかというと、ライオンのいちばんの武器である“噛みつき”を逆に利用するそうだ。「あいつらは首に噛みついて窒息させるのが得意なんで、あえて自分から首を差し出すんですよ。ライオンが噛みついてきたら、ギリギリのところでサッと右手を差し出して噛みつかせる。そこで腕にグッと力を入れると、ライオンの牙は抜けなくなる。蚊に刺されたとき、腕に力を入れると蚊が逃げられないでように。そうしてライオンの頭が固定されたら、左手で鼻にパンチをたたき込む」と、まさに武井さんしか実現できないような対処法を教えてくれた。
デオドラントスプレーが攻略のカギ!?
やっぱり武井さんには、このステージでも巨人と戦ってほしい! ということで、新しい巨人が紹介された。その名は“グレンデル・サンタン”、ちょっと変わった行動を取るのが好きな、異端な巨人だそうだ。
だが、武井さんも負けてはいない。ステージイベントの場合は大抵無茶ブリされるそうで、今回も「ガンホーサイドの不穏な動きを察知」したそうだ。そこで武井さんが取った行動は、ガンホーに勤めている同級生のイチカワ氏から情報を聞き出すこと。「ゴルフをレッスンするから教えろ」と交渉したら、すんなり教えてくれたという。
そうして“グレンデル・サンタン”の資料を取り寄せ、さらにPS Vitaも買ってもらった武井さん。実際にグレンデル・サンタン戦をこなし、事前対策をバッチリこなしてきたという。そうして武井さんが生み出した結論は、「あまり近づかないこと」だそうだ。「“グレンデル・サンタン”は、接近戦になると腕を上げて叩きつけてくる。人間の腕の長さは身長の約3分の1ぐらいなので、グレンデル・サンタンの身長を15メートルとすると、腕の長さは5メートルぐらい。結論として、直径10メートルぐらいに近づいてはいけない」と、論理的に安全圏を計算する武井さん。
そうして離れて挑発し、攻撃を誘う。“グレンデル・サンタン”は腕を上げると、攻撃してくるまで6~7秒かかるそうだ。「7秒あったら、俺60メートル進めるんですよ。なので、腕を上げ始めたら、腕が落ちるポイント、5メートル先まで進むんです。なぜ腕が落ちる場所かというと、ご存じですか? グレンデル・サンタンは腕が弱点なんです」と、あっさりと巨人の弱点を見抜く武井さん。
これには開発陣も驚き、「なんで腕が弱点だと知っているんですか?」と声を上げた。すると武井さんは「腕に攻撃したとき、ゲージの減りがまあまあでかいんです」とコメント。どうやらゲーム中で弱点を発見していたようだ。
そうして振り下ろしてきた腕に「ビターンとローキック。で、また5メートル逃げる。それをくり返す!」と、攻撃に転じる武井さん。だが“グレンデル・サンタン”はそんなに簡単には倒せなく、「ゲーム上では刀を持って4~600回ぐらい攻撃する必要がある」と武井さん。また自身のローキックの威力は刀の攻撃の半分ぐらいと分析し、1200発ほど当てる必要があるという結論に達していた。
だが、ここでスタミナの問題が発生。ローキックを1回打つたびに武井さんは5メートルを往復、つまり10メートルダッシュすることになるため、「10メートル×1200で、12キロメートルダッシュしなくちゃならない。めちゃめちゃきつく、長丁場になる」と、長期戦は避けられない構えだ。そこで武井さんは、「500発ぐらい打ったら“ちょっと待ってろ”っていって、お弁当を食べたりして休憩する」ことを提案。これを2~3日続ければ倒せるそうだ。
だが、そうして“グレンデル・サンタン”を弱らせたときに、いちばんまずい“汗を飛ばしてくる攻撃”をしてくるという。この汗を浴びると、ホーミング攻撃“超ボディプレス”を仕掛けてくるのだ。
「あれが一番ヤバイ攻撃でしょう。15メートルのヤツに踏まれてごらんなさいよ、絶対死ぬでしょ!」と、その危険度に細心の注意を払う武井さん。だが、“グレンデル・サンタン”の汗は雨みたいなモノだから避けられないという。そこで武井さんが編み出した攻略法とは……。「避けられないから、あえて受ける! で、人間って汗の臭いに敏感だから……」と、デオドラントスプレーを取り出して身体にかける武井さん。なるほど、その手があったか! この意外すぎる攻略法に、会場も爆笑。こうして、武井氏は見事“グレンデル・サンタン”の攻略法を編み出してくれたのだ。
……と、見事にオチをつけてくれて、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。最後に武井さんは「ぜひ一度『ラグナロク オデッセイ エース』を手に取ってプレイしてみて、武井 壮の倒しかたじゃぜったい無理だな、ってのを実感していただければ(笑)。ただ、俺も無理じゃないかな、とは思っているんですが、無理だと思ってやらないことはいちばんよくない。みなさんは可能性を信じて、いままでやったことがないことをどんどんクリアーして、楽しい人生を送っていただきたい。武井 壮もこれからオリンピックに向けてひたすらトレーニングを続けますので、いっしょに戦い続けてください。よろしくおねがいします!」と、来場者全員にエールを贈って会場をあとにした。ありがとう武井さん!
……というわけで、最初から最後まで“武井 壮”に染まりきったイベントは、終始笑いが絶えない楽しすぎる内容であった。にも関わらず、なぜか元気がもらえた気がするところに、“武井 壮”の偉大さを感じた記者であった。
(取材・文:ライター/喫茶板東)